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値上げで日本人は痩せるの?? 太るの??

 最近さ、また、値上げが話題になることが多い。原材料の値上げが原因ですって断りが付くことが多いようだ。「今までなんとか頑張ってきましたが、昨今の原価の高騰を受け……お客様には大変ご迷惑をなんちゃらかんちゃら……」なんて必死な文面を見かけると、本当に気の毒だなあと思う。ただちょっと値上げするだけなのに、まるでとんでもない不祥事でも起こしたかのようだ。そんな大袈裟にしないで、しれっと値上げしちゃえばいいのに。

 気の毒なのは、「原価が上がったから、その分値上げ」ってところ。つまり、値上げしたからって、その分儲かる訳じゃない。今までさんざん値段を据え置くように努力してきて、それももう限界に達しましたから値上げしますって。なのに、あんなに仰々しく詫びながら、ほんのちょっと値段を上げるだけなんて。ひねくれ者の僕なんか、本当は儲けてるじゃないの? なんて、訝しく思っちゃう。

 あ、でもね。そこも、問題なんだよ。「本当は儲けてるんじゃないの?」なんて言い方、まるで、儲けるのが悪いことみたい。企業が儲かれば社員の給料が増えて、給料が増えれば値上げされたって平気で買い物ができる訳だし、あっちの会社の給料が上がれば、こっちの商品をたくさん買ってもらえる訳だから、そしたらこっちも給料が上がる。儲けるっていうのは、いいことだと思うんだけれど。

 それよりも、僕が嫌いなのは、「中身を減らして、お値段そのまま」ってパターン。ステルス値上げなんて呼ばれることもあるけれど、なんだか、せっこい感じがする。見てすぐにわかる感じで中身が減ってることもあれば、ぱっと見はよくわからないように容器を工夫したり、個数がおんなじでも一個が小さくなっていたり。

 せっこい以上に、本当にいただけないのは、「その商品は、本当にそれが適量ですか?」ってところ。たとえば、小麦粉が一袋500gだったのが450gになって、それでお値段据え置きっていうのなら、まあ、どっちでもいいことだ。でも、チョコレートのお菓子の一個のサイズが変わるっていうのは、話が全然違う。だって、お菓子に限らず食べ物の美味しさって、味や香り、食感、それに大きさだって関係する。だとしたら、単に「原価が上がったけど、売価は上げられないから、小さくしました」っていうだけでなく、「同時に美味しさも落ちました」なんてことになりかねない。もし、そんなことになってしまっては、食べる方としてはとても残念だ。だったら、おいしさをそのままに値段を上げてくれた方がいい。

 もっとも、お菓子なんかだと、一個の大きさはそのままで、一箱の個数を減らしているなんてこともある。それなら、味への影響は少ないのかも。でも、味への影響は少なくても、別の影響が考えられる。

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