弁護士の契約書草案やレビューを自動化する生成AI Saas:Spellbook
企業弁護士は、日本であれば会社法として定められた法律に基づき、秘密保持契約(NDA)・基本契約書・個別契約書などの作成やレビューに日々取り組んでいます。
契約書の作成やレビューは、時間のかかる作業であるため、契約の締結までに数日から数週間かかることも珍しくありません。
昨今、大規模言語モデル(LLM)の発達により、法律の領域で生成AIを業務活用できないか、という期待が高まっています。その理由として、法律やそれを元に作られる契約書は、テキストとして文書化されているので、自然言語情報を扱うLLMと相性が良い可能性が高い、ということが挙げられます。
日本のサービスでは、AIが契約書のレビューを行うLegalForce(サービスサイトはこちら)などが有名ですが、海外では生成AIを用いて、契約書の作成やレビューをサジェストしてくれるサービスが出始めています。
今回はその中でも、Word上で弁護士の業務を助けるCopilotのように、契約書の草案やレビューを行う、Spellbookというサービスを紹介します。
Spellbookの会社概要
Spellbookは、カナダのトロントに拠点を置くリーガルテックスタートアップです。
2023年5月にシードラウンドで1,090万ドル(約16億円)の資金調達を行ったのち、9ヶ月後の2024年1月に、シリーズAラウンドで2,000万ドル(約29億円)の資金調達を行いました。
またSpellbookは、過去7ヶ月間で顧客数が300%増加し、1,700もの法律事務所、法務部が導入しています。
シードラウンドからシリーズAラウンドまでの期間の短さや、顧客数の伸び方から、驚異的なスピードで成長している、勢いのあるスタートアップと言えるでしょう。
Spellbookの機能
Spellbookはコア機能として、ユーザーが入力した指示に従って契約書の内容を作り変えたり、レビューをする機能を提供しています。
この機能はWordのアドイン(拡張機能)として導入することができ、画面の右側でチャット形式の指示出しを行うことで使用可能になります。
上の画像は、契約書のレビュー機能です。
「Negotiate aggressively for my client Acme Motors and ensure their data is kept sedure」(クライアントであるアクメモーターズのために、彼らのデータが安全に保管されるようにしてください。)という指示文(プロンプト)を入力しています。
すると、生成AIが契約書を順番にレビューしていき、修正すべきだと判定されたものは自動で修正されていきます。
画面上では、生成AIが契約書の「どの部分をどのように修正したのか」が一目見てわかるようになっており、「なぜそのように修正したのか」という根拠が右側に出力されています。これらの修正を取り入れるか取り入れないかは、ユーザーが決めることができ、提案された内容を元に契約書を微修正することもできます。(下記画像参照)
また、修正に関しては自分の手で修正するのではなく、プロンプトで指示することも可能です。
~
続きはこちらのメディアに記載しています。
AI Powered Businessでは、生成AI × 海外スタートアップの最新事例を紹介しています。
皆様の情報収集に役立てば幸いです。