秘すれば花なり秘せずは花なりけり つづき
不倫カップルはその後続かなかったようで、彼女の方は男関係の噂が絶えないと元同僚が教えてくれた。
結局その程度のふたりだったのだ。
きっとお互いに次なる相手を見つけて婚外恋愛してるのだろう。私だけが嫌な思い出を抱えているのかと思うといつまでも腹立たしかった。
そうして3年以上過ぎた頃、突然Kからメールが来た。
「Aさん」
「Kです。ずっとずっと気になってました。
ただただ忘れられなくて。
あの時のことがずっと心残りで悔やんでいます。
Aさんのことを勝手に思い続けています。
週一でも月一でもいいのでLINEで繋がっていただけませんか?」
「本当に不誠実な結果になってしまってごめんなさい。ただ、言い訳にしか聞こえない言えない事もたくさんあって、自分の中では本当に諦めきれなくて。ごめんなさい。」
「許してくれるまで待ち続けさせて下さい。」
「Aさん、LINEして下さい。」(LINEの QRコード添付)
あ・り・え・な・い!!!
ありえなすぎて、
メンタルがやられてるとか?
ライン乗っ取られるとか?
詐欺を企んでるとか?
とも考えたけど、言ってることが本当だったとしても、自分のしたこと分かってたら絶対無理だって分かるよね?いけると思う?
バカすぎる!私がバカにされてるの?
バカにされる私が悪いの?
こんなの無視するのがカッコイイ大人の女性だなあと思うのだけど、そんなの無理。
ぐうの音も出ないような返事をした。
最後に「貴方のメールは証拠として全てとってあります。」と付け加えて、然るべきところに相談します、というニュアンスを含めておいた。
すぐに平謝り100パーセントの返事が来た。
私の返事を見てじっとしていられないところが情けないし、プライドがないなって思う。
でもこの情けない返事のおかげで、私よりずっとステージの低い人だなと実感したので、もう忘れることにした。
つい今週の話。
不倫の二股をされそうになった思い出はもう過去のもの。
これでおしまい!
秘すれば花なり秘せずは花なりけり。
大人の、道ならぬ恋はこうであってほしいものである。
※赤い車シリーズにした。購入には至らなかったけど、こっちも好きで憧れていた。カレン。