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北海道輸出セミナーin旭川を聴講してきました!

1月27日、旭川駅前で行われたセミナーに参加し、とても
有益なお話しを聞くことが出来ました。

セミナーの大枠としては、以下の4つとなっていました。

1.輸出拡大に向けた制度等の紹介
 (北海道農政事務所、北海道経済産業局、等)

2.道北・道央エリアからの輸出拡大のポイント
 (アクセンチュア)

3.道産品の輸出取り組みの紹介
 (生産者/加工食品メーカー)

4.輸出事業者との取組・現地ニーズの紹介
 (輸出商社)


上記のように、

作り手

輸出業務

現地での販売者(売り手)

という商流それぞれを担当するプレーヤー。

一方、輸出業務を支える行政や支援団体、企業の方が一同に
会してのセミナーで、非常に内容が濃いものでしたが、今回の
noteでは、東神楽町地域商社の業務に特に関連があった
トピックを紹介させていただきます。


1)道北からの輸出拡大のポイント
 (アクセンチュア)

 道北エリアの主な産品の紹介。

 東川町:清酒、米
 
 富良野市 等:  たまねぎ

 旭川市 :米、日本酒

 高価値野菜、ブランド和牛、日本酒、加工食品がメインとなっている。

 中国では、北海道スイーツが特に人気ある。

 高付加価値野菜については、海外シェフ、インフルエンサーと連携している。
 苫小牧港からの輸出において、小口混載コンテナ輸送のスキームがあり、
 小規模事業者でも利用しやすい。


2)JAひがしかわ:グローバル産地化への挑戦


  http://www.ja-higashikawa.or.jp/
  
 かねてよりブランド米「東川米」の育成を行ってきたが、
 年間10万トンづつ、国内需要が減少してきたので、
 目を海外に向け、令和2年産より輸出本格化。

 台湾、ロシア、中国、香港向けに合計270トンを輸出。  
 今後、オランダにも輸出予定。

 実需者と直接やりとりして、ニーズを聴きとっている。

 例えば、ロシアでは
 2017年12月 現地での料理教室、試食会

  2019年12月 「ひがしかわボール」 の商品化、
 現地大学生100名を対象にしたモニター調査

 といった活動を行ってきた。

グローバル産地化計画

 令和7年までに10か国以上、1000トン以上の輸出を計画している。
 ウズベキスタン、フィンランド、タイ、イギリス、アメリカ、南アフリカ   オランダ

 令和4年輸出実績は約4千万円
 仕向け地:台湾、中国、香港(ロシアはウクライナ情勢により、中断した)

 →輸出単体で大きな利益にはならないが、プロモーションの一環として考えている。

米に加えて日本酒をブラジルに輸出

パックご飯のニーズがあり、販路拡大商品に選定した。

 
宣伝活動
 JA職員がYouTube 配信
 モスクワでイベント実施
   
 ひがしかわボールのプロモーション
 →主食としてコメが食べられていないロシアで
  消費される為に考えた。丸状のライスボールに具材を合わせたもの。

行政との連携体制
 町役場とも強く連携

 令和6年4月より新精米工場が稼働
 玄米殺菌、殺虫殺卵装置(北海道初の試み)→輸出促進へ

 マーケットインの姿勢で、現地で人気が高いものを売る(味が濃い、焼きおにぎりなど)

 町内120軒 の水稲生産者 全軒が輸出に関わっている

 金額ベース:補助金と合わせて、国内向けと同水準の収入
 海外向け米と国内流通分の違いは無し、全て同じ規格。

  
<特に参考になったコト!>

 ・JAひがしかわ、さんが自ら現地に足を運び、実需サイドの
  ニーズ聴きとりを行っていること。

 ・北海道初の殺虫殺卵装置などの設備導入といった先進性

 ・町役場と緊密に連携し、町内の水稲生産者全軒が輸出に関わっていること

   

