『日本はすでに遅れている!』ChatGPTの発表から1年~世界的視野をもとう~未来への展望
※今回は中学生の甥っ子からの要望なので笑、中学生でも読みとれるようにできるだけ平易な表現を心がけております。
ChatGPTの発表から1年が経ちました
約1年前、ChatGPTというプログラムが初めて公開されました。このプログラムが出てきてから、たくさんの人が興味を持ち始め、AI(人工知能)についてもっと知ろうとするようになりました。政治の世界でも、AIがどんないいことや問題をもたらすかについて話し合われるようになっています。
歴史には、世界や私たちの生活が大きく変わる重要な時期があります。たとえば、農業が始まった時や工業が発展した時、そしてインターネットが普及した時などです。これらの時期は、いい変化もあれば、悪い変化もあります。
今、私たちは「AI革命」と呼ばれる新しい時代を生きています(現時点でこの自覚がある日本人は非常に少ないです)。AIはもう長い間使われていて、例えばGoogleマップで道を調べたり、Instagramでおすすめされる写真を見たりする時にもAIが使われています。でも、ここ数年でAIはすごく進化し、昔は映画や本でしか見られなかったような超高度なAIが現実になり、大きな議論の話題になっています。
ChatGPTが出てきた日は、AIに対する世界中の関心が急に高まった特別な日として歴史に残るでしょう。
ChatGPTは、OpenAIという会社が作った言葉を扱う大きなシステムを使っています。このシステムは、インターネットにあるたくさんの情報から学び、色々な質問に答えたり、有名な作家のように書いたり、さらにはプログラミングのコードを書いたりすることができます。ChatGPTが始まった時、たくさんの人がこのプログラムができることに驚きました。
世界各地でのchatGPTへの見方
ChatGPTが一般に公開されたことで、多くの人々にAI、特にLLM(大規模言語モデル)が持つすごい力を見せつけました。Googleが作ったBardという他のチャットボットも、このプラットフォームと同じくらい進んでいます。
これらのプログラムが本当に「意識」を持っているかどうかについて、真剣な議論が起こっています。実際、GoogleのあるエンジニアはBardが感情を持っていると発言し解雇された、という事例もあります。でも、ChatGPTに自分が意識を持っているか聞くと、「私の答えはプログラムによって作られていて、感情はない」とはっきり答えます。
この点は非常に興味深く、例えばchatGPTに質問するとき、いわゆる"タメ語"で話すより"敬語(ですます口調)"で丁寧に話した方が回答の精度が高いというデータもあります(まるで人間のようですね)。
ChatGPTは私たちの日常の言葉にも影響を与えています。「生成AI」という言葉はよく使われるようになり、「gen AI」や「GAI」という新しい略語も生まれました。2023年のケンブリッジ辞典の年間単語は「hallucinate(幻覚)」でした。これは、LLMが時々間違った情報を出すことについての言及です。政治家のクリス・クリスティは討論で相手をChatGPTに例えて批判しましたし、このツールはテレビ番組「サウスパーク」にも出てきました。
「OpenAIは、主にChatGPTとその他のLLMを通じて、本当に世界を変えました」と、AIの専門家ヘンリー・アジダーは言います。「OpenAIとChatGPTのおかげで、言語モデルの世界は大きく変わりました。これは本当にすごいことです。」
ChatGPTの注目を受けて、コカ・コーラやフォルクスワーゲン、アンダーアーマーのようなさまざまな会社が、この技術を利用し始めています。
広告業界の人々は、ChatGPTや他のAIツールを使ってすばやく広告内容を作ったり、単純作業をやらせたり、マーケティングに使用しています。しかし、この技術が人間のマーケターの仕事を奪う可能性について心配する声もあります。
「ChatGPTが世界に導入されたことは大きな影響をもたらしました」と、マーケティング会社Instrumentのマイク・クレイトンは言います。「急に、私たちは全てを見直す必要があると感じています。」
彼のように、多くのマーケティング専門家は、昨年ChatGPTが公開されたことが、彼らの業界だけでなく、社会全体にとって大きな変化をもたらしたと考えています。
「2023年は、『全てが変わった年』として記憶されるでしょう」と、IBMのマシュー・キャンディは言います。「生成AIは世界中の人々の関心を引き、想像力を刺激しています。今では、より多くの人がAIを直接体験し、これらの技術がどんなことができるかを理解しています。これはインターネットやスマホが普及した時と同じくらい大きな変化です。」
私(べーさん)はこのような危機感や期待感を感じる日本人をもっと増やしていきたいと考えています。日本が世界に後れをとらないために。
chatGPTに関してこの1年で起こったニュース
