脳になにかがあったとき 2024年9月号

相馬杜宇のブックレビュー 脳になにかがあったとき 2024年9月号


9月号は夫が高次脳機能障害を抱える吉永哉子さん、洋子さん(仮名)が登場します。


絶対に私には当たらないように投げている 吉永哉子さん

・今月号も胸が詰まる思いがしました。薬で治るわけではない高次脳に対し、延々と糸車を回し続ける行為は気が遠くなります。解決したい。理屈では分かっている。わかっているけど…というあたり、物を投げる時に哉子さんには当たらないように投げているくだりや、刃物は近くに置かないようにしているエピソードは、「ウッ、私のことを言ってるかも…」と思いました。占いと同じで、私に引き寄せるかもしれません。

・山口加代子さんの分析も見事だと思います。「お前なんか」と口にしてはならないと私も思います。しかし、正論はそうでも、以前の政洋さんを想います。きっと政洋さんは元々、穏やかな人柄なのではと願っています。繰り返します。政洋さんはパワハラ被害によって、今なお高次脳で苦しんでいる。責めるべきは誰なのか。私自身も当事者ですので、国や行政は足りてないなと思います。

・哉子さんも冊子に書かれてますが、当事者のDVの関係性(暴力を振るっているのか)、高次脳の易怒性とフラッシュバックの影響(高次脳当事者が嫌なことがあった時、トラウマとして残り続けるのは近しいものがあるのではないか)も気になりました。


もう1度、戻ってきてくれる可能性はあると信じたかった 洋子さん(仮名)


・これも読んでいて辛かったです。旦那さん(私は主人、奥さんという言葉が好きではないので、基本的に名前で呼ぶようにしています)が自分の症状を実感できないことは辛いですね。読んでいて、自分もそうなのではと思えてしまいます。

・前向きな事を書こうと思ってますが、書けない私がいます。あえて前向きなことを書くとすれば、洋子さんが以前の旦那さんに戻れると思えないならば、当事者が旦那さんに会って、意外な一面を認めていくことだと思います。「こんな一面あったの?」と。そこからかもしれません。


・山口加代子さんは洋子さんが書かれた文章を「全ての人に読んで欲しい」と書かれてます。現実を知って欲しいことは理解できますが、同時に、医療・福祉の限界を感じ、暗澹たる気持ちになりました。


書評後期


みんなが書く戯曲コンテストを執筆していました。9月23日に完本しました。当事者が24時間テレビのチャリティマラソンに出演するお話しです。フィクションですが、近い将来、実現してほしいな(実現しなくてどうする)と思って書きました。受賞すればニューヨークですが、世の中甘くないと思っています。



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