【詩】橋

そこには光すら届かない深い谷があつた
堕ちたら最後 這い上がることはできない
だが人ゝは谷の向かう側に渡らうとする
谷を渡れば救はれると信じてゐるからだ
人ゝは我先にと谷を渡らうとしたのだが
誰一人として向かう側には届かなかつた
そこで人ゝは協力して ある計画プロジェクトを考へる
みんなで力を合はせ谷に橋をかけるのだ
それから幾千年  工事は今なほ続いてゐた