日記、2023,01,14。
皆様は「ビヨンド豆腐」と謂うものをご存じだろうか。わたしは一年ほど前に知り、探し廻ったけれど見つからず、アマンゾでは高値過ぎて手が出なかった。
それが、納屋橋のドンキで見つかったのだ。苦節数ヶ月、否、一年ほどもか。歓喜のあまり、四つも購入してしまった。そして、二日でペロリと平らげた。
旨い。
もしかすると本物の雲丹よりも旨いかも知れない。何故ならば生臭みもなく、適度に調味され、このわたしが、白米を喰いたいとまで思ったのだ。これは前代未聞の出来事である。
鰻の蒲焼きが嫌いだと云ったら「あんた本当に日本人なの?」とまで云われたわたしだ。味附けのされていない白米をガシガシ喰いたいと思ったことなど滅多にない。そのわたしが、猛烈に白米を慾したのだ。これは稀有な出来事である。
白米が旨いと思う心は、日本人ならではだろう。それをわたしは長年、知らずにいた。嫌っていたと云ってもいい。馬鹿野郎、と怒鳴られても仕方のない非国民である。
しかも白米と書いているが、我が家にあるのは雑穀のみである。白い米に混ぜるのではなく、それだけで炊飯し、喰っているのだ。美味しいから。
白く精製したものの大半は旨味が無くなっている。白米もそうだし、極端な例が食卓塩だ。これは成分の殆どがナトリウムで、本来含まれる筈のミネラルが抜け落ちている。ミネラルが出す味わいに欠け、塩味だけが突出した調味料なのである。
赤い蓋の食卓塩を使うのなら、塩辛さを出す時のみ適宜に振るのが良かろう。これで高級な畜肉を調理しても、旨さは半減してしまう。漬物をつける際も同じである。
どんな塩を選べばいいのか判らない、と云う方でも「はっかったっのしお」と謂うコマーシャルを見たことがあるだろう。これは別に純国産の塩ではないのだが、旨味成分はちゃんとある。取り敢えず、食卓塩やクッキングソルトよりは美味しく調味出来る筈だ。ちなみにこのふたつの内容はまったく同じである。
特に漬け物を自家製する方は、絶対に藻塩などの天然塩を使用した方がいい。味がまったく違ってくる。わたしはそれほど味覚が敏感な方ではないし、好き嫌いも多い。育った家で使用されていたのは食卓塩から始まり、最終的にはアジシオになった。青い蓋の、アレである。
自分で料理をするようになり、調味料について調べたりもした。そうして知ったのは、調味するのに必要なのは、塩、のみであった。
吃驚するかも知れない。しかし、味噌や醤油を使わなくても、それこそ面倒な出汁を使わなくても「塩」にすべてが含まれているらしいのだ。わたしが好んで読み、そしてまったく実践していない料理本にも、簡易な料理法の調味料は水と塩のみであることが多い。
原点に帰ることは非常に大切なのだと思う。人間は水と塩で出来ているのだ。
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