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撮影場所について②

前回の余談ではありますが、プロットの段階から場所こそ決まっていないものの全体のシチュエーションとして場面の転換がなるべく少なくて済むように(これはこれで撮ったり編集する側の大変さがあることを後から知って、今となっては申し訳なくも思っているのですが・・・)メインのシーンはカフェ、あとは外を歩くシーンが少しという構成で、これは脚本にする過程でも一貫していました。
実は当初はそれっぽいレンタルスペースを探すか、スタジオ放課後さんからは「いっそのことシチュエーションをどちらかの自宅に変えてみてはどうか」という案もあったのですが、前日譚を含め設定を考えると2人にとって特別な場所であってほしいという思いが捨て切れなかったんです。
また、外のシーンは都会っぽさを出したかったため当初はみなとみらい辺りをイメージしていました(カフェっぽいレンタルスペースも横浜にはいくつかあると思っていたので)。

しかし、前回書いた通りメインの撮影場所がトントン拍子でデニムさんに決まり、スタッフ、キャストの負担やスケジュールを考慮したらなるべく近くが良いという判断から、外のシーンもこの近辺を選びました。
駅から少し離れていることもあって引きで見ると都会感は薄いんですが、適度に街路樹はありつつもアングル次第では周囲に映り込むものがあまり無く、印象的な建物があったりとロケ地としては申し分ない場所でした。
下見の際にもその場ですぐに制作サイドと撮り方や演出のアイディア出しが出来、カフェ同様に「お洒落で良いですね」と言ってもらえたことで手応えもありました。

今回のような持ち込み企画というものはスタジオ放課後さんとしては経験されていますが、あくまで脚本家の役目は脚本を書くことに尽きるので、ロケハン等は基本的にご自身たちで行っているそうです。
ボクとしては出しゃばり過ぎてないかなー、という懸念を持ちつつ提案させていただいたのですが、他の作品の撮影なども直前まであるためむしろ有り難いというリアクションが返ってきた際には少し安心できました。

脚本家である以前に原案者として自分の脳内にあるものを映像化していただくという立場で携わっているつもりなので、言い出しっぺである以上はみんなの負担を出来るだけ小さくしたいという思いが絶えずあります。
ボクのこういったスタンスを、スタジオ放課後さんが受け入れてくださったことには本当に感謝でいっぱいです。

そして、かつてこの街に住んでいるときにボクはレシピ本を執筆し、ケータリングの事業も始め、20代の真ん中でモノ創りに励んだ(パートナーと付き合い始めた時期が重なることも含め)ことから思い出の地でもあります。レシピ本の制作に没頭していた頃から10年、また川崎で新たなモノ創りをしていることに並々ならぬ高揚と不思議な縁を感じています。

スタジオ放課後の作品はこちらから↓
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