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第1回 さよならのめまい 南野陽子

こんにちは!

初めて書きます

第一回目は
南野陽子  2枚目のシングル「さよならのめまい」
(作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお 編曲:萩田光雄 

B面:金星(ヴィーナス)伝説 
作詞:山川啓介 作曲:亀井登志夫 編曲:萩田光雄) 
 リリース:1985.11.21 CBS ソニー 最高位オリコン15位 売上枚数12.5万枚)
です。


初音ミクが歌う「さよならのめまい」をここに貼り付けておきます。

この「さよならのめまい」はスケバン刑事2の挿入歌として使われていた。

なんで主演がアイドル歌手の南野陽子なのに、歌はナンノの主題歌じゃないの?という疑問をもったそこのあなた!
そう、あなたです。その理由は!

吉沢秋絵の「なぜ?の嵐」が主題歌だったからである。(そもそもがスケバン刑事2主演は吉沢秋絵の予定だったらしいが、、、)

その後の南野陽子のシングル
「悲しみモニュメント」「風のマドリガル」を加えて「スケバン3部作」といっても過言ではないだろう。「楽園のDOOR」を入れて4部作。

ちなみに:ゴールデンアイドルでは再録版 スケバン刑事メドレーとして
風のマドリガル・悲しみモニュメント・さよならのめまい・楽園のDOOR
2005年版として聴くことができる。

【ちょい脱線】
ちなみに、スケバン刑事はフジテレビであり、夕焼けニャンニャンも、フジ。
そもそも
吉沢はおニャン子クラブの新人として(スケバン刑事の主演女優発掘企画)でテレビに出てきた人である。
吉沢所属のレコード会社も前作(スケバン刑事1)主演の斉藤由貴と同じポニーキャニオンだったので、その辺の(主題歌は、今まで通りキャニオン=吉沢で行こうよという)力学が働いたのかもしれない。

スケバン刑事2は当初、吉沢が主演で主題歌、挿入歌はナンノの予定だったが土壇場で主演が南野陽子に変わったのだ!

ちなみに、ナンノのシングルはその後、悲しみモニュメント(夜のヒットスタジオにはこれで初登場)、風のマドリガル(ベストテンに初ランクイン)した。
ナンノのシングルはスケバン刑事2中に合計3曲が使われている。

ここでデビュー曲「恥ずかしすぎて B面:さよなら夏のリセ」(両面とも作詞:康珍化 作曲:都倉俊一、編曲:大村雅朗)について、軽く説明。

デビュー曲「恥ずかしすぎて」は、オリコン最高位57位、売上2.3万枚なのでここでは大きな収穫はえられなかった。1985年デビュー組としてはスケバン刑事2主演➕2枚目シングル「さよならのめまい」で一気にここで猛チャージをかけてきた感じ。曲もスケバン刑事の世界観にもマッチした作品である。

さよならのめまいは、サビに「さよなら、めまい」という言葉は全く入っていない。しかし仮にタイトルを覚えていなくても、曲さえ覚えていれば、今中古レコードショップに行ったり、サブスクでナンノの曲リストをみたり、ベストアルバムのタイトル表を見れば、一発で多分これだな、とわかる内容である。短調で、歌詞の内容やスケバン刑事を見たことがある者なら 
いきなりクイズこの曲タイトルなんだっけ 南野陽子下記のタイトルから選ぼう!
と言われても
はいからさんが通る・吐息でネット・話しかけたかった・秋からのもそばにいて・恥ずかしすぎて・さよならのめまい
から選択肢を間違えるものはいないであろう。
もちろん答えは
「さよならのめまい」一択だ!

