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E231系近郊型

意外と知られていないE231系近郊型のお話です。


豊富な編成両数

落成直後の試運転や所属先への回送時には現在とは異なる編成組成で走行したことがありました。
8両編成:国府津車は6・7号車を欠車した状態で落成しました。川重や新津などから品川へ到着後、一度所属先の国府津へ回送され、後日、東京・鎌倉・大宮の各総合車両センターへ6・7号車を連結しに行く際に8両で走行しました。
13両編成:8両の基本編成に5両の付属編成を繋いだ13両でも走行実績があります。川重からの甲種輸送、品川到着後の回送はこちらが多かったようです。
6両編成:K-02編成はグリーン車の試運転用として活用されていました。試運転の送り込み、返却時にこの組成で走行しました。
10両編成(グリーン車4両連結):K-02編成に元から繋いでいたサロ1043番ユニットと欠車状態のサハ2両を除いた6両と、新造されたサロ2ユニット(小山車)を繋いだ10両で各種試運転を行いました。
10両編成(付属×2):2001年から2004年頃は、宇都宮線で付属編成を2本繋いだ10両編成運用が存在しました。末期には湘南新宿ラインでの運用も存在しました。宇都宮線・高崎線でのグリーン車連結運用開始や、15両編成列車の増加に伴い消滅しました。
10両編成(グリーン車無し基本編成):小山車の登場時はグリーン車が存在しませんでした。2004年の10月頃までに当時所属していた41編成全てにグリーン車が連結され消滅しました。

ホーム検知装置試験車

2007年頃、JR東日本はホーム検知装置の開発を行っていました。山手線・京浜東北線・中央総武線で試作品を搭載し、実際の営業列車での試験を実施しました。E231系近郊型では、京浜東北線の209系からの廃車発生品を使用した試験車(U520編成・U14編成)が登場しました。近郊型における試験の結果などは不明。京葉線の分割編成などで生かされているのでしょうか。

大型スカート試作車

2005年に登場したK-23編成からスカート形状が大型化しました。その試作品と思われるスカートをU502編成の10号車が使用しています。左右対称のものとなっています。

唯一無二のスカート

クリアテール編成

2016年、K-34編成の1号車のテールライトが交換されました。非点灯時には緑色のように見えます。E235系の試作品と思われ、長らく他編成への普及などは見られませんでしたが、2022年より人身事故でテールライトが損傷した際に交換される事例が発生しました。現在はU532編成・K-10編成がそれに該当します。

事故による組み換え

宇都宮線では2度、踏切事故が発生しました。2004年にU504編成が自動車と衝突し、1~3号車が使用不可となりました。そこでU45編成の11~13号車と組み替えた上でU504編成は復帰しました。2007年にもU-587編成が同様の事故に遭遇し同一号車が使用不可、U-111編成の同一号車と組み換えを実施しました。基本編成と付属編成の座席構成の違いなどから、普通車がオールロングシートの編成となってしまいました。2022年4月現在、事故による組み換えはこの2例にとどまっています。

貸出編成

2004年の国府津車落成後、しばらくは小山車両センターへ貸し出され、基本編成はグリーン車の乗車位置の貼り付けなどに、付属編成は湘南新宿ラインを含む通常の小山車の運用で営業運転に使用されました。7月からは基本編成も湘南新宿ラインを含まない運用で、グリーン車を普通車扱いにし営業運転に入りました。10月までのほとんどの編成が返却され、これら一連の貸出が終了しました。
2006年では113系置き換え用となるE217系の改造に時間がかかることから、同年に落成したE231系小山後期車30両(基本U-585/586編成、付属U-107/109編成)が国府津に貸し出されました。
2007年には、E217系1編成のの横須賀線再転属とE231系の定期検査が重なり、東海道線で車両不足が発生しました。そこで運用数に余裕のあった小山から付属編成のU61編成が貸し出されました。東海道線の他、御殿場線にも乗り入れ、小山初期車では唯一の乗り入れと思われます。同年2月に前述の宇都宮線内踏切事故が発生し、当該のU-587編成と組み換えを行ったU-111編成が使用不可となったため返却がされました。これの代替でE233系E-01/51編成が前倒しデビューとなっています。

サークルE

2015年後半から、小山初期車では機器更新工事が始まりました。誘導障害が発生する可能性があったためか、JR東海管内への入線が禁止されました。前面や乗務員扉に大きく「ⓔ」のマークが貼り付けられました。これは運転台構成が初期車と異なる小山後期車にも貼り付けされました。「東海道線(上野東京ライン)では列車番号の末尾英字が『E』の列車に充当してください」という意味があったと思われます。

この形式、沼が深すぎる。

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