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マルチバースと他作品からの影響

おかげさまで無事に公開され、ボクとしては1ヶ月かけて達成できればと思っていた視聴数500回を、なんと1週間で越えることが出来ました!嬉しい声もちょくちょく届いていて、改めてやって良かったなーという気持ちです。

以前にも触れましたが[マルチバース]という題材を選んだものの、それをどうやって20分強の映像で表現するかが今作の課題のひとつでした。なのでまずは本編とは異なる世界を冒頭で描き、映像効果で世界線が変わったことを表現するという手法を取りました。
この辺りは撮影前の段階から映像としてどう見せるかをスタジオ放課後さんにもいろいろと提案していただきましたし、作中には直接出てこない世界線にも触れる演出を少し入れてもらったりしました。
あとは物語の主軸になることなので、メディアなどでも他世界について報道されているのが当たり前というシーンや、会話の中で自然とそれらに触れる風潮があることをセリフに散りばめてみました。

モノクロ、不穏なBGM、死んだ魚のような目の通称[社畜モード]の2人、本編とのギャップを出したい旨はプロットの段階で決まっていました。


つまるところマルチバースというのは並行した宇宙(世界)がいくつも存在する理論なので、地球という星ひとつとっても宇宙が異なればあり様も異なり、存在しない生物がいたり、本作のように人類も進化の過程で寿命に差が出たりするというレベルで解釈してもらえれば充分という線引きで設定したつもりです。もちろんテクノロジーが物凄く発達した世界や、なんなら異星人に侵略されている世界もありえると思っていただければと。

そういった設定のヒントにしたのが映画【グリッドマン ユニバース】です。プロットを書き始めたタイミングが2023年の4月末だったのですが、ボクはその1ヶ月ほど前に公開された本作にドハマりしているタイミングで、既に3回劇場に足を運んでいました(ちなみに後にもう1回MX4Dで観に行きました)。
この作品は円谷プロダクションが1993年に製作した特撮ドラマ【電光超人グリッドマン】を原典にした【SSSS.GRIDMAN】と【SSSS.DYNAZENON】という2本のテレビアニメをクロスオーバーさせた劇場版です。この2つのテレビシリーズは世界観が似通っていたり、両作に登場するキャラクターがいたりと、シリーズ作品であることは明言されていながらもその関係性は曖昧なまま完結していました。その謎が映画では明かされ、マルチバースという設定故に無理なく両作のキャラクターが共演・活躍できる素晴らしいものでした。
他にもパラレルワールドやマルチバースの設定を持つ作品はいくつか観てきましたが、このタイミングでこれほど心に残る傑作に出会っていなければ自身が書く脚本にその要素を反映させようとは考えもつかなかったでしょう。

ハマり過ぎた結果、まったく(?)今作とは関係ない推し活の一環。


また、この作品はいわゆるロボットアニメにカテゴリーされると思うのですが、テレビシリーズの頃から変形合体やバトルシーンの迫力と盛り上がりは言わずもがな、それと同等に会話シーンを中心とした人物描写も高く評価されています。
キャラデザの良さや声優さんたちの力量もあって登場人物がみんな魅力的なのはもちろん、メインキャラが高校生なこともあり今時の10代っぽさを実写に近いトーンで演出しつつ、適度にデフォルメがかかったお芝居で心地良い空気感を描いているのです。物語の本筋とは直接関係ない「日常パート」と呼ばれる部分だけでもずっと見聞きしていられるような雰囲気(番外編的なボイスドラマも面白いです!)で、こういった会話の間や軽快さを今作にも上手く取り入れられたらと思いセリフを書きました。
余談ではありますが、今作の登場人物のネーミングもこのシリーズのキャラクター名を組み合わせたり、アナグラムを用いたり、ある法則に則って一部はそのまま使わせていただいてます。興味のある方は調べてみてください(笑)。

モノ創りに置いてまだまだ自分は未熟者だという自覚はありますが、オマージュと呼べるほどではないにせよ、自身の中に積み重なってきた情報や情動をどう昇華し表現するかが「センス」と呼ばれるものなのかなーと、これまで携わったことのないジャンルにチャレンジしてみて改めて身に沁みました。

次の目標は5月中に視聴数1000回!
引き続き応援よろしくお願いいたします!!