(ちなみにもしスケバン刑事I:斉藤由貴編 を見ていた者なら、もし全く、アイドル、歌謡曲を全く知らなくても、斉藤由貴のプレイリストやベストをみれば

青空のかけら・悲しみよこんにちは・夢の中へ・卒業・MAY・白い炎)
から一発でほとんどの人は 白い炎 がスケバン刑事の主題歌だとわかるだろう。)

こちらもサビの中では白い炎という言葉は一回も出てこないが(サビ直前にはあるが)短調のメロディとドラマの内容からすぐにこれが主題歌だとわかる)

さよならのめまい は、
そのくらい来生えつこ・来生たかお・萩田光雄のトライアングルが最高なのだ。はっきりってこの曲がナンノのその後の方向性を決定づけたといっても過言ではない。

実際、ナンノの次の大ブレイク曲は楽園のDOOR で来生たかお、萩田光雄のコンビである。(作詞は当時まだ新人だった小倉めぐみ。彼女は金星伝説を作詞した山川啓介の門下の方。その後、小倉は、はいからさんが通る、秋からもそばにいてなどを手がけている)

南野陽子といえば楽園のDOORだろうという人も多いかもしれないが
楽園〜は、さよならのめまいを大袈裟にした二番煎じ
モチーフにした楽曲と言える。

さよからのめまいは、恋人と別れてあたらしいステップに進みたいと決意したとき、めまいがした。という歌である。

楽園のドアは、さよならのめまいを全体的に曲の世界観自体の焦点を引きにして本人の意思を少し強くした歌詞である。
「淋しさも憎しみもガラスの向こうの物語」「新しい靴はぎこちなくて〜あなたに近くなるために」


【ここで脱線】
なぜ?の嵐 について

ちなみに、最初の主題歌となった吉沢の「なぜ?の嵐」は吉沢秋絵のデビュー曲だ。
(スケバン刑事主演計画はポシャったが、吉沢の主題歌は残ったってことかな)こちらの戦績は、オリコン最高位8位、売上10.4万枚という結果になった。これをとう見るかは難しい。

ナンノの「さよならのめまい」は最高位こそ15位だが売上は12.5万枚であると言うこと。

さよならのめまいは、それ以上にその後の楽園のDOORに繋がる世界観をもちあわせている。短調・孤独の少女路線の最初の一手だったと言える。

吉沢のなぜ〜は新人のデビューシングルとしてはまあまあな成果と言えるが、おニャン子旋風の追い風のなかでリリースされた楽曲と見ればかなり厳しい結果である。

ちなみにおニャン子本体のデビュー曲
「セーラー服を脱がさないで」
 (最高位5位 売上24.7万枚 キャニオン) 
おニャン子クラブ
からのソロからデビューの
1番手は河合その子「涙の茉莉花LOVE」(最高位1位 19.0万枚 CBSソニー)

2番手「うしろさされ組」同名シングル(最高位5位 20.9万枚 キャニオン)

3番手 吉沢秋絵「なぜ?の嵐」

4番手 新田絵利 「冬のオペラグラス 最高位1位 32.0万枚 キャニオン)
5番手国生さゆり「バレンタイン・キッス」(最高位2位 31.7万枚 CBSソニー」
これらを俯瞰すると、
2番手、吉沢は「新人のデビュー作としては大健闘だがおニャン子のソロデビューで勢ではアウトギリ及第点」と言うことになる。

しかし吉沢のデビューはちょっと早すぎたともいえる。

おニャン子ソロデビューは、
三強 (その子、新田、国生)のうち河合その子のうちソロデビュー最速河合その子を除いて新田、国生より吉沢が早かった。

他にも、おニャン子初期センター勢の福永恵規(さとみ)、内海和子、などごぼう抜きした吉沢のソロデューは厳しかったのかも?!

話が大幅にそれてしまったが、とにかく
さよならのめまい で、無事ナンノはベストテンにもスポットライトで無事初登場することができた。

さよならのめまい のB面に収録の金星伝説はあまり触れられることがないしベストにも入ってない。オリジナル・アルバムでも聞くことは出来ない。


調べたところ、収録アルバムは
1.リンク(企画盤スケバン刑事メモリアル 麻宮サキよ永遠に)
2.ゴールデンJポップ(廃盤かも)
3.ゴールデンアイドル(AB面コンプリートコレクション)
の3作だけだった(もし違ってたらすいません)ゴールデンアイドルはAB両面コンプリートベストなので収録は当然かも。

二枚組のディアー・マイ・ベストには収録されていなかった。当然NANNO SINGLES1,2,3(3はゴールデンベスト扱)
にも金星伝説は、収録されていない。なので扱いがちょっと難しいところ。ついでオリジナルアルバムには収録されていないのでなんとApple Musicでは聴けない!あまりナンノの楽曲のなかでは良い扱いをされているとは言えない。


