[ComfyMaster1] Google ColabでComfyUIを動かしてみよう! #ComfyUI [シェアで無償]
「ComfyUIマスターガイド」シリーズの第1回になります。
第0回はこちら
ComfyUI ManagerとGoogle Colabではじめる「ComfyUI」
ComfyUIには様々なインストール、セットアップ方法があります。「SD黄色本」でA1111を学んだ方が、ComfyUIを簡単に試すのであれば、「Stability Matrix」によるインストールが速いかもしれません。
GPU搭載のWindows11をお持ちの方は「Stability Matrix」公式サイトからインストーラーを使い、A1111と並んで「ComfyUI」をパッケージからインストールするだけで起動できます。
より実用的かつシンプルなインストール手順
このシリーズではAICU特製の Google Colabノートブックを使ってよりシンプルなインストール手順を紹介します(文末)。
さらに実用的な方法として「ComfyUI Manager」という拡張機能を使用することで、カスタムノードやモデルの管理、ComfyUI本体の更新など、より効率的な運用が可能になります。
本記事では、ComfyUIの基本的な特徴から、Google Colabでの使用方法、基本的なワークフローの解説、そしてComfyUI Managerの活用方法まで、幅広くカバーしています。AI画像生成に興味がある方、より高度な制御を求めているクリエイターの方々に、ComfyUIの可能性を探っていただければ幸いです。
1. ComfyUIとは
ComfyUIは、AI画像生成の世界に革新をもたらした強力かつ柔軟なオープンソースのグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)です。Stable Diffusionをベースにしており、画像生成プロセスを視覚的に構築し、細かく制御することができます。
ComfyUIの主要な特徴
ノードベースのインターフェイス:
複雑な画像生成プロセスを視覚的にデザインできます。
各ノードが特定の機能を表し、それらを線で結んでワークフローを作成します。
この方式により、初心者でも直感的に操作でき、上級者は複雑な処理を構築できます。
高度なカスタマイズ性:
生成プロセスの各段階で細かなパラメータ調整が可能です。
プロンプト、シード値、サンプリング方法、ステップ数など、あらゆる要素を制御できます。
これにより、望む結果を得るための精密な調整が可能になります。
拡張性と柔軟性:
プラグインやカスタムノードを追加することで機能を拡張できます。
コミュニティによって開発された多様な拡張機能を利用できます。
必要に応じて独自のノードを作成し、特殊な処理を組み込むことも可能です。
リソース効率:
他のGUIに比べて軽量で、システムリソースの使用が効率的です。
これにより、比較的低スペックのマシンでも快適に動作します。
Google Colabのような環境でも十分なパフォーマンスを発揮します。
幅広い互換性:
様々なStable Diffusionモデルに対応しています。
LoRA(Low-Rank Adaptation)やControlNetなどの技術もサポートしています。
これにより、多様なスタイルや特殊な画像生成が可能になります。
バッチ処理と自動化:
複数の画像を一度に生成するバッチ処理が可能です。
ワークフローを保存し、再利用することで作業を効率化できます。
これにより、大量の画像生成や実験的な試行が容易になります。
コミュニティサポート:
活発なユーザーコミュニティがあり、情報交換や問題解決が容易です。
GitHub上でオープンソースとして開発されているため、最新の機能や改善が継続的に行われています。
ComfyUIの活用シーン
ComfyUIは、以下のような幅広い用途で活用されています:
アーティストやデザイナー: 独創的なビジュアルアートの制作
ゲーム開発者: キャラクターデザインや背景画像の生成
映画・アニメ制作者: コンセプトアートやストーリーボードの作成
研究者: AI画像生成の実験や新しいテクニックの開発
教育者: AI技術と創造性の教育ツールとして
ホビースト: 個人的な創作活動や画像生成の探求
ComfyUIを使いこなすことで、AIアート制作の可能性が大きく広がります。その柔軟性と強力な機能セットにより、初心者から上級者まで、様々なレベルのユーザーが自分のビジョンを実現するためのツールとして活用できます。
2. ComfyUI Managerとは
ComfyUI Managerは、ComfyUIの機能を大幅に拡張し、使いやすさを向上させるための強力な拡張機能です。
主に以下の機能を提供することで、ComfyUIの管理と拡張を容易にします。
カスタムノードの管理: ComfyUI Managerを使用すると、カスタムノード(拡張機能)のインストール、アンインストール、有効化、無効化を簡単に行うことができます。これにより、ComfyUIの機能を柔軟に拡張し、ワークフローをより高度にカスタマイズすることが可能になります。
モデルの管理: チェックポイントモデル、AIアップスケーラー、VAE、LoRA、ControlNetモデルなど、様々なAIモデルのインストールと管理が可能です。
ComfyUI本体の更新: ComfyUI自体のアップデートも、ComfyUI Managerを通じて行うことができます。
ワークフローの互換性確認: 現在のワークフローに必要な不足ノードを検出し、インストールする機能があります。これにより、他の人が作成したワークフローを簡単に使用できるようになります。
検索機能: 必要なカスタムノードを簡単に見つけることができる検索機能を提供しています。
