イマここに生きる!オーガニックオーダーの旅・暦のお話~小暑 次候 蓮始開(はすはじめてひらく)
一年を通して様々な季節が味わえる日本。古来より大切にされてきた暦に触れていくことで、その豊かさをより深く感じられます。知ることは伝統や智慧、ひいては叡智とつながる第一歩。オーガニックオーダーを体感し、イマここに生きましょう。
二十四節季 小暑(2020年㋆7日~21日)
2020年7月12日~16日 七十二候 第三十二候 《小暑次候》蓮始開(はすはじめてひらく)
★古来より日本で親しまれてきた二十四節季七十二候についてはこちらをどうぞ★
読んで字のごとく、蓮の花が咲き始める頃という意。
雨に降りこめられるこの時期、たった三文字でなんとも心が明るくなるものだなとしみじみ感動します。
この頃になると梅雨明けももう近く、雨脚が強くても「あとすこし」と気を取り直して盛夏の準備。
待ちに待ったお日様も、身を焦がす酷暑では辟易します。
時を俯瞰するなら、今はまだ涼しくて良いと思えるタイミングもありそう。
雨の合間に雲間から光が射すと、
「このまま明けてしまうのかしら」
とちょっと希望を抱いてしまったりします。
早く思い切り窓を開けて、お布団を干したいものですね。
ひっそりと可憐に咲く蓮
仏様の御座として、また、モネの水連等、
知る人ぞ知る、美と清廉の象徴のような蓮の花。
泥の中から茎を伸ばし、花を咲かせることから、清らかに生きる象徴として極楽浄土に咲く花ともいわれています。
ですがその蓮の花、実は長くは咲きません。
夜中から明け方にひっそりと咲き、3~4日で散ってしまいます。
早起きして見るこの花が咲く風景は、格別なものがありますね。
蓮のイメージと語源
蓮と言えば天上の花を連想する方も多いのではないでしょうか。
『ハスは泥より出でて泥に染まらず』
という言葉もあるくらいで、
優美なその姿は、私たちに様々な想いを抱かせます。
その語源はなんと『蜂巣』。
花の中心部分が蜂の巣に似ているところから蜂巣と呼ばれるようになり、転じてハスになったとか。
確かに放心円のように穴があり種ができますが、蜂巣とは…
呼び名は不思議です。
生薬としてのハス
ハスはその部位のほとんど全てが生薬として利用されます。
●果実➡蓮実(れんじつ)
●子葉➡蓮肉(れんにく)
蓮実、蓮肉とも砕いて
強壮、止瀉、止渇、鎮嘔、健医薬として、多夢、遺精、下痢等に。
●子葉の間の緑の幼芽(胚芽)➡蓮心(れんしん)
止血、心清、解熱
●種皮➡蓮衣(れんい)
強壮、収斂
●葉➡荷葉(かよう)
止血、下痢、食中毒
●葉の基部➡荷葉帯(かようてい)
●葉柄・花托➡荷梗(かきょう)
清熱解暑、通気
●花の蕾➡蓮花(れんか)
活血、止血
●花托➡蓮房(れんぼう)
止血
●雄蕊➡蓮シュ(れんしゅ)
止血、強壮
●肥大した根茎➡藕(ぐう)
涼血解毒
●根茎の節部➡藕節(ぐうせつ)
止血
●根茎から取れたでんぷん➡藕粉(ぐうふん)
中国では軽身延年の長寿薬として食べられるそうです
このように、それぞれ薬用に用いられるとのことでした。
※池に咲いているものから自家製作は絶対にしないでくださいね。漢方薬を用いたいときも必ず専門医や専門薬局にご相談なされることをお勧め致します。
仏様の御座、極楽浄土の花というのも、この薬効成分豊富なところからイメージされたのかも知れませんね。
日本でも食材として、ハスの実を購入することができます。近所のお店にないときはネットで取り寄せもできますよ。
心を落ち着け、滋養強壮にも良いとされるハスの実、スープやリゾットにすると食べやすいようです。炊飯器でご飯と一緒に炊き上げる『ハスの実ご飯』のレシピもありました。
(ちなみにレンコンの旬は㋈です。)
インド発祥のアーユルヴェーダでは、“オニバス”という大きなハスの種が薬に使われるそうです。
インドではハスの実は縁起の良い食べ物として、そして伝統的なおやつとしても親しまれているそうです。
感染症や災害で落ち着かない昨今、心落ち着ける食材として普段の献立に取り入れてみるのも良いかもしれませんね。
2020年7月12日
※被災されている方々に心よりお見舞い申し上げます。被害の甚大さに言葉がみつかりません。少しでも早く復興の目処が立つことをお祈りしております。
『透明な栄養』をテーマに有形無形の造形活動をしています。ホリスティック~全体観~という捉え方を活動の基盤にしています。この捉え方は、いのちの息苦しさが紐解かれたり、改善される可能性をかんじます。noteでは日々の思考研究も兼ねて、この考えをもとに書いたものをシェアしています。