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家族に伝える経済シリーズ(43):ギャンブル化する証券取引 ー 一般人が直面するリスク

昔、「兜町(かぶとちょう)の顔役」という言い方があったんや。
兜町は東京証券市場があった地域で、いわゆる金融街やった場所やね。今は電子取引が主体になったから、かつてのような賑わいはなくなってしまったけど。
これを米国で言うなら、ニューヨークのウォール街にいる「ウォール街の大立者」みたいなもんやね。
要するに、株式取引で大きく儲ける人たちのことや。
こういう人たちは、一夜にして大金を稼ぎ、一夜にして全てを失うこともある。そういうドラマチックなストーリーが報道されることも多かった。

投資と投機の違い

これを「投資」と呼ぶのは正確やないかもしれん。どちらかと言えば「投機」に近い。
投機というのは、短期的な利益を狙って株や商品を売買することや。
大きく儲かる可能性もあるけど、その分リスクも大きく、損害を出すこともある。言うなれば、博打的な要素が強い取引やね。

証券取引――例えば株や為替の取引、あるいは先物取引なんか――には、こうしたギャンブル的な性質がある。
昔は一部の専門家や関係者だけが行うもので、普通の人が関わることは少なかったけれど、今では一般化してきた。特に、スマホ一つで少額から取引ができる時代になったからや。
例えば、LINEが証券取引を勧めているのをよく見かけるけど、これには注意が必要や。一般の人にとっては、かなりギャンブルに近いものになる可能性があるからね。

株式取引が「ギャンブル」になる理由

どうして株式取引がギャンブルになりやすいのか。
それは株価や為替の変動が、多くの要因に左右されているからや。
普通の人には分からないような複雑な要因で決まることもあるし、場合によっては、企業や国などの大きなプレイヤーがその要因を操作することもある。
そうした動きに気づけなければ儲けるのは難しいし、気づいたとしても一般人が対応できるわけではない。
結果として、「儲からないギャンブル」になりがちや。そして、結局利益を得るのは一部の特権階級や富裕層だけ、ということが多いんや。

もしそれでも何とか利益を得たいと思ったら、四六時中そのことに集中せなあかん。
実際、喫茶店なんかでPCを開いてじっと画面を見ている人を見たことがある。あれは恐らく株取引FX(為替取引)をしているんやろうなと思う。
彼らは株価や為替の動きをとらえようとして、売買のタイミングを見極めているんやろうね。それが仕事になってるんやろうけど、他のことはなかなかできへんやろなぁ……。

そんなふうに思って、父は株式取引は基本的にやらないことにした(笑)。

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