子どもに将来の夢を「名詞」で答えさせるのはやめたほうがいい、の記事のこと
【子どもに将来の夢を「名詞」で答えさせるのはやめたほうがいい】という言葉をずっと大事にしている。
廣津留 真理さんという方の記事で、「将来の夢はなに?」「将来何になりたい?」と聞くと子どもは伸びないと言われている。大切な家族や友人には、この記事を何度となくシェアしている。詳しくは実際の記事*(下記参照)を読んで頂きたいけれど、「名詞」を目指してしまうと、それ自体が子供たちに限界を作り、それ以上にはなれないという話だ。
マーク・ザッカーバーグだって初めからFacebookというプラットフォームの創始者になろうと思っていたわけではない。イーロン・マスクの職業だって一言で言い表すことは難しい。代わりに、廣津留 真理さんが勧めているのは「動詞」、“Make an impact!”(「世界に、社会に影響を与えなさい」)と語りかけることで、子供たちを勇気づけることだ。
我が家のZ世代の子供たちに、自分の将来を考えたことがあるかと質問してみた。小4の弟はるいにもれず「サッカー選手になりたい!」と名詞で答え、中1のお姉ちゃんは「うーん、」沢山やりたいことがある」と答えた。この二人に、廣津留 真理さんのこの記事の内容を、敢えてそのまま伝えた後に、もう一度同じ質問をしてみた。
小4の弟はこう言い直してきた。「サッカー選手になって、世界の子供たちに夢を与えたい。サッカーは世界中でプレーできる、サッカーを通じて色んな人と友達になれる。すごい選手になれたら、サッカーをしたい子供たちを助けることもできる。でも僕は、絶滅危惧種のことについても研究したいんだ。」中1のお姉ちゃんはこう答えた。「世の中に起こっている大切なことを、まだそのことを知らない人たちに伝えられる人になりたい。」これを叶える方法は一つではない、たくさんある。
廣津留 真理さんも言われているけれど、“Make an impact!”(「世界に、社会に影響を与えなさい」)といっても初めから大きなことは出来ない。子供たちだけでなく、大人である私だってそうだ。けれど、少しずつでも “ Grow out of your comfort zone.(自分の殻から抜け出せ)”を目指すことで、自分が影響を与えられる範囲から始めることが出来る。
中1のお姉ちゃんは、昨年から通っているインター校のIB(International Baccalaureate (国際バカロレア))の選択教科の1つに、Global Citizenを選んだ。地球環境のこと、人権問題のこと、国によってことなる政権の在り方について、大事なことを沢山学んでいる。まずは彼女が言っていた「世の中で起きている大切なこと」を沢山学び、考え、周りの人たちとたくさん話し合って行って欲しいと思う。
小4の弟は色んな国籍のチームメイトが混在するサッカーチームに入っている。多様な国籍や年齢のチームメイトと、チームを作ること、チームで戦うことをたくさん体験して行って欲しいと思う。そしてもう一つ彼のやりたいこと、絶滅危惧種を研究するためには、データを読む、写真を撮る、地理や科学の理解、沢山のことを学ぶことが必要となってくる。今勉強している一つ一つのことが、点と点、線と線、面と面が繋がっていくのもそう遠くない将来のように思う。
子供たちを動詞で励ましていく。彼らがパッションを持ってImpact(影響)を与えたいと思えるテーマを見つけられるよう、それを支えていけるように、子供たちと対話を続けて行きたいと気づかせてくれた、私にとってとても大切な記事である。
* 参考資料:
現代ビジネス:塾ナシハーバードの母が断言「将来何になりたい?」と聞くと子どもは伸びない(廣津留 真理・ディリーゴ英語教室代表)
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/84297?page=3