昨年を振り返ると、AIについてたくさんのニュースがありました。その中で、ChatGPTという新しいAIプログラムが急に現れたのは、映画「2001年宇宙の旅」の最初に出てくる不思議なモノリスのような感じでした。私たちはSiriやAlexaのような簡単なAIを使っていましたが、ChatGPTはそれらとは全く違う新しいタイプのAIでした。開発者さえも完全には理解していないような、まるで宇宙から来た技術のように感じられました。
でも実際には、ChatGPTはあまり目立たずにリリースされました。驚くことにOpenAIという会社の中でも、多くの従業員がこのプログラムの発売を知らなかったほどです。それにもかかわらず、このプログラムはたった5日で100万人のユーザーを獲得し、大人気になりました。(この記録は後に、Metaの新しいアプリThreadsが発売されてすぐに破られました)
ChatGPTの人気が高まると、その欠点についてもより多くの人が興味をもちました。たとえば、このAIは時々間違った情報を出すことがあります。でも、新しいバージョンのGPTが出るたびに、プログラムは賢くなり間違いを減らしています。(次のバージョン、GPT-5はもうすぐ出るかもしれませんが、まだ発売日は決まっていません。)
国際的な有名になった後、OpenAIはさらに多くの新しい製品や機能を出しました。例えば、3月にはChatGPTのAPIをリリースし、他の会社がこのプログラムを使ってお金を稼げるようにしました。その後、GPT-3.5の後継であるGPT-4も発売されました。9月には、ChatGPTが声を出したり、写真を分析したりできるようになりました。そして、最近サンフランシスコで開催された開発者会議(DevDay)で、カスタマイズできるChatGPTの新しいバージョンが発表されました。
しかし、OpenAIの共同創設者でCEOだったサム・アルトマンが解雇され、それが会社とAI業界全体に大きな問題を投げかけました。
OpenAIは、もともとは非営利団体として2015年に設立されました。これは、当時のAI業界が利益追求に集中していたことに対抗するためでした。OpenAIの目標は、人間の能力に匹敵するかそれを超えるAIを、安全に、そして人間の利益のために開発することでした。
2019年には、OpenAIは資金を得るために営利部門を設立しました。これにより、会社内に分裂が生じ、共同創設者のイーロン・マスクは会社を去り、公に批判しました。これは、OpenAIが本来対立するはずだった大企業のような方向へ動いていることに対する批判でした。
OpenAIという組織で何があったのか
OpenAIという会社は、もともとの目的から逸脱しないようにするために、理事会によって管理されています。しかし昨年11月17日、この理事会はサム・アルトマンという重要な人物を突然解雇しました。解雇の理由は、「理事会とのコミュニケーションが一貫していなかった」とされています。
この突然の解雇は、シリコンバレーという技術の中心地で大きな怒りを引き起こしました。OpenAIの多くの従業員が、サム・アルトマンがCEO(最高経営責任者)に戻らない限り会社を辞めると脅迫しました。結局、多くの理事が公の圧力に屈して辞任しアルトマンはCEOに復職しました。
この出来事は、AI業界内の分裂を浮き彫りにしました。一方では急速な成長を望む楽観主義者がいて、もう一方では安全を重視する人たちがいます。アルトマンの復職と理事会の変更は、市場の力がOpenAIの元々の理念よりも強いという証拠と見なされています。「AIは今や資本家のもの」という見出しがニューヨークタイムズに掲載されました。
しかし、この出来事が最終的には良い影響をもたらすと考える人もいます。マーケティング会社の最高クリエイティブ責任者であるPJ Pereiraは、「AIの競争環境とその背後にある責任についての議論を強制するのは良いこと」と言います。
Pereiraは、AIに対して楽観的な見方を持っていると言っています。彼は過去1年間で新しい技術時代が形成される中で、社会がどれだけ急速に進化しそれに対応しなければならないかを示していると感じています。「1年前に心配していたことが今では普通になっている」と彼は言います。これは、将来、私たちが今不可能だと思っていることが実現するかもしれない、ということです。
一方で、AIが期待されているほど発展しない可能性もあります(私はほぼ100%ないとおもっていますが)。しかし、少なくとも今の時点ではAI業界の開発ペースが加速し続け、人間の能力を超えるAI(AGI)が実現される可能性が高いと考えられています。
GoogleやMicrosoftなどの大企業が巨額の投資をしているため、LLMは急速に進化しています。そのため、数年後には現在のChatGPTと比較してどれほど進化しているか予測するのは難しいです。しかし、2030年のChatGPTを使う人は、いまの世界のおどろかせたGPTのバージョンを「古い技術」と吐き捨てるほどに発展していくでしょう。
いま私たちは1年前とはまったく違う世界に住んでます。そして、そのことすらまだ始まったばかりだということです。