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のんびり地学基礎 #38 日本列島の形成

地球史、壮大でした。

全ての出来事が
ドラマでした。

さて、
世界の片隅にある
私たちの住む日本列島。
外国の方に
世界地図を書いてもらうと
ほぼ全員が書いてくれない
らしい、日本列島。

ほんの小さな島弧
「日本」にも
ドラマがあります。

今回は、
ドラマチックな
日本の成り立ちを
これまた駆け足で
追ってみたいと思います。

①、約7億年前
(先カンブリア時代、原生代)

南中国の大陸縁から始まった日本

プレートの運動開始以来、
大陸はくっついたり離れたり
を繰り返しています。

超大陸はパンゲアだけではなく、
約11億年前から7億5000万年前は、
ロディニアいう超大陸が
存在していました。

約7億年前に、
ロディニアが分裂をすると
太平洋が開き、
今の南中国にあたる大陸塊、
南中国地塊が独立しました。

日本はこの時、
南中国地塊の東側(太平洋側)
の一部でした。

当時、南中国地塊の周りでは
プレートの沈み込みがなかったので
火山活動はなく、
穏やかな時代でした。

②、約5億2千万年前
(顕生代、古生代ーカンブリア紀)

プレートの沈み込みが始まる

古生代初期から5億年間、
南中国地塊の太平洋側の縁で
海のプレートの沈み込みが
始まりました。

それにより
大陸が成長しました。
大陸の成長の要因は
2通りあります。

a、花崗岩かこうがんが作られる

プレートの沈み込みによって
南中国地塊の太平洋側で
活発な火山活動が始まり、
花崗岩がどんどん作られました。
花崗岩は軽いので浮力で上昇し
大陸地殻が増えていきました。

b、付加体が大陸縁にくっつく

・プレートの沈み込み浅部
海溝の上に積もっている堆積物や
海洋プレートに乗ってきたものが
プレートが沈み込むときに
海溝ではぎ取られて
大陸プレートにペタペタと
張り付いてゆきます。
これを付加体といい、
海側に海側に成長していきます。

・プレートの沈み込み深部
また、海洋プレートと一緒に
沈み込んでしまった付加体は、
深い場所で低温高圧型の
変成岩になります。
変成した付加体が上昇し、
大陸の一部になります。
沈んだ付加体が上昇する原因は、
海嶺の沈み込みが
関係していると言われています。

③、約2億5千万年前
(顕生代、中生代ー三畳紀)

アジア大陸の一部に

南中国地塊は
北中国地塊と衝突・合体しました。
これでシベリア地塊とも陸続きになり、
この時初めて日本は
アジア大陸の一部となりました。

日本の地殻はおおむね
南中国地塊の岩石と、
後から付加されてできた岩石で
構成されていますが、
北中国の石も見つかっています。

また、衝突した境界線の石
とおぼしきものもあります。

日本で一番古い石は?

日本で一番古い石は
約27億年前の石で
山口県の津和野から出ました。
北中国由来、
ということが分かっています。
27億年前にできた花こう岩が
高温の変成作用を受けてできた
花こう片麻岩です。

先カンブリア時代の岩石が
日本にもあるなんて!!

南中国と北中国の衝突の痕跡

熊本の肥後変成帯や
富山の宇奈月、
茨城の日立、高貫、
九州の背振、などが
南中国と北中国が衝突した
境界の延長線上の可能性があり、
岩石からその痕跡が
見つかっているそうです。

④、2500万年前
(顕生代、新生代ー第四紀)

日本海の成立

アジア大陸の
東側の地殻が裂けて
離れ始めました。
裂けて離れていった部分が
後の日本になってゆきます。

アジア大陸と日本の間に
リフト帯ができたためです。
広がったリフト帯には
次第に雨が溜まってゆき
そのうち海嶺となって
玄武岩質の海洋地殻を
一生懸命作りました。
海洋地殻の広がりに伴い
日本は南方に移動していき、
現在の位置と形になりました。

約1500万年前には、
アジア大陸と日本の間に
背弧海盆が広がりました。
日本海です。

【背弧海盆とは】
日本海のように
沈み込み帯の島弧の大陸側
にある海を縁海と呼び、
その海底を背弧海盆といいます。

日本海が開き始めると
引っ張りの力によって
日本の地殻には
正断層がたくさんできました。

背弧海盆はどうやってできる?