金星伝説は楽曲オーダーの前提がスケバン刑事の挿入歌・主題歌であったことは、歌詞から丸わかりである。
「気づかなければよかった あなたより大切なものに」
「ナイフみたいな心」
女の子にも恋より美しい夢がある」

あからさまに斉藤由貴の白い炎が下敷きにされている。(私悲しい女の子ですか など)

今の若い人は違和感があるかもしれないが斉藤由貴は高校の卒業式の日にデビューしている。つまり当時主流だった、高校卒業ー東京で就職(斉藤由貴のデビューシングル:卒業 東京で変わってくあなたの未来は縛れない よろしく春からは卒業して、斉藤本人も東京でかわっていく と言う宣言でもあった。)


斉藤由貴のデビュー日付的には確かに彼女は当時、18歳高校生ではあるが、実際には、高校卒業後のテレビでの歌手デビューである。
本人も歌番組で自信を評して最近のアイドルは15歳とか14歳で若いから(同期1985年デビュー中山美穂は早生まれの15歳デビュー 斉藤はもう大人なので、)私はアイドルというより、歌手兼女優さん」と語っているように

「女の子」というのはいくらおじさんたちファンが、斉藤由貴やナンノを女の子と見ていても本人たちもそれはちょっと年齢的に厳しいことはわかっている。実際、白い炎の作詞は森雪之丞だし金星伝説は山川啓介である。どちらも男性作詞家。男性が女性目線になるとどうしても職業作家だけに目線が他人目線になっている(これは秋元康も同じ。女性でセーラー服を脱がさないでみたいな歌は書かないだろう)まあ、こうした事情の良し悪しは別として、とにかく金星伝説は1stアルバムのジェラートにも含まれなかった。ジェラート
金星伝説とスケバン単独企画色が強すぎたのかも

ここでファースト・アルバム
ジェラートの収録曲:
1:春景色
2:涙の海で眠りましょう
3:悲しみモニュメント
4:花びらの季節(とき)
5:潔白(イノセント)
6:さよならのめまい
7:私たちのメリーゴーランド
8:映画色の雨
9:恥ずかしすぎて
10:優しいたそがれ

金星伝説が悪いということはない。むしろスケバン刑事の内容や、前作の主題歌(斉藤由貴・白い炎)の世界観の継承という意味ではむしろ金星伝説の方が優れていると言える。

山川啓介は
岩崎宏美の聖母たちのララバイ
中村雅俊 ふれあい
八神純子・Mr.ブルー私の地球

書いている大御所中の大御所なので、上記を見るだけでもタイアップソング・クライアントが求める世界観の商品化には天才であることは間違いない。

ただスケバン刑事の主題歌は、その後を見ても、そのドラマ作品としてアイドルの圧倒的な支持母体形成に大きな影響はあるが、その後もテレビで披露されることがあるかというとやはり少ない。浅香唯(風真三姉妹名義)Rememberでさえも、浅香唯、大西結花、中村由真のジョイントコンサート(?)では使われても、ソロで浅香唯がテレビ番組で歌うかというとそうでもない。やはりスケバン色が強すぎるのかも?
が、さよならのめまいの続編とも言える楽園のDOORが懐メロの定番になることができた。

さよならのめまいは金星伝説を抑えてシングルになったことでスケバン刑事2でナンノ版「白い炎」になるかと思ったが、むしろ白い炎よりも
スケバン刑事を見ていない人にもスッと入ってくる曲になった。

金星伝説だとあまりにもあからさますぎるスケバンが終わった時のことを考えると、その感情移入がされづらいだろう。
斉藤由貴の白い炎はスケバン刑事を通して全話に使われたが、スケバン刑事2はそういうわけで なぜ?の嵐(吉沢)、さよならのめまい(挿入歌)悲しみモニュメント、風のマドリガル、季節はずれの恋(吉沢・挿入歌)というふうに1ドラマ中に複数シングルの投下がされる。この手法はスケバン刑事3にも踏襲されていく。

最後までお読みいただきありがとうございます。













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