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あたまのなかの、おしゃべり。 in the kitchen.

わあ、きれい・・!
お味噌汁を作ろうと、湯に放ったおかひじき。きれいなみどり色に感動する。

今、わたし、おかひじきに話しかけてなかった・・?自分でも驚いて、可笑しくなった。でも、わたしが料理をしている時はいつも、こんな「おしゃべり」をしているのかもしれない。

シャキッと新鮮な野菜には「元気がいいね」。
しんなりしてしまったら、「早く食べなくてごめん」。
どう調理しようかと迷っているときには、「どう調理されたい?」と尋ねてみたり。そのときには同時に、「花の声を聞いて、その通りに生けたらいい」という、華道の先生の言葉が聞こえてくる。

にんじんを千切りにしながら、手早く千切りする方法を教えてくれた人が頭を過ぎる。
ネギを切れば、「つぶすように切るから手がネギ臭くなるんだよ!」と言われた時の悔しさを思い出す。
焼き茄子の皮を剥きながら、この茄子のおつゆに栄養があるんだった、と思う。ちょっとくらい熱くても我慢、がんばる。
塩蔵わかめを水で戻すと、「水が多いとわかめが出汁になっちゃう、ひたひたくらいの水でね」と教わった台所の景色が浮かぶ。
錦糸卵を焼くときは、初めてきれいな薄焼き卵が焼けた日を思い出す。薄焼き卵なんてできない・・と渋るわたしに構わず、絶対できるからと焼き方をレクチャーしてくれた人が目に浮かぶ。誇らしい達成感といっしょに。

そんなこんなで、台所に立っている時のわたしはいろんな人とおしゃべりしているみたいだ。人目には黙って見えても、わたしは一瞬たりとも退屈していない。
やっぱり料理するのすきだな、たのしいな、と感じるのはこういうときだ。気持ちよくおしゃべりしながら、頭も動かす。一緒に食べるメンバーの好み、今日の天気、今の気分、最近食べたものとのバランス。そんなことを考えながら、冷蔵庫の中身と相談して、献立を考える。お皿によそったときを想像して、味付けや食感、いろどりのバランスも考えて・・。

料理すること。台所で、頭と体と心を動かすこと。それを気持ちよく感じられるときは、コンディションがいいしるし。楽しく作って、おいしく食べる。一日に三回もそんな時間が過ごせたなら、その日はきっといい日だ。

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