バージョン管理: インストールされたカスタムノードのバージョン管理が可能で、最新の状態を保つことができます。
ComfyUI Managerのインストール後は、ComfyUIのインターフェースに「Manager」ボタンが追加され、そこから各種管理機能にアクセスできるようになります。
ComfyUI Managerを使用することで、ユーザーはComfyUIの潜在能力を最大限に引き出し、より効率的かつ柔軟な画像生成ワークフローを構築することができます。特に、多様なカスタムノードを簡単に追加・管理できる点は、ComfyUIの利用者にとって非常に有益な機能と言えるでしょう。
3. Google ColabでのComfyUIの使用準備
ComfyUIをGoogle Colabで使用するには、ComfyUI ManagerのGitHubページで提供されているGoogle Colabノートブックを利用します。以下の手順に従い、環境構築を行います。
Google Colabの有料プランへの加入
Google ColabでStable Diffusionを動作させるには、Colabの有料プランに加入する必要があります。プランにより、使用可能なGPUの種類や、付与されるコンピューティングユニットの量が変わるため、お好みのプランに加入してください。今回は、Colab Proプランに加入します。
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Notebookのコピー
ComfyUI-ManagerのGitHubページ(原作)はこちらです。
GitHubページには、以下のようにComfyUIおよびComfyUI-ManagerをインストールするためのGoogle ColabのNotebookが提供されています。"click on this link"をクリックすることで、Notebookにアクセスできます。
以下、メンバーシップ向けに続きます!
画像生成AI「ComfyUI」マスター プランをご購読お願いします
★ここから先は有料パートです。ControlNetを含めたGoogle Colabで利用できるComfyUIのインストールスクリプトへのリンクと、今回の内容がすぐに使えるワークフローは、文末よりダウンロード可能です。
より初心者向けの丁寧な補足解説も含まれます!
解説版 Google Colabノートブックは文末に用意してあります。
Google Driveが利用できる方であれば皆さん使える Google Colabですが、無料版Google Colabの場合には起動時間に限界があります。1回だけお試しで使えるという感じですので、継続して使用したい場合には Colab Proへの加入(月額税込1,179円)もしくは、AICUが提供する「ComfyUI学習用サーバー」の利用がオススメです。
ComfyUIのインストール
AICUが提供するComfyUIノートブック(AICU_ConfyUI_FirstStep_on_Colab.ipynb)にアクセスすると、以下のようにGoogle Colabのページが開きます。
ここで、画面左上にある「ドライブにコピー」をクリックし、自身のGoogle Driveにコピーします。
この時、Googleにログインしていないと、Googleへのログインを求められます。Googleのアカウントを持っていない場合は、先に作成しておくことをおすすめします。
「ドライブへのコピー」が実行されると、自身のGoogle DriveにこのNotebookがコピーされます。
Google Colabの設定
コピーされたNotebookでGoogle Colabの設定を行います。まず、上部のツールバーから「ランタイム」をクリックし、表示されたメニューの中から「ランタイムのタイプを変更」をクリックします。
そうすると、ランタイムのタイプとハードウェアアクセラレータを選択するダイアログが表示されます。ここで、ランタイムのタイプは「Python 3」、ハードウェアアクセラレータは「T4 GPU」を選択します。
これでランタイムの設定が完了しました。
特に変更する必要がなかったかもしれませんが、選択によって Colab Proのコンピューティングユニット(CU)の消費が変わりますので、コストが気になるひとは気にしておくとよいでしょう。
画面右上の「接続」の箇所が「T4」に変わっていることが分かります。この"接続"をクリックし、ランタイムに接続します。接続すると、現在のRAMやディスクの状況が表示されるように表示が変更されます。
ComfyUIのインストール
次に、先ほどコピーしたNotebookにはソースコードと設定から実行までの手順しか書かれていないので、コードを実行し、ComfyUIのインストールを行う必要があります。Notebookの一番上にある"Git clone the repo and install the requirements. (ignore the pip errors about protobuf)"の下に配置されているコードを実行します。右に配置されているチェックボックスでインストールを制御可能です。各チェックボックスの意味は、以下の通りとなります。
USE_GOOGLE_DRIVE: Google Driveを使用してファイルやモデルを保存します。これにより作業の管理が容易になります。このオプションを使用しない場合は、Colab上にComfyUIがインストールされるため、ランタイムを停止する度にComfyUIに関するデータが削除されます。
UPDATE_COMFY_UI: ComfyUIを最新バージョンに更新します。これにより、最新の機能や修正が適用されます。
USE_COMFYUI_MANAGER: ComfyUI Managerを有効にします。これは、インストールや設定の管理を支援するツールです。
