美少女戦士は自らの言葉で変身する -セーラーマーズ/火野レイ

年末年始、積読消化しようと思っていたが絶賛セーラームーン鑑賞中。

『ムーンライト伝説』のカラオケ映像に一瞬映ったセーラーネプチューンに一目惚れし、彼女のメイン回(セーラームーンS)を観たらまんまとハマり、いま無印から順を追って観ている。めちゃくちゃ面白い。作画、戦士たちのファッションの可愛さはもちろん、女児向けアニメにしてはヘビーすぎる展開が侮れず、「なるちゃん号泣」とタイトルに銘打ってある回はしっかり号泣してしまった。

さて、セーラーマーズの初登場回を観て思わず筆を取った。
今のところ一推しはセーラーネプチューンなのだが、セーラーマーズがなかなかにかっこいい。巫女さんという属性も犬夜叉フリークとしては惹かれるところがある。
私は初代プリキュア世代でセーラームーンには全く触れてこなかった身で、敵にある程度やられてから変身シーンに入るプリキュアに対し毎度「変身してる間にやられるよ!?」と幼心にも突っ込んでいたのだが、セーラー戦士たちは変身してから敵の前に現れることが結構多いので安心感がある。
と、まあそれは余談だが、この変身シーンの重要性は筆舌に尽くし難い。というのは、火野レイがルナに言われるがまま初めてセーラーマーズに変身したとき!その眼に燃えるほどの光が宿り、赤いピンヒールが彼女のみなぎる自信をよりいっそう引き出したように見えた。

それが証拠に、変身後「こ、これはどうなってるの…!?」とワンクッション驚くものの、襲ってきた敵に対し即座に

「悪霊め許さない!あたしが退治してくれる!
ファイヤー!!!」

と使命感に満ちた言葉とともに完璧に技を繰り出している。これには痺れた。

なぜ少女戦士たちは戦闘中に時間を割いてでも変身するのか?
それはコスチュームが、日常生活のなかでは眠らせている自分の中にある強さを鼓舞し、かつ日常生活のなかで必須とも言える恥じらいや弱さを仕舞い込み無敵状態になるための鎧であるからなのだ。そしてその状態への移行時間は己だけの空間でなければならない。その時間は自分で自分の弱さを仕舞い強さを引き出す時間だから。だからこそ、シンデレラのビビデバビデブーとは違い、自らの意思で「メイクアップ!」とのセリフを声高らかに宣言する必要がある。
変身は、持てる力の全てを使って攻めるための、そして自分の中の繊細な部分を守るために必要不可欠なパートなのである。

というようなことを考えて、もう一度レイちゃんがセーラーマーズになった瞬間の表情を思い出し、私も出勤時にちゃんとメイクしよう、そうすることで自信が溢れ(ているように振る舞うことができ)るはずだから、と思うのだった。 

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