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Photo by
garakutax
びしょ濡れのカラスに出会った
とあるバイト帰り
雨が止んだ直後だったためブレーキから異音がする
スリップしないよう周囲に目をやりながら漕いでいると
ふと横目にカラスが映った
びしょ濡れだ、きっと雨に打たれたのだろう
『可哀想に』と思った
すると途端に小雨が降ってきて私も同じ状況になった
「さっきまで雨は止んでいたのに」と思いながら
雨の中自転車を漕いでいる私は
周りから「可哀想に」と思われているのだろうか
びしょ濡れのカラスと目が合っていたのは2秒ほど
なんだか頭から離れない
びしょ濡れのカラスとのアイコンタクト
あのカラスはどうしてびしょ濡れだったのか?
カラスは知能指数が高いんじゃなかったっけ?
雨に気がついたら屋根があるところに避難するだろう
ではなぜしなかったのか?
足や羽を怪我していて飛べなかった?
海沿いだったから、誤って海に落ちた?
ただ単にゲリラ豪雨に遭った?
近くに雛がいて、守っていた?
自分の想像力の豊かさに感動した
びしょ濡れのカラスに出会って、色々考えた
その一面しか見ずに『可哀想に』と思った私は
とてつもなく視野が狭かった気がした
その事が頭に残っていてよかった。なんで引っかかっていたのか分からないけど、多分自分の頭が言いたいことがあったんだとおもう。
物事の一面だけを見るんじゃなくて、自分が偶然目にしたその一面に至るまでの多くの可能性を考えて、想像力を膨らませて他者を見ようって思えた。
びしょ濡れのカラス、風邪ひかないようにね