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【昔話】愛のある言葉とパワハラの差

私が働き始めた頃は、まだまだパワハラが当たり前の時でした。
それが普通だったので、ごくごく普通ーに疑問に感じず耐える事が日常。

その中で、特に印象に残っている上司。
化粧品の販売をしていた時のチーフと言われる上司がまぁーそれは厳しい方で!
40代ぐらいだったかな?
独身で化粧品メーカーに勤めて何十年の大ベテランの方でした。

「立ち方はこう!」
「ヘラヘラしない!」
「話し方はこのように言わないと!」
「言葉を繰り返さない!馬鹿に見える!」
「分からないのに適当に答えない!」
「そんなところに突っ立ってない!」

20歳そこそこの新人の私は一挙手一投足にダメだしされまくりで、もうお仕事に行く事が嫌で仕方ありませんでした。
泣きはしませんが、それでも化粧品を販売するお仕事が好きだったのでなんとか頑張っていました。


そんな中、なんとその上司が「パワハラ」だと他のスタッフから本社に訴えられてしまいクビになることになったんですね。
私は新人だったので、そんな話は全く知らされず。
他のスタッフたちが水面下で密かに訴える計画を立てていたようです。
私は、これで上司からのいびりの日々に解放されると素直に思いました。

後日、そのクビになる上司とのシフトが同じ最後の出勤日
「あー・・・行きたくないけど今日で上司とさよならだから行くか」
内心そう思いながら嫌々出勤していた私に上司がこう言ったんです。

「色々厳しく言ったけど、すごく成長したね。」
「これからも頑張ってね」

嫌われていた、いびられていたと思っていた私には衝撃的な言葉でした。
短く簡潔な励ましでしたが、その人の本心がそこに見えた気がしたんです。


その夜
今まで上司に言われてきた事を改めて振り返ると、言われていたことは社会人としては凄く当たり前の事しか言われていなかったんですよね。
社会人になりたての私は、当然右も左も分からず分からない事も分かっていなかったんです。

若さゆえに自分が至らない所だらけだったこと。
上司の厳しい言葉には「愛」が込められていたこと。
そのことにやっとその時気が付いたんです。


決して綺麗な想い出ではないけども、今でも覚えている昔話。
上司が幸せでありますように。

#心に残る上司の言葉


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