私の弱さを作るもの、強さを育てるもの
生きていると、どうして嫌なことばかりに目が向いてしまうんだろう。
もっとたくさん、嬉しかったこと、楽しかったことだって、あったはずなのに。
例えるなら、真っ白な画用紙に、ポツリと落ちた黒い点が気になって仕方がない気分で、本当はどうでもいいと思えるようなことに、思考がグイグイと引っ張られて苦しい。
きっと、どんなに辛いことがあっても、自分を信じていれば、強く乗り越えられるのかもしれない。
失敗しても、人からどう思われても、その時の自分に打ち勝つ強さがあれば、いつまでもクヨクヨする必要はないのかもしれない。
でも、私は自分に自信がなかった。
人から言われた言葉をまともに受け止めて、まともに傷つくことで、全部周りのせいにしてきた。
人と接することが怖くて、誰にも会いたくなくて、そうやってどんどん自分の殻に閉じこもってしまえば、弱い自分と向き合わなくて済んだ。
でも、弱い自分には心の隙があり過ぎて、いろんな声が聴こえてくるし、いろんな目が気になって仕方ない。
自分はどうありたいのか、惑わされて迷って分からなくなる。
そうして、自分を見失い、周りのせいにして心の壁をどんどん分厚く塗り固めていく、そんな世界に身を任せていた。
それでも、私は何とかここまで生きて、どうにか自分を信じてみたいと、もがき続けてきた。
それは、そんな自分でも、支えてくれる人たちがいてくれたおかげだ。
こんな私のことを、心配してくれる人だっている。
結局、ひとりじゃ何もできない。
結局いつも、誰かの存在に傷つき、また誰かの存在に救われてきた。
ふとした瞬間に、優しくしてくれた人、可愛がってくれた人、尊敬する人たちの顔が浮かび上がる。
ああ、私はこんなにもいい人たちに巡り会えていたんだなあ、お元気かなあ、そう思いながら空を見上げて深呼吸をした。
自然と感謝の気持ちに満ちる。
ああ、こういう瞬間の連続が、自分を少しずつ強くしてくれているのだろう。
そんな風に繰り返しながら、今日も生きていくのだろう。