第11夜👀「猫にやさしい国トルコ」とは《第2章》では、犬にはどうだったのか？

2023年10月14日 22:21

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今回は、なんと7章の長編になっております。
最初から、又は　興味がある所からなど
自由スタイルでお楽しみください。

2.では、犬にはどうたったのか？

ここで、気になるのが同じ「犬の立場」です。

犬についての衝撃的な出来事がありました。1910年の「犬の大虐殺」です。
当時イスタンブールの知事が市内の野良犬を捕獲して、マルマラ海にある孤島に約8万匹の野良犬を置き去りにしました。行政府は「犬はきちんと世話され、エサも与えられた」と主張したようですが、実際のところ、ほとんどの犬が飢えと渇きで死に絶えました。また、泳いで逃げようとして溺れ死んだ犬たちも多数いたようです。この後の1912年にマルマラ海沿いで大きな地震があり、犬を見捨てたことへの神からの罰だとささやかれたそうです。
それでも1990年代になっても、野良犬・野良猫の駆除のために道路に毒を置くようなことが一般的に行われていたようです。

背景にあるのは都市の近代化

この背景には、都市の近代化があります。野良犬の捕獲は近代化を進める政府の政策の一部でした。当時、イスタンブール市内には大量の野犬がいて、これが公衆衛生や治安の問題となっていました。そのため、政府はこれらの問題を解決するために、野犬を一掃することを決定しました。しかし、この行動は動物愛護活動家から強い批判を受け、後に大きな反発を引き起こしました。この事件は、”都市の近代化”と”動物の権利”という2つの価値観が衝突した結果とも言えます。

そして、犬の排除の要因にはおそらく狂犬病の危険性もあったのではと考えます。

人類と狂犬病の戦い

　狂犬病は全ての哺乳類に感染する、到死率100％の怖いウイルス感染症です。感染した生物の唾液や血液からウイルスが体内に入ることで、引き起こされます。例えば、ヒトからヒトへの感染の可能性は極めて低いです。しかし、ゼロではありません。例えば、狂犬病に感染した患者がほかの人に噛みついたり、患者から採血し終わったあとの針を誤って医療従事者が刺したりしてしまえばあり得るということになります。
　狂犬病は、強い神経症状から、水などを恐れるようになる特徴的な症状があるため恐水病（症）とも言われました。

　人類と狂犬病の戦いは長く、古い記録では紀元前からになります。最も古いとされる記録は、紀元前1930年頃に発令された「エシュヌンナ法典」です。古代メソポタミアのエシュヌンナ王国が制定したもので、現存する法典で3番目に古いものになります。
　エシュヌンナ法典には、「犬が市民を咬み、咬まれた市民が狂犬病になり死亡したときにはその犬の飼い主は40シェケルの銀を支払い、奴隷を咬んで奴隷が死んだときは15シェケルの銀を支払うべし。」との記載があります。このことから、既に感染する事を理解していたことが伺えます。

また、これから少し時代が20～30年後に登場する世界史でも出て来る有名な「ハムラビ法典」にも、狂犬病に関する罰則規定が載っています。

　日本の狂犬病に関する最も古い記録は8世紀の奈良時代になります。
717年に発布された「養老律令（ようろうりつりょう）」です。「其（そ）れ狂犬（たぶれいぬ）有らば所在殺すことを聴（ゆる）せ」と書かれています。そして、江戸時代前期の第5代将軍　徳川綱吉によって1687年に制定された『生類憐みの令（しょうるいあわれみのれい）』にも狂犬病に関する記載があります。

日本でも狂犬病が大流行

日本で大流行したのは1732年。場所は、海外との接点があった長崎の出島です。ここから上陸した狂犬病は九州全土に広まり、江戸まで4年かけて広がり、更に発症から29年後には青森県の下北半島に至るまで広がりました。特に九州一帯の被害は甚大で、家畜や野生動物が死に絶え、見るも恐ろしい光景が広がっていたと伝えられているそうです。

　狂犬病ワクチンは1885年にフランスの生化学者・細菌科学者ルイ・パスツール氏により開発されました。ワクチンにより狂犬病の予防や感染後の発症前の早期であれば病気を押さえることが可能になりました。

犬の登録と狂犬病予防は飼い主の義務

農林水産省の動物検疫所では、日本では1957年以来、狂犬病の発生はないと報告されています。(2023年10月8日時点)

　現在、日本では「狂犬病ワクチン」が義務とされ、生後91日以上の全ての犬に対し、年1度の接種が義務付けられています。

犬の飼い主には法律により、以下の３つが義務化されています。
(1) 現在居住している市区町村に飼い犬の登録をすること
(2) 飼い犬に年1回の狂犬病予防注射を受けさせること
(3) 犬の鑑札と注射済票を飼い犬に装着すること

