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Microsoft AI Tour - Tokyoに参加してきました。
2024年2月20日に開催されたMicrosoft AI Tourに参加してきました。最新のAI活用の事例や取り組みが紹介されるとのことで、3,000人以上が会場に訪れて大反響となりました。私も参加してきましたので、このAI Tourについてのをお伝えいたします。
1日で盛りだくさんのセッションに参加してきましたのでどんな内容だったのか、私の主観も踏まえてご確認いただければと思います。
キーノート(基調講演)
このAI Tourにはメディアも数社参加しており、キーノートについての内容としては、こちらのリンクから確認していただければ十分でしょう。
各種セッションについて
Microsoft AI Tourは1日限りのイベントですが、以下のようにたくさんのセッションがありました。(実際はもっとたくさんのセッションがありました。)
同じ時間で複数のセッションが開催されるため、すべてのセッションに参加することはできません。
私はキーノートを含め、8つのセッションに参加しましたので、それぞれについてどんなことがあったのかを説明いたします。
![](https://assets.st-note.com/img/1708487957465-vsaGgtaz25.png?width=1200)
AI 時代の産業革命 ~ 事例対談:三菱重工業様における生成 AI 活用
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こちらのセッションでは、三菱重工での事例をもとにTOMONIというシステムの紹介を行っておりました。TOMONIについては以下のWEBページでも紹介されています。
三菱重工は、AI導入についてフェーズを4段階に区切って導入していました。
フェーズ1 テストフェーズ
フェーズ2 TOMONI-TALK (AIとのチャット)
セキュアな環境でのチャットフェーズ3 ドキュメントQAの活用 (RAG)
フェーズ4 お客様への提供に向けてのナレッジ検索 (現在開発中)
フェーズの策定としては、このように4段階に分けていくことは、どの企業にとっても適応していきやすいものだろうなと思えました。
他の企業と違う部分については、そもそも三菱重工では、異常予兆検知などでビッグデータを収集し、機械学習などに使用していたというところです。
昨今のChatGPTレベルのAIが出現する前から機械学習を使っていたこともあり、AIを導入する下地ができていたんだなということを感じました。
機械学習をしていた時の課題が見えているからこそ、AI導入にも早く踏み切れるし、使えるデータがすでにそろっているということは重要なのでしょう。
三菱重工のように、すでに会社内部でDXが進んでいるとAI導入への決断が早くなりますし、効果も大きくなることは納得できます。
データあってのAIですから。
今後は、AIを活かしたサービスをお客様向けにしていくとのことなので、その部分がどうなっていくのかに注目していきたいです。
ちなみに生成AIを活用したTOMONIのサービスについては、以下の論文が読めますので、ご興味ある方はご参考にいただければと思います。
https://www.mhi.co.jp/technology/review/pdf/604/604030.pdf
OpenAI モデルとの対話方法を学ぼう
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こちらでは、ワークショップに参加しました。
OpenAIモデルとの対話ということで、実際に自分のPCを使って、プロンプトを入力して、AIと対話していくワークショップです。
基本的にはすべて既知の内容でしたが、どういう順番でどういう方法でGPTのモデルやプロンプトエンジニアリングを教えるのかということに着目してして話を聞いていました。
論理的に順序が構成されていて、既知の内容でも勉強になりました。
以下のサイトからワークショップで実施した内容を実行できるのでご興味があればぜひトライしてみてください。
進化する生成 AI の現在 ~ Azure AI で始める生成 AI 活用
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こちらは、最新のAzure AI サービスを使った様々応用方法についてのセッションでした。
音声合成やAI Avatorの生成、さらにプロンプトフローを使って、どのようにAIモデルとRAGを活用して、AI Avatorのようなサービスを構築していくかについての説明です。
一見すると複雑そうに見えるAI Avatorも内部的なRAGやプロンプトフローが理解できるとすんなり受け入れられるのかなと思いました。
このツアーに参加する前は、MicrosoftのAI関連製品について、多くを知りませんでした。音声合成をしてAI Avatorを使う仕組みもすでに出来上がっており、それらをプロンプトフローなどのシステムやコンピュータービジョンと組み合わせたり、AI製品の幅広さにびっくりしました。他社製品でもいろいろなサービスが出ていますが、一社ですべてまとめて使えるというのは強みになると思います。
GPT と Vision AI を使用したマルチモーダル対話インターフェース
