『DOGMAN』 第6話 面接
みんな帰ったみたいだ・・・。
よし、ここを抜け出そう。
「きゃー!犬の仮面かぶった変態!」
やべぇ!掃除のおばさんに見つかった!逃げろ!
「誰かぁ!その人追いかけてぇ!」
受付のおっちゃんが追いかけてくる!やばい!これは真剣にやばい!
市民センターを出た!右か!左か!?どっちに逃げる!?
・・・あれ?おっちゃん、追いかけてこない。
「あれー?どこ行ったんだべ?消えた。」
む!体がオオカミに戻っている!
そうか!市民センターの中ではオオカミ男でいられるけど、外に出て太陽の光に当たるとオオカミに戻るんだ!
これは都合がいい。よかった。警察連れて行かれなくて済む。
よし!こうなったら、居酒屋のゴミ捨て場にスーツを取りに行くか。
よかった。あった。ズボンの中のサイフも、ちゃんと入ってる。
とりあえず今はオオカミだから、まぁちゃん家に戻ってドッグフードもらいに行くか。
それで、明日またプラネタリウムにリベンジだ。
「どこ行ってたのよ、リャン。勝手に紐食いちぎって。」
まぁちゃん。よかった。俺、とんでもない目にあったんだよ。まぁちゃんの顔を見て、ほっとする。
「今日ゆうくんが帰ってくる予定だったけど、都合があってママとおばあちゃん家に泊まるって。大人しくしてないとダメよ」
そう言って、また新しい紐をつけられた。
「はい、ご飯よ。お腹空いてたでしょ。」
やった!ドッグフードだ!うまいなぁ。
日が明けた。
よし、そろそろこの紐を食いちぎって・・・。
ブチッ!
早速プラネタリウムへ直行だ。
そうか。プラネタリウムは午前の部と午後の部があるんだな。
今度はスーツを忘れないように、カバンに入れて咥えて持ってきた。
まずは、午前のプラネタリウムを見よう。
「ウオォォォォッ!」
オオカミ男にへーんしん!
スーツに着替えて、と。
市民センターでご飯を食べよう。
リャンは、市民センター内にある、『喫茶ウルフ』でスパゲッティーを平らげた後、市民センター内にある図書館で、本を読んで時間を潰した。
「次回からはお面をとってご利用くださいね。」
受付のおねえさんに注意されてしまった。
午後の部。
よし、係員にここで働かせてもらうように頼み込もう。
「すみません、ここで働かせて欲しいんですけど。」
「なんだ君は。犬のお面なんかかぶって。どういうつもりだ。けしからん。」
「いや、違うんです。ここ、プラネタリウムで、満月を上映するでしょう?オオカミ男のマスコットキャラクターとして、どうかなと思いまして・・・。」
「いいね!キミ!採用!」
あっけなく採用されてしまった。