INSTALL_CUSTOM_NODES_DEPENDENCIES: カスタムノード(拡張機能)の追加依存関係をインストールします。これにより、機能が拡張されます。
今回は、すべてのチェックボックスにチェックを入れ、コードを実行します。
★注意:Google Driveを10GBほど消費します。Gmail初期無料枠など、確保が難しい場合は一旦「USE_GOOGLE_DRIVE」をチェック・オフで開始しましょう。
コードの左上の「▶︎」マークのボタン(以下、実行ボタン)を押下します。
「USE_GOOGLE_DRIVE」にチェックを入れている場合、Google Driveへのアクセス許可を要求されます。アクセス許可するために、「Google ドライブに接続」を選択します。
ログイン中のアカウントを選択してください。
「次へ」ボタンをクリックします。
「すべて選択」にチェックを入れ、下部にある「続行」ボタンをクリックします。
アクセス許可することで、インストールが実行されます。実行が完了すると、実行ボタンの左にチェックマークが表示されます。
★ここから先は基本的に待っているだけです!(約5分)
「USE_GOOGLE_DRIVE」にチェックを入れている場合は、Google Driveの毎度ライブ直下に"ComfyUI"というフォルダが作成され、この中にComfyUIの設定ファイルなどが格納されます。
セルの再生ボタンがチェック✔に変わったら次のステップです
モデルのダウンロード
次は、Stable Diffusionのモデルをダウンロードします。「ダウンロード」と言ってもみなさんがお使いのPC環境にダウンロードするのではなく、Google Colabの環境にダウンロードするので高速です。
このセルは画像生成AIの「脳」ともいえるCheckpointやVAE、ControlNetなどの一般的なモデルが予め記載されています。緑色に見える「#」ではじまる行は「コメントアウト」といい、今回は13行目「SD1.5」の行だけが有効です。
今回は、初期設定のまま実行し、SD1.5のモデルをダウンロードします。
コードの左上の実行ボタンを押下し、コードを実行します。
ComfyUIの起動
ここまでで、ComfyUIの環境が整ったため、ComfyUIを起動します。
左上の実行ボタンを押下します。
実行されると、コードの下にログが表示され、1分以下ぐらいの待ち時間で、"This is the URL to access ComfyUI: [URL]"と表示されます。
この場合は以下のようなURLになっています。
https://violation-optics-they-almost.trycloudflare.com/
「violation-optics-they-almost」の部分は毎回変わります。
この tryCloudFlare の URLをクリックすると、ComfyUIの画面が開きます。
以下がComfyUIの画面です。これでComfyUIを使用する準備が整いました。
5. ComfyUIでの画像生成の実行
ComfyUIで画像生成を実行してみましょう。以下のComfyUIを起動すると最初に表示される、デフォルトのworkflowを実行します。右下のコントローラ部にある「Queue Prompt」ボタンをクリックします。
「Queue Prompt」ボタンをクリックすることで、処理がキューに格納され、順次処理が実行されていきます。キューに格納されている処理の数は、右下のコントローラ部の上部に表示されます。
処理が完了すると、生成された画像が画面に表示されます。
★見つからないときはマウスの中ボダンドラッグで移動できます。右上の方にあります。
また、ComfyUIフォルダ内のoutputフォルダに画像が保存されます。
Google Driveのタブを開いて「最近の項目」
https://drive.google.com/drive/recent
を開くと生成されたPNGファイルが見つかります。
右クリックして「場所を表示」すると、ComfyUIの output フォルダにすぐにアクセスできます。
右上の「グリッド表示」を選択しましょう。
グリッド表示になりました!
ComfyUIの終了
このあと画像生成で遊んでみたい!とはやるこころもわかりますが、終了の手順をお伝えしておきます。
というのも、このまま起動した環境を放置していると、Google Colab側のコンピューティング環境を無駄に消費することになります(CUも勿体ないです)。
Colabノートブックを実行しているタブに戻り、セルを停止させます。
右上の [T4] としてコンピューティング環境が表示されている▼から「ランタイムを接続解除して削除」でコンピューティング環境を削除できます。
「ランタイム」メニュー→「ランタイムを接続解除して削除」でも同様です。
ランタイムを接続解除して削除すると、以下のような確認画面が表示されます。
今回のノートブックでは、冒頭で「USE_GOOGLE_DRIVE」を選んでいますので、ComfyUIのシステムや生成した画像など全てがGoogle Driveに残っていますので、削除して構いません。現在は全体で10GB程ですが、大きなモデルをインストールしていくと、どんどん増えていきます。
でも、自分のハードディスクにダウンロードすることに比べると、ダウンロードも削除も高速に行えるクラウド上なので便利かもしれませんね。
ディスクの節約などでGoogle Driveを使わない場合は、削除するとインストールしたシステムや画像、全てが消えます。
これはクリーンな環境を保つことができる利点であり、さらにGoogle Driveを使わないことで起動をさらに高速にすることができますので、覚えておくといいテクニックですね。
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