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弱者の心
だけど お前は決して誰も責めない お前は決して何も聞かない 御節介な陽の光と違い 俺も正さない。
こちら『Creepy Nuts』の楽曲「よふかしのうた」の一節である。
ここで言う「お前」とは時間帯の「夜」のことであって、個人というわけではない。夜を擬人化していると考えるのが一番近い考え方だと思います。
この歌詞から僕が好きな漫画『空が灰色だから』の27話「4年2組 熱血きらら先生」を思い出しました。
詳細は購入して読んで欲しいのですが、簡単に説明するときらら先生という熱血教師が、クラスの内気ないじめられっ子の進くんを気にかけて励ますが、それは逆に進くんの重荷になっていて、きらら先生はその気持ちにまったく気がつかないという話です。
きらら先生は悪い人ではないし、進くんのためを思っての行動をしていて生徒のことを本気で考える教師の鏡と言ってもいいと思います。
ですが、誰もがきらら先生のように生きられるわけではありません。この世の中にはどんな言葉にも心が動くことも癒されることもないほどの傷を負っている人がたくさんいます。
進くんはきっと押しつけがましい陽の光よりも、全てを受け入れ自分を正さず、ただそばにいてくれる夜のような存在を求めていたと思います。
確かにポジティブに生きるのはいいことです。一般的に成功者と言われる経営者なんかは、ポジティブで年齢以上のエネルギーを感じる人が多い気がします。前向きでくじけない人や行動力のある人が成功するというのは事実です。
しかし、そうでない人が悪というわけでは絶対にありません。ネガティブで後ろ向きで金がなくて何も達成してなくても、同じ人間であり一つの命です。そこに優劣はありません。それでいいのです。
もし、読んでいる方の大切な人が何かに悩んでいるようだったら、頭ごなしにポジティブな言葉を掛け正そうとするのではなく、しっかりその人を見てあげてください。
進くんや僕のような夜を求めている人が中にはいます。責めず、聞かず、正さない。そんな人がそばにいてくれるだけで救われる人がいるということを忘れないでください。