![](https://assets.st-note.com/img/1708499492309-XKvzaWj6E4.png?width=1200)
洪水の写真をモデルに与えて、洪水がどこから出ているのかを問います。
写真からはどこから洪水が出てきたのかは分かりませんが、分からないなりにどのようなことが想定できるのかをプロンプトで返してくれます。
少なくともこの辺りに関しては私より賢いです…
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こちらは、グラフや売り上げデータの解析
データを渡すだけでさっさと解説をしてくれます。これももはや一般的な人間より賢い感じがあります。
また、OpenAIの技術だけではなく、OpenAIの技術に追加する形でMicrosofot独自の認識技術についても説明してもらいました。
![](https://assets.st-note.com/img/1708499788830-tzgd2kshSr.png?width=1200)
画像から洋服を自動的に抽出して、洋服へのリンクも自動的に生成してくれます。ファッション系のWEBサイトでモデルの服から購入への線引きが自動でできてしまいます。
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ChatGPTのコンピュータービジョンでも間違うことがあります。
数字の読み取りで間違えるChatGPT-4 Turboに対して、その間違いを自動的に修正できるMicrosoftのAI機能について説明していました。
生成 AI は学びをどう変えるか ?「 AI × 教育の現在地」
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こちらのセッションでは教育分野でAIがどのように応用できるのかについての説明をしてくれていました。
1つの事例としてAIによる作文の自動添削がありました。確かに作文のような採点は、同じ人でも採点する順番やその時の感情によって変わる可能性もあるので、採点基準を明確化にしてAIに判断させるのがよいと思います。
先生の仕事は、作文を何のために生徒に書かせるのかということと、採点基準を明確化にすることになっていきます。
また、国語の作文の添削だけではなく、AIを使えば生徒それぞれに対して必要な課題ごとに個別最適を行えるようになっていくでしょうからそういった使い方も歓迎したいです。
ChatGPT を使って爆速でアプリケーションのプロトタイプを作成する方法
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個人的には一番楽しかったセッションです。
ChatGPTでプロンプトを駆使すれば、30分でアプリケーションの試作品が出来上がってしまうということです。
これだけ簡単に作れるのだから、失敗するのは全く怖くないということも強調されていました。
私が途中から参加したときにはすでに多くの人がいて、席もなかったのでじっくり聞いてられなかったのですが、講演者の方の情熱がよく伝わってきて楽しいセッションでした。
以下のQiitaやgithubから講演の時に使用したプロンプトなどを見ることができますので、ご興味ある方は調べてみてください。
製品レベルの RAG ワークフローを開発しよう
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VMを使ってVisual Studioに入り、Microsoftの製品群を使ってRAGのPrompt Flowツールを使って開発を行う体験ができました。
上述した、「進化する生成 AI の現在 ~ Azure AI で始める生成 AI 活用」の講演内容の一部をワークショップ形式で進めていくものでした。
まとめ
Microsoft AI Tour - Tokyoに参加し、体験してきたことをこちらの記事にまとめました。
記憶に残っているのは、キーノートでサイバーエージェントの長瀬さんが語られていた、3年後を想像してみてほしいという話です。
AIを導入して3年と、AIを導入しないで3年経った後にそれぞれの会社がどうなっていくのか想像してほしいと。
サイバーエージェントでは賞金1000万を出してAI活用のコンテストも行ったとのことで、それだけAIの重要性を認識されているようです。
それとやはりAIとDXの相性の良さを改めて感じました。三菱重工業のような既にDXに取り組んできた実績がある企業は、そこからAI導入への取り組みもスムーズでした。
今、DXを渋って、AI導入を見送っているとどんどん差がついてしまうだろうなということが感じられました。
また、MicrosoftのAI製品群の幅広さや、OpenAIとの連携による新たな可能性に触れる機会でもありました。特に、ChatGPTを使ったアプリケーションの試作やRAGのPrompt Flowツールの活用による開発体験は印象的でした。すでに使う側が少しカスタマイズするだけで使える環境が用意されています。
このAI Tourは、参加者にとって貴重な学びとなり、AIの将来に対する洞察を深める機会となりました。今後も、AI技術の進化とその社会への影響に注目していきたいと思います。
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