【低山ながら本格登山!】日和田山と物見山|アラサー女子のおつかれ山日記
【おつかれ山日記|あらまし】
わたしについて
都内IT系メガベンチャーにて、荒波に揉まれながらも諸行無常に生きる、植物大好きHSPアラサー女子の山日記。
PC画面と睨めっこし、鬼畜上司やモンスタークライアントとの対峙で消耗した心身を清め、浄化しリセットする術として、旦那を引き連れ絶賛登山にハマり中。
直近は富士山登頂(須走ルート)、屋久島(縄文杉)トレッキング達成。
これまでの山
始まりは、2019年のゴールデンウィーク。
最初は一年に一山だったのだが。
2019年 鋸山(千葉)
2021年 大山(神奈川)
2022年 御岳山(東京)
と登山を重ねているうち、本気登山に目覚めてしまい。
2023年は筑波山(茨城)・大岳山(東京)を経て、記念すべき山の日に富士山(山梨・静岡)へ登頂を果たすことができた。
富士山はまた別の機会とするが、今回は埼玉の日和田山・物見山について記すことにする。
1.日和田山(ひわださん)について
埼玉県に位置する、標高305mの山。
西武秩父線の高麗(こま)駅から徒歩20分ほど、日和田山登山口から登り始めるのが一般的。
周囲には、彼岸花で有名な円形の花畑「巾着田」や、朝鮮渡来人との歴史について学べる「高麗神社」がある。
日和田山を皮切りに、奥にはいくつもの低山が連なっているので低山縦走のスタート地点としてもおすすめ。
2.日和田山を選んだワケ
2-1.自宅からアクセスが良いこと
電車に揺られること、約1時間半。
日和田山のメイン登山口・日向登山口の最寄駅である高麗駅へは、西武新宿線、西武池袋線、西武秩父線と、自宅から西武線を乗り継ぎさえすれば着いてしまう。
通常、最寄駅から登山口へはローカルバスで30分かかる場合も少なくないが(富士山須走口や大山、筑波山など)、高麗駅から徒歩15分足らずで登山口に辿り着いてしまえるのも嬉しい。
2-2.早起きをしなくても良いこと
前述のような理由から、登山といえば早起きのイメージがついてまわっていた。翌日に備えて早寝早起き、早朝から登山を開始し、お昼には下山し始める早登り早下りというのは、安全面からもハイカーの間ではもはや常識となっている。
それが、日和田山においては、朝9時半に最寄発で良いのである。30分で登頂できてしまうため、最悪お昼頃に登山開始でも支障がないのだ。
正直、登山とは体に鞭を打ち、己と対峙する修行の一環として捉えていた節もあったため、「お手軽登山」が叶い嬉しい反面、物足りなさというか拍子抜けしてしまったのも事実である。そんな私のようなM気質のある方には、次項で解説する縦走狂として、ぜひとも距離を稼いでいただくことをおすすめしたい。
2-3.縦走マニア必見、数が稼げること
縦走といえば、東京周辺であれば奥多摩や丹沢が有名だが、実はここ埼玉エリアも知られざる縦走の聖地。
低山ながら、いや低山だからこそ。幾つもの山が連なっているため、お手軽縦走に打ってつけなのだ。健脚な人であれば一日に10個程度の縦走も難なくこなせるのではないだろうか。
実際、私たちはトータル3時間程度の山行であったが、登りと下りを除き、尾根歩きのたった1時間半で3つの山を縦走できてしまった。
3.日和田山周辺|観光スポット
遠足感覚で登れてしまう日和田山。ただ、通常の登山のように、駅に着くや否や山へ一目散に入ってしまうのは勿体無い。せっかく時間もあることなので、ぜひとも駅周辺を観光してから、お目当ての山に入っていただきたい。
日和田山周辺、高麗の地におけるおすすめの観光スポットをいくつか紹介する。
3-1.高麗駅
高麗といえば「高麗人参(こうらいにんじん)」を連想された方も多いのではないだろうか。
