完璧な彼女【ショートショート】
ぼくは自分のことが嫌いだ。
子どもの頃から勉強は得意で、主要教科の成績はいつも5段階中4か5だった。だけど、体育や音楽はからっきしダメだった。創造力や感覚が求められるものにはまるで向いていない。
社会人になってもそうだ。仕事で大きなミスはしないし、それなりに出世して管理職にもなった。けれど、突出した業績があるわけでもなく、周りを見れば自分より高給取りがごろごろいる。ぼくはいつも「そこそこ」の評価にとどまっている。
恋愛も同じでぱっとしなかった。今まで恋人は何人かできた。初めて