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瞳を閉じたままアイコンタクトする。ホン・サンス『自由が丘で』

自由が丘で

加瀬亮に内在するコスモポリタンな浮遊性を、ホン・サンスがかつてないほどの柔らかさ、豊かさで引き出した逸品。好きな女に逢うために韓国に降り立った男が過ごす待機、探索、放浪、彷徨、忘失、呆然、それらすべてあり、そのいずれでもない時間。切れ切れの、散らばった、かけらの端と端とが、瞳を閉じたままアイコンタクトするような、世界で最初で最後の愛らしさ。

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