「高麗」という名前からもなんとなく想像がつくように、ここ「高麗」は実は渡来人が群落を形成し、暮らしを営んでいた地。
高麗駅で降り立つと、地獄の門のようにいかめしい顔をした顔と真っ赤な仁王門がお出迎え。駅に降りたものは誰でも、その歴史について身をもって学ぶことになる。
3-2.高麗神社
高麗駅からは徒歩40分(あるいはタクシーで6分)、日向登山口を超えた先にあるのが高麗神社だ。
高麗の地を治めてきた、渡来人「高麗王若光」を主祭神として祀っている神社。716年に若光の没後、その遺徳を偲んで建てられたのだとか。
最高裁判所長官や、政治家の名が刻まれた奉納があちらこちらにある。なんでも参拝後に総理大臣になった政治家が多いそうで、出世のご利益があると言われているそう。
そんなこととはつゆ知らず。鳥居をくぐった瞬間、靴紐がもつれて思い切りすっ転んでしまった。幸い、リュックがクッションとなり受け身姿勢も取れたので怪我もなかったが。笑 なんと幸先の悪いこと。まあ、登山中でなかったこと、頭を軽く打ったものの怪我もなく、その後の登山も特に支障なく歩けたのは本当に良かった。どうか、この後の人生、またすっ転ぶことがあっても受身姿勢で立ち直り、また歩けますように。いや、歩かなくては。笑
3-3.巾着田
高麗川(こまがわ)の蛇行により、長い年月をかけてつくられたという円形の形をしたエリア。日和田山上の金刀比羅神社が見下ろすと、確かに綺麗な円を描いており(角度にすると240度ぐらい?)、とても自然が作ったものとは思えないほど。
気になる内部は水田地帯あるいは干潟かと思いきや、畑作地となっている模様。秋にはコスモスや彼岸花が幻想的な風景を織りなすほか、牧場もあるようで小さなポニーもいる。
3-4.ALISHAN CAFE
巾着田周辺の交差点に、突如として現れる大きなスウェーデンハウスが目印。
オーガニック食材、有機野菜や地元農家の野菜を使用したベジタリアン料理のお店だそう。あいにく、弁当を持ってきていたこともありこの日は行けずだったが、フレキシタリアンとしてゆるベジを実践している私にとってはかなりの胸熱。次回はぜひここでランチを。
4.日和田山|モデルコース
三山縦走コース
11:00 高麗駅着
11:00〜12:00 巾着田 周辺散策
12:00〜12:30 高麗神社 周辺散策
12:30 日和田山登山口 到着
13:00 日和田山 登頂・ランチ
13:30 縦走開始
14:00 高指山登頂
14:45 物見山登頂
15:00 下山開始
16:00 高麗駅着
まったりランチコース
10:30 高麗駅着
10:30〜11:30 巾着田 周辺散策
11:30 ランチ@ ALISHAN CAFE
13:00 移動開始
13:30 日和田山登山口着・登山開始
14:00 日和田山 登頂
14:30 縦走開始
15:00 高指山登頂
15:30 物見山登頂
16:00 下山開始
17:00 高麗駅着
5.日和田山の見どころ
5-1.いざ腕力試し!聳り立つ男岩コースの岩壁
難しいコースがあったら、例え少々ハードルが高くても試してみたくなるのが私。
日和田山には男岩と女岩コースがあるのですが、迷わず男岩コースへ。
山道を下り、小さな滝壺を超え、階段を登ること数分。いよいよ現れた、眼前に聳え立つ巨石の壁、壁。
とはいえロッククライミングのようにまったく指がかりが無いこともなく、所々通路のように段差が付いているので登れないことはなし。
岩の断面に指をかけ、足場を慎重に選び、腕力と脚力を使いながら一歩一歩上がっていく。(この時ほど、軍手を持ってきたことに感謝したことはないかもしれない。ちなみに前へ、ではなく、上へ、という表現がぴったりくる)
