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馬鹿は面倒くさがらない
わたしは今朝目が覚めてから、今に至るまでのルートを5つ考えて全てを脳内でシュミレートし、さらには着る服と集合場所と時間、そこまでの逆算でできる家事を選択、よしそれで動こうと決めた頃にはすっかり疲れた。
重い身体を起こして、トイレ、洗顔、コンタクト。
牛乳はレンジで4分、やかんを火にかけて、パンはトースターへ、Tシャツばかりを洗濯機に突っ込んで、コーヒーのフィルターを折っているところで、
"ピピピピピッ"
あぁ、タイマーで米を炊いていたんだった、と、気付く。
昨日後輩に
『先を見越せるってことは時間と労力に見合った最良を選択できるということだ』
と言ったんだっけな、そういえば。
(『結構正しくて賢い人の脳みそだと僕は思うよ』)
わたしは、馬鹿じゃあない。
あぁそう、それなのに、ぜんぶ、狂った。
そこからさらに脳みそを3回転だけさせて、面倒くさくて面倒くさくて面倒くさくて、ついに止まった。
"ピピッ"
やっぱり馬鹿かもね。
そこからは、綺麗におにぎりを握ることにだけ集中した。
2合分の米をなるだけ丁寧に握っていく。
まっしろのあつまり、掌の中におさまるちょうどいい密度と湿り気、あっつい!角を欠いた三角形は均一で、ラップの質感は一様にツルツルだ。
最後に並べて写真を撮った。
やかんが乱暴に湯気を噴き出している。
牛乳は冷めたし、パンは焦げたし、コーヒーは準備すらできてない、食べてる最中に洗濯機に呼ばれるだろうし、それにしてもおにぎり、このおにぎり達は、ほんとうにかわいいなぁ。
そうやってようやく1つ、日曜日の朝は終わった。
焦げたパンを齧って、写真を眺めながら、それはそれでまぁいいかななんて満足しているのだ。