星の王子さま 18章
人間は根を持っていないから、風に吹かれるたびに、
あちこちと彷徨っている。
★ ★ ★
星の王子さまは砂漠の旅を続けたけれど、一輪の花にしか出会わなかった。花は3つの花びらを付けて、それが全てだった...
-こんにちは、と王子は言いました。
-こんにちは、とその花が言いました。
-どこに人間がいるのでしょうか? と、ていねいに王子は尋ねました。ある日、その花は隊商が通るのをみたそうです。
-人間たちだって?確かに、6~7人はいると思うよ。何年か前に見たことがあったよ。でも、どこにいるのかは、全然わからない。風が人間を連れ歩くのです。人間には根っこがないから不自由なんだ。
-さようなら、と王子が言った。
-さようなら、と花が言った。