幸い、腕力に乏しいと自負する女性1人でも難なく登れる程度には傾斜も距離もきつくない。また登りやすいように、推奨の足場には黄色で丸印が残されているのも有り難い。
一岩超え、安心しながら歩を進めると、また岩壁。こんなことをかれこれ3〜4回繰り返し、最後の岩を腕力を頼りに乗り越えると、途端に景色が開けて神々しい鳥居が目に入った。
5-2.上から望む、巾着田の曲線美
標高300メートルちょっとと、決して高くはない山だけれど、それでも山頂からの眺めは抜群。歩いてきた高麗の町、ムーミンパークのある飯能の森が一望できる。
何よりも驚いたのは、上から望む巾着田が、まるで人工用水を引いたように本当に丸く、美しい弧を描いていること。自然が紡ぎ出す神秘に、改めて感動を覚えずにはいられない。
5-3.山村集落の暮らしを垣間見れる
手軽に縦走が叶うことは前述の通りだが、他の山と一味違うのが低山だということ。
なんと、縦走の途中で通常の国道に出る他、人家が立ち並ぶ集落が出現し、山間でのリアルな暮らしが垣間見えるのである。
実際、私たちも高指山から物見山に向かう途中で、山道に変わり通常の国道に。目に飛び込んできたのは、斜面を切り広いて作ったらしい、カカシの目立つ広い畑に、パタパタと風にはためく白い洗濯物。
低山とはいえ、標高200mそこそこの山間部。車がなくては、いや車があっても「便利」とはいえないだろうが、そこには間違いなく「人の暮らし」が息づいており、紛れもない「生活」の匂いがした。
6. 日和田山に+α|おすすめ縦走山
「せっかく登山に来たからには、できるだけ多くの山に登頂して制覇したい!」そんな風にお思いの方へ、日和田山からちょっと足を伸ばすだけで行けるおすすめの縦走山を2つ紹介する。
ちなみに前にも述べたが、体力のある人ならば一日に10山の縦走も十分に可能。私たちはのんびりしていたら、気がついたら時間がなくなってしまい3つの山のみだったが、次回高麗に来ることがあれば奥の山にもぜひ挑戦したい。
6-1.高指山
日和田山山頂からものの15分ほどで行ける山。標高330m。
山頂を後にした後、薄暗い山道を少し下り、また登り。国道に出た後、駐車場らしき跡地・広場を登った先に山頂がある。NTT無線中継所跡地の脇に隠れるように、侘しく標識が立っていた。
山頂自体はあっけないものの、遠くには富士山や丹沢、三頭山らしき山々が望める。次はどの山にするか、思いを馳せてみるのも楽しいかもしれない。
6-2.物見山
薄暗い登山道から一転、アスファルトで舗装された国道をずんずん進んでいくと山村集落に。前述の綺麗なトイレとベンチで一休みし、この調子だと物見山も楽勝だなと余裕をこいていると、またまた山道が再開。自らに再び喝を入れ、木の根と岩の張り出した山道を歩くと、ものの10分ほどで物見山山頂に到着。
テーブルセットがあるだけで特に視界は開けておらずだったが、姿は見えない若いウグイスが、必死に練習している様に思わず口元がほころぶ。
日和田山|低山ながら本格登山を楽しめる山
いかがだっただろうか。日和田山、そして登山口最寄駅の高麗について、知られざるその魅力を紹介した。
高麗から歩いて10分ほどの距離にある巾着田は、秋に彼岸花の聖地としても有名。近年はコロナにより規制を敷いていたとのことだが、今年は解除され入れるようになっているかもしれない。
9月のシルバーウィーク、行楽日和に足を伸ばしてみてはいかがだろう。幻想的な雰囲気を奏でる一面の彼岸花に魅了され、初秋の高い空と柔らかな日差しに、きっと心身ともに満ち足りた一日を送れるはず。
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