3)滝川市地方卸売市場:青果物のコンテナ混載輸出

  https://www.takiichi.co.jp/service_jp.html

  商社勤務の経験、人脈を活用し、富良野のメロンなどの青果物を
  香港やアフリカ等に輸出している。

  最初はりんご、から始まった。

  売上
  令和元年 2千万円
  令和4年 8千万円

  主な商品
  メロン、かぼちゃ、長いも、とうもろこし等

  経産省の補助金を用いて、JETRO香港や領事館を訪問し、販路開拓、
  現地ニーズ調査をした。

  香港や台湾では、贈答品として派手な包装が評判である事を確認。

  まずは、利益度外視で商品を知ってもらう努力から始めた。

  さつま芋(石焼き芋が人気で、焼き芋にし易いS,2S,3Sといった細長い規格が売れる、長いもは東南アジアから引き合いが強い。

  道内事業者との連携→混載コンテナを仕立てる

  有機野菜→生野菜を食べる習慣がメジャーではない東南アジアでは価格転嫁が難しい。欧米は可能性ある。ベジタリアン、ヴィーガン向け需要がある。

  とうきび→スピードは捨てて、しっかり予冷する方が良い。サクランボなども同様。

 「北海道産」だけで勝負した方が良い。

  自分の自治体の名前を売りたい気持ちは理解できるのだが、現地の消費 者に響くのは、あくまで「北海道産」。

  <特に参考になったコト!>

  ・「北海道産」が一番のウリになること

  ・輸出の場合、輸送スピードよりも予冷が大事

  ・包装デザインや、さつま芋のサイズといった、日本と異なるニーズ探索の重要性

  

4)とかち製菓㈱:大福など冷凍和菓子の輸出。


  https://tokachiseika.com/
  
  2012年創業。

  マレーシアで、従来の大福の現地価格は450円くらいと高額だった所 に、値ごろ感ある商品輸出を考えた。
  
  冷凍による賞味期限の長さを活用。

  賞味期限: 1年~1年3か月 

  解凍して販売(製造直後は実はあまり美味しくないが、
  解凍後に食べると、非常に良い食感になるように設計した)

  <香港での事例>
   
現地バイヤーから、小豆よりもごま大福が好まれるとの
   話しを聞いて売り出したところ、売上ナンバーワンになった。

   香港以外においても、日本と海外で、大福への嗜好は異なる(クリー  ムやいちご等が人気)。

  
物流コスト削減削減への挑戦


(従来)帯広→関東の商社→香港

 だったものを、

 帯広で直接積み込み、といった物流コスト削減策に挑戦してきた

 計算してみたら、

 九州に航空小口混載便 10ケース送付
= 苫小牧からマレーシアへのフルコンテナ

 上記の通りとなり、ケース単価は同じになった。

<特に参考になったコト!>

・現地バイヤーの声をしっかり聴くことの重要さ。
・冷凍をポジティブに考えること。現地で美味しく食べてもらえる商品設計。

  

5)SSグローバル:フェイスブックでのライブ販売



 札幌に本社があり、シンガポール輸出を行っている商社。

 最近注力しているのが、フェイスブックでの LIVE販売。

 増毛 国稀酒造よりライブ配信を実施。
 携帯電話のカメラから配信した。

 消費者から注文を取りまとめた後、日本側に発注。
 最低注文ロットを設けている。

 配信後、1週間で注文締め切り、2週間で日本国内商品発注している。

  
 <ストロングポイント>
  スピード
  決済が安心
  リアクションを見れる

 
 <特に参考になったコト>
 ・事業者にとってハードルが高い業務(注文受付、カスタマーサービス等)は商社側で行うので、取り組みやすい。

 ・特に輸出未経験な場合、なんでも自社でやろうとして時間と労力をかけるよりも、まずは、専門の会社に依頼するのが得策。


東神楽町地域商社で輸出するなら?


今回のセミナー内の事例紹介はざっくり分けて、

1)JAひがしかわ 型
 役場や町内の農家さん等巻き込み、自治体全体で輸出に取り組む。

2)滝川市卸売市場 型
 小口産品をコンテナ混載にする。複数の自治体産品をまとめる。

上記の2パターンとなるのですが、地域商社として取り組めるのは、まずは、パターン2)で、滝川市卸売市場さん等、すでに輸出取り組みをしている会社さんにお願いするのが現実的と感じています。

そのうえで、東川町さんのように、自治体全体でブランディングしていければ素晴らしいなと。

いずれにしても、北海道というのは、素晴らしいブランド価値があることを私たち自身が忘れないのが大事だな、と強く感じた次第です。


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