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戦前の二科会の洋画家・岡田岡因(オカイン)

戦前の二科会に岡田岡因(オカイン)という洋画家がいました。この画家は生没年未詳で詳しい経歴は全く分からないのですが、静岡県立美術館に現存する唯一と思われる作品があります。

《小児》 1931年 キャンヴァス、油彩 71.0×52.0cm

http://spmoa.shizuoka.shizuoka.jp/collection_vote/artist.php?AD=a---okada_okain

静岡県立美術館の公式サイトに【無断転載・複写禁止】と書かれていますので作品画像はこちらには掲載致しません。上記のリンク先を辿って閲覧して下さい。

私は先日、静岡県立美術館にこの画家とこの作品について公式サイトのメールフォームから質問しました。以下の文面がその内容です。

この作品はかつては東郷青児の作品として扱われていた時期があり(手元にはありませんが1994年に鹿児島市立美術館で開催された東郷青児の回顧展図録に載っていた記憶があります)、私はそのことをもって岡田岡因(オカイン)は東郷青児の弟子だったのではないかと推測するのですが、実際はどうなのでしょうか。

また、貴館の公式サイトによるとこの画家は「活躍期 1931-1947」とありますが、1947年以降の消息は不明なのでしょうか。

※岡田岡因(オカイン)は戦前の二科展の画集で作品図版を目にしたことがありますが、おそらく名前から察するに日系二世の類ではないかと思われます。

その後、静岡県立美術館学芸課のA氏からEメールで回答を頂きました。私信をそのまま掲載することは出来ませんので主な内容を箇条書きにして掲載致します。

・《小児》(油彩、1931年)は東郷青児作と思われていたが、のちの調査によって岡田岡因(オカイン)作と判明した。
・岡田岡因(オカイン)について判明していることは、二科会に出品していたことと二科会内の若手前衛画家集団・九室会発足時(1938年)にその会員として名を連ねていたことのみ。
・当館サイトにある「活躍期 1931-1947」とは岡田岡因(オカイン)が二科会に出品していた時期を指している。
・戦前の二科会の名簿を探ると、住所が「東京府東京市世田谷区北沢2−1928(東郷方)」となっている時期があり、東郷青児の弟子であった可能性もあるが、詳細は不明。
・その後、住所は転々としており、地方出身者である可能性も高そう。

九室会については以下のリンク先の足立元氏(美術史家)による解説に詳しいので御覧下さい。

この記事をご覧になっている方で、岡田岡因(オカイン)についてここに書かれていること以外の情報をお持ちの方は当方に情報提供をお願い致します。

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dyi58h74@yahoo.co.jp

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