▼詳しくは、こちらをご覧ください。

2020年の情報誌サライの記事によると、日本は世界でも８カ国しかない狂犬病を撲滅した国だそうです。それだけ、予防接種が進んでいないという事になりますね。

狂犬病が流行し予防接種が完全に出来ていない地域では、身を守る為に、犬に対する不信感から虐待を合理化してしまうことも多いに考えられます。

3.トルコの動物保護法　/猫の街への変化

続きは、第3章へ。

≪参考≫
・盗んだ鶏肉を我が子に持ち帰ろうとする母猫を応援するトルコの人々：https://karapaia.com/archives/52325794.html#entry

外務省: わかる!国際情勢トルコという国
https://www.mofa.go.jp/mofaj/press/pr/wakaru/topics/vol55/

TURKISH　Air＆Travel
https://turkish.jp/blog/トルコの宗教/

トラベリングキャッツ社のブログ「旅する猫」：https://travelsnippet.com/europe/turkey/stray-cats-in-turkey/

ウィキペディア(イスラームとネコ）：https://ja.wikipedia.org/wiki/イスラームとネコ-

犬や猫の殺処分0の国、トルコ10万匹以上の野良犬がいて、捕獲と殺処分が違法である国の映画『ストレイ　犬が見た世界』とは？：https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/3f68eef0159dba7fafddb7a0692382a3071297a3

【犬派も猫派も】トルコ・イスタンブールは動物たちに優しい国。【映画・ストレイ犬が見た世界】 | ヒメとまいにち：
https://mainichihime.com/29859

トルコのイスタンブールで子猫5匹を食べた日本人の男が国外追放に：https://tegetegenote.com/cat-eater/

子猫を殺して食べた日本人がトルコで逮捕「こんな恐ろしいことができるなんて」と地元は騒然 | 国外追放処分の見込み | クーリエ・ジャポン ‗https://courrier.jp/news/archives/249920/
「動物の権利法 (Animal Rights Law)」 | サクラ＆Toshi ：https://ameblo.jp/sakura2452toshi/entry-12686277683.html
猫を虐殺し食べた大学院生が逮捕。「ノネコだから大丈夫だと思った」という主張は通るのか？（石井万寿美） - エキスパート - Yahoo!ニュース：https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/35c054dfb0f847f27b22e6ef1f2f1b9f6a21ac87

猫を食べた日本人のニュース（YAVUZ OYMAK氏のYoutubeチャンネル）https://www.youtube.com/watch?v=YtfhDp4Dgjg

奄美の猫を救え　「殺処分やむなし」の環境省、獣医師は立ち上がった：朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/ASR9Q6J2XR96UCVL01L.html

厚生労働省‐「動物の愛護及び管理に関する法律」の一部改訂　R元年(2019年）：https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/index.html

リサイクルマシーンのPugedon社：　http://www.pugedon.com/　

鳥用の機械インスタグラム：https://www.instagram.com/pugedon/?utm_source=ig_embed&ig_rid=243037b7-3999-464c-83cb-9d60171d67af

猫の国トルコには、ホームレス猫専用の素敵な宿泊施設が複数存在する：https://karapaia.com/archives/52305964.html

野良猫達が幸せに暮らせるように、森の中に『猫の町』を作った人達。猫達も町の暮らしに満足しているようで (´ω`) | エウレカ！：https://eureka.tokyo/archives/197350

イスタンブールのネコの家(Paul Duane氏のX(Twitter)より：https://twitter.com/MrPaulDuane/status/1157303019853295616?ref_src=twsrc^tfw|twcamp^tweetembed|twterm^1157303019853295616|twgr^465a877dacc82c608fcbb9803f28c3a0d483458f|twcon^s1_&ref_url=https%3A%2F%2Fkarapaia.com%2Farchives%2F52305964.html

トルコで動物権利法案が可決：https://eleminist.com/article/1598

なぜ、猫はイスラム教徒に敬愛されているのか…？：https://dime.jp/genre/1336634/
●木村菜穂子氏の記事：
・トルコでは動物にも「権利」がある? 新たに「動物の権利法」が可決：https://www.newsweekjapan.jp/worldvoice/kimura/2021/07/post-5.php
・猫の猫による猫のための街：https://www.newsweekjapan.jp/worldvoice/kimura/2021/05/the-government-of-the-people-by-the-people-for-the_1.php

大城祐子氏の記事‐トルコ・アンタルヤ在住のライターが現地の犬猫事情をレポート：https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2210/30/news010.html

