【詩】種の起源
何もない部屋でわたしは孤独を感じてゐた
孤独を誤魔化すために植木鉢に種を植へた
その日からわたしは毎日植木鉢に水を与へ
今か今かと芽生へる日を心待ちにしてゐた
だが種は芽生へることなく時だけが過ぎる
わたしはそれでも根気強く水を与へ続けた
するとある日のことだつた 一陣の風が吹き
水で湿つた土の表面を撫で芽が頭を出した
何もない部屋に生命が誕生した瞬間だつた
何もない部屋でわたしは孤独を感じてゐた
孤独を誤魔化すために植木鉢に種を植へた
その日からわたしは毎日植木鉢に水を与へ
今か今かと芽生へる日を心待ちにしてゐた
だが種は芽生へることなく時だけが過ぎる
わたしはそれでも根気強く水を与へ続けた
するとある日のことだつた 一陣の風が吹き
水で湿つた土の表面を撫で芽が頭を出した
何もない部屋に生命が誕生した瞬間だつた