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松川村地域おこし協力隊の増永愛子です。社会福祉協議会でボランティアコーディネーターをしています!
過去:地域おこし協力隊になるまで
私がここ、長野県の松川村で地域おこし協力隊になるまで、かなりいろんな道を歩いてきているので、まずはそのことをお話できたらと思います。
これまでの略歴
私の出身は、大阪府高槻市。ごく普通の住宅地で、大阪や京都の中心街も余裕で通勤圏内に入るような場所で生まれ育ちました。大学では社会学部に進学し、ジャーナリズムを学んだことをきっかけにいろんな社会問題に関心を持ち、思えば一番活発にボランティア活動に励んでいたのはその頃。今は私自身がボランティアコーディネーターですが、その頃は私自身がボランティアをすることに何より意義を感じていました。賃金が発生しないからこそ自主性が高い人たちが集まってくること、どんどん拡がっていく人との繋がり、自分の知らなかったことを知っていくことの楽しさ、そして自分が行動したことによって助かる人がいることの喜び。国際協力、教育、国内の貧困問題等、いろんなことに関心を持ち様々なボランティア活動に勤しみ、とても充実した学生生活を送りました。
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新卒で経験したのは食品メーカーでの営業の仕事。3年ほどで転職し、その後も割といろんな仕事に就きました。そんな中でも一つ共通して選んでいたのは「人と接することの多い仕事」。洋服の販売員、ホテルでのサービススタッフ、障がいを持つ人の支援員。途中、コーヒーが好き過ぎてコーヒー農園で働いてみたくなり、コスタリカへ3ヶ月ほど旅をしに行ったたこともありますが、そこで得たのも、「コーヒーを通した人との関わり」です。特に意図した訳ではありませんが、私はずっと、より深い人との関わりを求めていた気がします。
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松川村への移住を決めた理由
そんな私が松川村へ移住したのは、やはり「人」が決め手になりました。松川村に訪れた際、村の施設を何箇所か案内してもらいましたが、そこで感じたのが、松川村民の自主性の高さです。村の一番中心になっている公民館「すずの音ホール」は、村民の希望により造られたもので、15年経った今でも活発に活用されています。また、地域の人たちが自主的に居場所づくりのためにサロンを開いており、そういった小さなグループがいくつもあることを知りました。9600人というこぢんまりとした人口だからこそ、自分たちの村に愛着があり、自分たち自身で良くしていこうという想いが感じられ、私にはそれがとても魅力的に感じました。
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地域おこし協力隊への応募のきっかけ
応募のきっかけは、「たまたま仕事を探していたタイミングで福祉分野の地域おこし協力隊の募集があったから」という簡単なものではありますが、私の今までの経験とそのときの状況がちょうどぴったりハマった感覚があります。
その当時私は「柏屋旅館」というゲストハウス兼シェアハウスに住んでいました。そこに住んでいたのはSEや学校の教頭先生、木こり、建築士。本当に様々な人たちで立場もバラバラでした。さらに宿泊のゲストが利用することも多々あります。そんなふうに様々な環境にいる人たちが、一時的に同じ場所に集まり何かしらの経験を共にする。自分の道を歩きながらも、近くにいる人の状況を少し気にしたり手伝ったり共有したりする。そんな関係性や日常に、私は何度も救われました。居場所ってこういう場所のことを言うんだなと実感しました。そして協力隊の募集を見つけたとき、形は全然違っても、今度は私が柏屋旅館のような、誰かの居場所をつくれるようになりたいと思い、応募するに至ったのです。
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現在:地域おこし協力隊になってから
地域おこし協力隊になってもうすぐ半年になります。仕事も住まいも環境も、全てが新しい中からのスタートだったので最初は何が何だかわかりませんでした(笑)。最近やっと落ち着いてきたところで、この半年間を少し振り返らせていただきます。
地域おこし協力隊としてのミッション
私のミッションは「人と人を繋ぐこと」です。具体的には、今は社会福祉協議会でボランティアコーディネーターをしています。新しく活動してくれるボランティアさんを探したり、もともと活動されていたボランティアさんがより活動しやすいようコミュニケーションをとったり。ときには一緒に活動したりもします。ボランティアは、自分が活動することによって誰かの役に立ち人と関わることができる、人と繋がる手段としてとても有効なものです。何かの活動を続けるためにボランティアさんが必要ということももちろんありますが、ボランティアをする側にとっても同じだけメリットがあると思っています。ボランティア活動を通して人と関わり続け、張り合いのある豊かな時間を過ごして頂くことをサポートしています。
