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家族に伝える経済シリーズ(14):経済と実質賃金のトリックに潜むもの②

実質賃金の話やけど、まずはその元になっとる「名目賃金」から説明しとこか。
つまり、これは実際に手元に入る給料の額のことなんやね。この名目賃金は、物価が上がったり下がったりすると、その価値も一緒に変わってしまうんよ。
そこで出てくるんが「実質賃金」いうて、物価を考慮して、ほんまの価値を見たもんやねん。

例えば、コメ1kgが500円のときに給料が10,000円やったら、20kgのコメが買えるやろ?せやけど、物価が上がってコメが1kgで1,000円になってしもうたら、同じ10,000円の給料で買えるコメは10kgに減ってしまう。
(例としてちょっと大雑把やけど、イメージはつきやすいやろ?)

これ、どういうことか言うたら、同じ10,000円でも実際の価値が半分に減っとるわけやから、実質的には5,000円分の価値しかないっちゅうことなんよ。つまり、実質賃金が半分になったってことになるんやね。ちょっと極端な例やけど、まぁ分かりやすいと思う。

逆に言えば、名目賃金が同じでも物価が下がったら、実質賃金は上がるんやね。

この考え方でいくと、たとえ名目賃金が下がっても、物価がもっと大きく下がれば、実質賃金は上がることもあるんやけど、ほんまにそれがええことなんかは別の話や。
実質賃金が上がったら「お、ええことやん」って思うかもしれへんけど、給料の額、つまり名目賃金が下がってるって事実には変わりないわけや。

「給料は減ったけど、物価が下がって実質賃金は上がっとるから問題ないんちゃう?」って思うこともあるやろうけど、ほんまにそれでええんかはよく考えなあかんわ。
給料が減ってるっちゅうのは、たいていの場合、経済全体がうまくいってへん証拠やから、実質賃金だけ見て「まぁ大丈夫やろ」って安心するのは、ちょっと危ない考え方やねん。こういうの、数字のトリックみたいなもんやしね。

ほんまは「名目賃金も上がって、実質賃金も上がってる」っちゅう状態が一番理想やねん。それが、経済がちゃんとうまく回っとる証拠になるわけや。
せやけど、たまに政府が「実質賃金が上がってるから、政策はうまくいってる」なんて言うこともあるけど、そういうときはちょっと注意したほうがええかもしれへん。なんか上手いことごまかされてる可能性もあるからね。

だからこそ、この「実質賃金」っちゅうのは、ほんま曲者やね。みんなも、この辺りはちゃんと気ぃつけといてな。

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