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臨在

お話を伺ってゆくことは、90分間、その方の人生の凝縮された一片をご一緒することです。
その方の全存在が、完全にこの空間の中でその自由を保証され、自在に意識の素粒子がひろがり自発的な治癒が起こるよう、可能な限り、私自身はそこに随伴し意識の焦点を合わせることを、ただ自分の務めと思っています。

90分の終了後、一人の時間で、散歩をしながら、空を見上げながら、そして、あなたのことを思っています。

あなたの人生を側で見つめさせていただくということは、あなたの思いや身体、人生に起こること、そして、あなたの大切な人々の幸せを共に願い、祈ることです。

あなたの大切な人が、今何を思い、どんな身体の状態か、思いを馳せることでもあります。

あなたという存在の中に、あなたにとっての大切な人やもの、景色のすべてが、凝集されています。

人は、どれほど大きな存在なのでしょうか。
全宇宙に匹敵する世界を、この身体の内に宿しているのではないでしょうか。

何十年か生きてきた分の、ある時、まだ小さかったころ。

「お父さん子だったの。
 お父さんが、ほおの木で、キツネのお面作ってくれてね」

その、大切な愛おしい思い出の瞬間が、互いの身の中に、溢れるばかりに蓄積されている。

どれほどの、愛情を交わし、愛を受けて、与えて、存在してきたのだろうか。

この世でたった一人の、娘。
この世でたった一人の、父。

病が癒えることが、最善なのではない。
命が尽きることが、不幸なのではない。

常に最良の愛の中で、それがそうだとは思えない瞬間も含めて、魂にとっての最善の経験を重ね続け、奇跡の連続の中、全人生の全瞬間、万全に愛おしまれ続けている。

どれほど、美しい瞬間を重ねているのだろう。

そして、そのお姿が、私自身もいかに愛おしまれ続けてきただろうかと、我が身を照らしてくれます。

夏は、大変な酷暑を越えられました。僅かな穏やかな秋を経て、冬が目の前に来ています。
万感の思いの中、今日という日を大切に愛おしまれるお姿に、深く拝しております。

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ここまでを、深夜の3時に目が覚め、涙しながら書き起こした。
数日前のセッションでお伺いしたお話。

綴ってから、落ち着いて、またひと眠りをした。
そして、目が覚めたらご報告があった。
「今朝9時に旅立ちました」とのこと。

あぁ、全人生の一番大切な瞬間に、その見事な放射で、とどろくようにその存在をこちらまで震わせてくださった。
あげていただいたご家族のお写真のお姿をじっと眺めながら、合掌しております。

2日前に届いた、伊豆からの便り。「やっと、秋がやって来ました」と。



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aikomaru
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