見えなかったバトン
親のそばにいる時間が短く
家族というものに対して
すごい妄想を抱いていたと思う
ドラマで描かれる素敵なシーンを
積み重ねて 私の家族像になっていた
私は 一つ卵管がなく
もう一つの卵管も機能しているかわからないからと結婚を悩んでいたが
彼はそれでも良いと言ってくれた
義母が胃がんで亡くなる十日前に籍を入れ
義母の四十九日に妊娠がわかった
赤ちゃんがやってきた日がわかりやすく
出産予定日にこの世界にやってきてくれた
彼女が産まれてからの日々は
私にしがみ付いていた負の記憶を
一つずつ
ひっくり返すかのように
生き直すかのように
私と真逆の選択をさせてくれる機会をくれた
娘が産まれるまでの人生は 母と似ていた
私は 反面教師にするんだと
絶対に同じ人生にしないと決めていた
親のおかげで
私は娘の味方になることを決め
彼女の見方を学ぶようになった
人生はおもしろい
全てはバトン渡すようになっている
過去を許すことはないと思っていたが
今では みんなが愛おしい存在になっていた
みんなは違う音色を奏でているのに
私は一つの見方しかできなかったから
出来事を愛することができなかった
娘の誕生によって
負の感情がひっくり返した分だけ
いくつか見方が増えた氣がする
闇にしか見えなくて 感情が暴れている時も
夫と娘は 私と一緒に生きてくれている
本当に ありがとう
生きる素晴らしさを教えてくれて
ありがとう
⭐︎写真は雪降る前に出会えた紅葉の星々
今日も ここで会えたことに感謝します
ココロを見てくださり ありがとうございます