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熊野古道のこと

熊野古道とは熊野三山へと向かうための参詣道を指します。
苦労の末に熊野三山へと辿りつくことで、人々は浄土へ向かうための徳を積みました。

熊野参詣道の種類

熊野へ向かうルートはひとつではありません。
熊野への参詣道にはそれぞれに名前がついています。

・大阪から南下する紀伊路
・紀伊半島を横断する中辺路(なかへち)
・海岸沿いの大辺路(おおへち)
・高野山から続く小辺路(こへち)
・お伊勢経由の伊勢路
・修験者のための大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)

伊勢路までの5つが熊野古道と呼ばれています。
大峯奥駈道も吉野から熊野までをつないでいますが、道のりが非常に険しく一般の人には縁のない道です。

世界遺産 熊野古道

熊野古道は、大峯奥駈道や高野山の参詣道と一緒に世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」を構成する資産になっています。
実は聖地への参詣道が世界遺産となっているのは、この他にスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ巡礼路だけなんです。
熊野古道は荒廃した時期もあったようですが、時代の荒波を乗り越えて今に残っているのは本当に貴重なことなんですね。
世界遺産についてはまた別の機会にお話したいと思います。

九十九王子(くじゅうくおうじ)

王子

熊野へ向かう道中にはいくつもの王子があります。
王子とは熊野の神様の御子を祀った小社・小祠のことです。
今では失われてしまった王子もありますが、数多くあったことから九十九王子と呼ばれていました。
熊野三山を目指す参詣者は、参詣道に点在する王子にもお参りをしました。
九十九王子の中でも特に格式の高い王子は五体王子と呼ばれました。

滝尻(たきじり)王子
ここからが熊野の霊域とされた。
発心門(ほっしんもん)王子
ここからが本宮の神域とされる。参詣者はここで仏道に帰依する気持ちを固め(発心)本宮を目指す。
藤代王子
上皇・法皇の熊野御幸で宿泊地とされていたのだとか。現在は藤代神社がある。
切目(きりめ)王子
平治の乱のため平清盛がここで都に引き返したなど様々な逸話が残る。
稲葉根(いなばね)王子
そばを流れる岩田川(富田川)は重要な水垢離場となっていた。

ちなみに王子跡も世界遺産になっています。

熊野古道のお地蔵さん

熊野古道を歩いていると時々お地蔵さんを見かけます。
何かしらのご利益があるとされるものもあります。
熊野への道はそう楽なものではありません。
中には道半ばにして命を落とす人もいました。
そういった人々を弔うために作られた石仏や石碑、無縁仏などが道中に点在しています。
熊野信仰にはそういった悲しい歴史も隠されています。

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