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地域おこし協力隊のやりがい
今は「地域おこし協力隊として」というよりは、社会福祉協議会の中での仕事をしています。やりがいは、地域に住む人が「生きがいだ」と言ってもらえるようなことを創り出すことができること。例えば道の駅に買い物に出たり、30~40分車に乗って出かけたり、私にとっては大したことではないことでも、高齢の方にとってはすごく貴重な機会であることも少なくありません。「こうして人と会って出かけられることが今の生きがいだ」という言葉を聞くと、そういったサポートをすることにやりがいを感じます。
また、新しいことに挑戦させてもらえるということも、今の私のやりがいです。先日、「認知症世界の歩き方」というワークショップを実施しました。認知症のある人の見えている世界を体験してみるというワークショップで、私自身が個人的に興味を持って取り組み始めたものでしたが、先日、初めて研修として実施させて頂きました。そのように、やってみたいと言えばやらせてもらえるということは、今の私のやりがいに繋がっています。
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暮らしてみて感じた松川村の魅力
松川村の魅力は、激しい坂道があまりないことです!私は自転車が好きで、普段クロスバイクに乗っていろんな場所に行くのですが、以前佐久市(長野県)に住んでいたときは坂が多くて大変でした…!中心地まで行くのに何度も坂を上り下りし、立ち漕ぎ必須…(笑)。なのでほとんどの人が車移動で、学生以外に自転車に乗る人を見ることは滅多にありません。それに比べて松川村は山の方を除き、村の端から端までほぼ平です。職場へも気持ちよく自転車で通勤していますし、休日にはお隣の安曇野市まで川を眺めながらすいすいと自転車を漕いでいます。
また、近くの大町市や白馬村に比べ、冬は雪が少ない(らしい)です。雪に慣れていない移住したばかりの私たちにとって、自然が近い割に雪が少ないというのは移住のハードルが低く魅力的だと思います。
松川村に来て想定外だったこと
想定外だったのは、山が近すぎて空が狭いことです(笑)。私は空を眺めるのが大好きで、松川村に住む前は少しだけ佐久市に住んでいましたが、乗っている自転車を止めて空を眺めたり、河原に行って一人で空を見て過ごしたりすることがよくありました。松川村は佐久市の私が住んでいた場所よりも自然に近いので、空を眺める時間を取ることも楽しみだったのですが、なんとなく空を眺める気分にならず、どうしてだろうと不思議に思っていました。そこで気づいたのが、松川村は山が近すぎて、空が狭いのです。自分好みの空ではなかった、というのが私の想定外なことです(笑)。同じ長野県内で自然が豊かでも、景色は地域によって全然違っていて面白く感じます。松川村でも自分のお気に入りの景色を見つけたいと思っています。どこか空がきれいで景色のいい場所があればぜひ教えてください。
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(こっちも素敵ですね!)
未来:地域おこし協力隊を卒業した後
さて、ここまでは私のこれまでの経験と今の暮らしについてご紹介してきましたが、協力隊になってから嫌でもつきまとうのは「卒隊後どうするか」ということ。これからについて、少し書きたいと思います。
卒業後に叶えたいこと
卒隊は2年半後。今までほぼほぼ、その時々の直感に従って動いて生きてきた私は、ビジョンを聞かれるたびに「そんな先のことはわからん!」と思っていましたが、変わってもいいから考えてみるというのは大事かもしれないな、とやっと最近思うようになりました(笑)。
私には、最近気づいた自分のビジョンがあります。それは「当たり前にリスペクトし合える世界をつくること」。立場や職業など関係なく、それぞれがお互いをリスペクトし合える世界がもし本当に実現したとしたら。この世界はとっても優しくて平和だと思いませんか?何ができるとかできないとか関係ない。お互いが尊重し合っている世界。誰かと常に競争したりイスとりゲームをしているような焦燥感はありません。それぞれが自分のしたいことをして、相手がそうすることを祝福する。そんな世界をつくる、拡げていくことが私のビジョンです。
先日行った「認知症世界の歩き方」というワークショップの実施や、障がい者アートを広める活動、福祉の現場で働いている人たちの精神的なケアなど、今自分が興味のあることを通じて、そのビジョンを実現したいと思っています。
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さいごに
過去から未来のことまでいろいろと書きましたが、読んで頂きありがとうございます。この半年間のことを振り返ると、「もう半年も経ったのか」と驚くばかり。平日は毎日いろんな新しい人に会って、環境に慣れることに必死だったので、実は休日はあまり積極的に外に出ることはありませんでした。なので松川村のことも、まだまだ知らないことがたくさんあります。これから焦らずマイペースにいろんなことに出会っていきたいと思っています。