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他人と他人。

世の中にはいろんなタイプの人がいる。
それはとても不思議な事だ。
かの有名な句に、“みんな違ってみんないい”という言葉がある。
果たしてそうなのだろうか。良い悪いの尺度は誰が決めるのだろう。
それもまた人なのである。

現在時刻は、2月14日深夜3時
真夜中のこのなんともいえない時間が好きだ。
そんな夜の話をしようと思う。

数年前、僕は人に飢えていた。いや今も飢えているのかもしれない。
いつだったかは定かではないが、このワードを知った。

“ハプニングバー”
知る人ぞ知る大人の社交場である。書き方としては、射交場が合っているのかな。
当時、友人もいなく一人で寂しく居酒屋で呑むという事をしていた。
もちろん、酔った勢いでセクキャバなどにも行きまくる日々だった。
そこでの僕は、無だった。記憶がなくなるほど酒を浴びて自分を慰めていた。
寝て起きては、カードを切った明細を見ては苛立っていた。
そして、ある時ハプニングバーを知る事になる。

都内には何十店舗もあるらしい。普通に生活をしていて全く目につかない。
まさに、夜のお店である。
いくつかある地域の内、僕は行き慣れた場所に行く事にした。
電車で片道20分ほどである。
そのお店は、ビルの3階にひっそりとあった。
店名の表示はなく、ホームページはあれど場所の所在もざっくりとしていた。

意を決して僕はそのドアを叩いた。
中から、ボーイさんが現れ説明をしてくれた。
アルコール提供するからなのか、身分証を求められた。
(後に警察対策もあると知る)
入会金・入店料合わせて15000円を支払った。その時点でとんでもない暴利である。
ハプバー全般に言える事だが、その高いお金を払う価値があるかと言われたらわからない。
ラッキースケベにかける! 
これに期待に胸膨らませるしかなかった。

そこのバーは、常連が占めていた。
新参者かつ人見知りの僕は、ただそこにいるのみである。
透明人間になったようだった。
こうして何もできずに初バーは終わった。

あくる日、また僕はそのバーに来ていた。
まだいけるはずだと、何処かで期待していたのだろう。
内容は、覚えていないがフェチズムの方々が集うイベント日に行ってみた。
そこで得たモノは、フェチズムと自身の開花とでもいうべきか。

眼球を舐められると興奮する者、排尿音が好きなモノなど様々いた。
そこで僕は、貞操を奪われた。正確に言うと、菊門の。
調教好きのお姉さんがいた。もう名前も顔も一切覚えていない。
そのお姉さんに招かれ、初のプレイルームに行った。

お姉さんは慣れたように、ゴム手袋をし、僕の菊にローションを塗った。
ヒヤっとしたのは覚えている。
指が入ってきた。なんだか不思議な感覚だった。
お姉さんの二本指がツルッと入った。
もちろん自分からは見えていないので、後から聞いた話だ。

こうして僕の初体験は終わった。当時30過ぎのことである。
プレイルームにいったのはその時だけで、以降行くことは出来なかった。
その店の会員カードをムシャクシャして破り捨てた。
ラッキースケベができなかったから破ったのでない。
そういう所に行ってしまう自分に嫌気が差して破った記憶がある。

他人の隠れた顔を知るには代償がツキモノである。









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