百八円
何も知らないで生きていたい
親に殴られる苦痛も、首を絞められる感覚も
どんどん息が出来なくなる時間も、
誕生日を祝う言葉じゃなくて死を願う言葉を聞かされることも、投げられた物が壊れる音も、
必死になって裸足で逃げる夜も、
怯えながら眠った翌日のだるさも、
死にたいと思いながら笑う日も、
大丈夫としか言えない頭も、
誰からも愛されることのない16年も、
再婚した父親の腹違いの弟も、
父親の家庭の幸せそうな写真も、
それを見せながら話す嬉しそうな顔も、声も、
私は、リサイクルショップの端にあるような
誰にも使われない、買われない、望まれない商品
誰も目の前に来ない、見つけて貰えない
仕舞いには捨てられる
自分すら必要としない存在
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