2/5「古代の神話と伝説」睡眠朗読動画台本
睡眠朗読動画「古代の神話と伝説」目次
☆オリンポスの神々と星の物語
☆エジプトの砂漠の秘宝
☆アステカの太陽の神話 ⇦今回ココ
☆ケルトの妖精と森の伝説 ⇦今回ココ
☆北欧の神々とヴァルハラの物語
☆古代中国の龍と不老不死の薬
☆メソポタミアの神々と創世記
☆インドの神々と聖なる山
☆マヤのピラミッドと天空の神
☆ポリネシアの海の神と冒険
アステカの太陽の神話
遥か昔、メキシコの高原に栄えたアステカ文明には、太陽神トナティウが崇められていました。彼らは太陽が毎日東から西へと旅するのは、トナティウの力によるものだと信じていました。ある年、太陽が昇らなくなり、暗闇が世界を覆ったとき、人々は大いに恐れました。
アステカの王は、トナティウの怒りを鎮めるために特別な儀式を行うことを決意しました。彼は選ばれた勇士イツィクアトルに命じ、神殿の奥に眠る聖なる宝石「太陽の涙」を持ち帰るよう命じました。その宝石こそが、トナティウの力を再び呼び覚ますと信じられていたのです。
イツィクアトルは、険しい山々と危険なジャングルを越え、聖なる洞窟へと旅立ちました。道中、彼は数々の試練に立ち向かいながらも、決して諦めませんでした。洞窟にたどり着くと、古代の守護者たちが立ちはだかりましたが、イツィクアトルの勇気と知恵により、彼らを乗り越えることができました。
洞窟の奥深くには、美しい輝きを放つ「太陽の涙」がありました。その宝石は、まるで生きているかのように脈打ち、その光は暗闇を切り裂くように輝いていました。イツィクアトルはその宝石を慎重に手に取り、神殿へと戻る旅を始めました。
神殿に戻ったイツィクアトルは、「太陽の涙」をトナティウの像の前に捧げました。すると、突然、空が明るくなり、太陽が再び昇り始めました。トナティウの力が蘇り、世界に光と温かさが戻ったのです。人々は喜び、イツィクアトルの勇気と献身に感謝しました。
その後、アステカの王は大きな祝宴を開き、イツィクアトルを英雄として称えました。彼の物語は世代を超えて語り継がれ、トナティウの恩恵と共に人々の心に刻まれました。「太陽の涙」は再び神殿の奥深くに眠り、トナティウの力を永遠に守ることとなったのです。
おしまい
ケルトの妖精と森の伝説
ケルトの伝説には、妖精たちが住む魔法の森が数多く登場します。ある日、若い村人エヴァンは、森の奥深くに隠された宝を探しに出かけました。彼は古い伝承を頼りに、妖精たちが守ると言われる「生命の樹」を目指していました。
エヴァンは森の入り口に立ち、深呼吸をしてから一歩踏み出しました。森の中は薄暗く、古い木々が生い茂り、静けさが広がっていました。歩き続けるうちに、彼は様々な不思議な生き物たちと出会いました。彼らは友好的で、エヴァンに道を教えてくれました。
森の奥深くに進むと、エヴァンは突然、光り輝く妖精たちに囲まれました。彼らは優雅な舞を踊りながら、エヴァンに話しかけてきました。「何を探しに来たの?」と妖精の王は微笑んで尋ねました。エヴァンは「生命の樹」を探していると答えました。
妖精の王は少し考えた後、エヴァンを「生命の樹」へと導くことを決意しました。妖精たちに囲まれながら、エヴァンはさらに奥へと進みました。やがて、広がる美しい草原の中央に、巨大な「生命の樹」が立っているのが見えました。その樹は黄金色に輝き、まるで生きているかのように感じられました。
エヴァンは「生命の樹」に近づき、その神秘的な力を感じました。妖精の王は、「この樹は生命の源であり、私たち妖精が守ってきたものです」と語り、エヴァンに一本の枝を手渡しました。その枝には、生命の力が宿っており、持ち帰ることで村を豊かにすることができると言われていました。
エヴァンは妖精たちに感謝し、その枝を持って村へと戻りました。村に戻ると、エヴァンはその枝を村の中央に植えました。すると、瞬く間に枝は成長し、美しい花を咲かせ、村全体に生命の力をもたらしました。村人たちは喜び、エヴァンの勇気と妖精たちの力に感謝しました。
エヴァンの物語は世代を超えて語り継がれ、妖精たちの森と「生命の樹」はケルトの伝説の中で永遠に輝き続けることとなりました。
おしまい