CNN‐犬や猫の「保護施設」は強制収容所？法案に動物愛好家が反発、トルコ：https://www.cnn.co.jp/fringe/35023381.html
CDC - 世界中の狂犬病 - 狂犬病：https://www.cdc.gov/rabies/location/world/index.html
ウィキペディア-狂犬病：https://ja.wikipedia.org/wiki/狂犬病
●柿川鮎子氏の記事：狂犬病を克服した日本だからこそできる、死の病との戦い方 | サライ.jp｜小学館の雑誌『サライ』公式サイト：https://serai.jp/living/391903
日本を狂犬病の清浄国にした二人のキーマンと無名の人々 | サライ.jp｜小学館の雑誌『サライ』公式サイト：https://serai.jp/living/364100

農林水産省‐動物検疫所：https://www-maff-go-jp.translate.goog/aqs/english/rabies.html?_x_tr_sl=auto&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=wapp
人と動物の共通感染症研究会：https://square.umin.ac.jp/hdkkk/mokuji.html
　　⇒同ホームページ：http://hdkkk.umin.jp/mokuji.html
厚生労働省　狂犬病予防法に基づく事務に関する令和4年4月以降の変更について：https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000923430.pdf
犬の鑑札、注射済票について｜厚生労働省：https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/10.html
預言者モハメッドは犬について本当に何と言いましたか?：https://www.animals24-7.org/2021/08/22/kindness-toward-dogs-could-bring-forgiveness-for-sin/

トラベルスニペット：https://travelsnippet.com/europe/turkey/stray-cats-in-turkey/
トラベリングキャット：https://traveling-cats.com/2017/06/cats-from-istanbul-turkey.html

タワーレコード（エリザベス・ロー/ストレイ犬が見た世界) ：https://tower.jp/item/5568562/ストレイ-犬が見た世界

Filmarks映画(感想・評価）：https://filmarks.com/movies/96557/reviews/159218871
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　https://filmarks.com/movies/74590/reviews/161518701

猫が教えてくれたこと | あらすじ・内容・スタッフ・キャスト・作品情報 - 映画ナタリー：https://natalie.mu/eiga/film/173887

イスタンブール – Wikipedia：
https://ja.wikipedia.org/wiki/イスタンブール

レヴェント - ウィキペディア (wikipedia.org)：https://en.wikipedia.org/wiki/Levent
在イスタンブール日本国総領事館2022年4月(大イスタンブール市概況)

地球の歩き方：https://en.qantara.de/content/cat-capital-istanbul-what-to-do-about-turkeys-strays

トルコの気候と季節ごとの服装、イスタンブール、カッパドキア、パムッカレ、アンカラの今週の天気 | 地球の歩き方 (arukikata.co.jp)：https://www.arukikata.co.jp/web/article/item/3003032/#:~:text=冬期は曇りが多く、よく雨が降る。,東部の高原地帯では積雪もあり、路面が凍結することも。内陸部は日中と夜の気温差が大きい。
【コロナ禍の動物の数】Cat capital Istanbul : What to do about Turkey‘s strays? - Qantara.de：https://en.qantara.de/content/cat-capital-istanbul-what-to-do-about-turkeys-strays

トルコのイスタンブールは本当に「猫の天国」？～メディアが作り出す嘘とそれを信じる人たち | 子猫のへや (konekono-heya.com)：https://www.konekono-heya.com/news/2022/march/16.html
トルコはCovid-19の発生中に野良動物に餌をやる-BBCニュース：https://www.bbc.com/news/blogs-news-from-elsewhere-52199691

トルコは野良猫に超優しい国！カワイイ猫事情を紹介 | ターキッシュ・カルチャークラブ (worldclub.jp)：https://worldclub.jp/turkish/turkey-cat/

イスタンブールのモスク、アヤソフィアのぐりを紹介するYotube：https://www.youtube.com/watch?v=Qs1IMCBc9hU

トルコはCovid-19の発生中に野良動物に餌をやる-BBCニュース：https://www.bbc.com/news/blogs-news-from-elsewhere-52199691

トルコは野良猫に超優しい国！カワイイ猫事情を紹介 | ターキッシュ・カルチャークラブ (worldclub.jp)：https://worldclub.jp/turkish/turkey-cat/

パナソニック･ホーム：https://panasonic.co.jp/ew/pewnw/switch-times/well-being/501010.html

ヒューマン・スペース「世界中の職場におけるバイオフィリックデザインの効果」：http://interfaceinc.scene7.com/is/content/InterfaceInc/Interface/AsiaPac/WebsiteContentAssets/Documents/Brochures/Japan/wc_humanspacesreport-jp.pdf

Buddies社（保護犬の犬材派遣会社)：　https://www.buddies.life/

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