【詩】トンネル

目の前に壁が立ちはだかつてゐる
越へることも回ることもできない
古より人はそれを神と崇め奉つた
その神と呼ぶ自然は恐れ敬ふ存在
人が神を越へやうなど無謀の極み
普通ならそこで諦めてゐただらう
だが人は神を乗り越へることなく
その御身を貫きトンネルを作つた