背弧が拡大する理由は
まだはっきりとは
解明されていませんが、
海溝で沈み込んだプレートの
角度が変わるなど、
地下に溜まったものが
何らかの作用をして
マントル対流、プルームなどに
影響を及ぼすと、
下から熱いアセノスフェアが
上昇してくると考えられています。

上昇してきた
熱いアセノスフェアの力で
地殻が引き割かれて
背弧海盆ができるのではないか
と考えられています。
本当のところはまだまだ
謎、だそうです。

日本海の拡大より前から
背弧海盆ラッシュの時代でした。
東アジアや西太平洋のあたりでも
複数の背弧海盆が開きました。
フィリピンの横のパレスベラ海盆、
土佐沖の四国海盆などです。

地球内部やプレート運動が
今よりかなり活発だったため
だと言われています。


⑤、新生代ー新第三紀後半

日本にもあった!
大きな2つの衝突事件

a、北海道の衝突
北海道はひし形をしていて、
その真ん中に
日高山脈があります。

約4000年前、東の北米プレートと
西のユーラシアプレート上の2つの島が、
近づいていき衝突しました。
衝突した衝撃で
北米プレート側がのし上り
そこが日高山脈になりました。
1000万年前には北海道の原型が
できたと言われています。

b、伊豆半島の衝突
約2000万年前、伊豆は
現在の硫黄島付近にある
海底火山群でした。
プレートとともに北上し、
やがて日本に衝突しました。
プレートの上の火山が
はぎとられ合体してゆき、
約60万年前に現在の形に
なりました。

南アルプスが高くそびえているのは
伊豆半島が押したからです。
そして今もなお
押し続けているために
地震が多い地域なのです。

大変大まかでしたが、
これでほぼ現在の形の
日本が完成しましたーヽ(^o^)丿
パチパチパチパチ

付録:日本形成の地質(資料)

古生代末から中生代三畳紀には、
現在の山口県秋吉を含む大きな
①三郡帯と呼ばれる高圧変成帯や
②舞鶴帯③飛騨変成帯
④飛騨外縁帯
など
日本海側の大部分が
作られました。

三畳紀からジュラ紀には、
さらに外側(太平洋側)に
美濃・丹波帯
⑥領家帯⑦三波川帯⑧秩父帯
作られました。

白亜紀から新第三紀には
⑨四万十帯と呼ばれる
日本の中の一番外側で
一番新しい部分が
作られました。

この中で飛騨帯だけ他とは
性質が異なっています。
飛騨帯は付加体起源ではなく、
かつてアジア大陸の一部だった
花崗岩や花崗岩質の変成岩からなる
大陸由来の地質となっています。

それ以外の地質帯は
アジア大陸の縁にできた付加体と
それが起源の変成帯から
構成されています。

地質年代は、
日本海側が一番古く、
太平洋側に向かって
新しくなっていきます。

のん地、ここで
折り返しにきたのかもしれない


たった(?)7億年間に
日本では目まぐるしく
ドラマチックなことが
起こっていました。

日本はとても複雑な場所にあって、
地球の中でも地質的に
かなり特異な影響を受けています。

もちろん、現在進行形で活動中です。
だから火山、地震などの災害も多いです。

しかしそのおかげがあって
自然も豊かで食べ物もおいしい。
日本に暮らす人は誇りに思ってほしい。
日本の大地を愛して知ってほしい。
知ることで、私たちは日本と
上手に共存できるのです。
それが〇先生が今までの37回を通して
伝えたかったことです(#^^#)

ふと振り返れば、のん地は
もう折り返し地点に
来たのかもしれません。
引き続き頑張ります。

次回は、
大切な事を
忘れておりました、
「補講、付加帯」
です。


謝辞~星屑の子供たちへ~

現在進行形で沖縄トラフ(背弧海盆)が拡大中です。
沖縄トラフを北に延長すると、九州まで溝がつながっているのではないかと言われています。
その延長線上が別府島原地溝帯というたくさんの正断層で溝になっている場所です。沖縄トラフが拡大し続ければ、そこを境に北九州と南九州が割れて引きちぎられて海になるかもしれません。
火山があるおかげで常に埋め立てられて今までも陸続きを保っていたようなものらしいです。
別府が海の底、、、ドラマですね( ;∀;)


Geo Radio「のんびり地学基礎#37「日本列島の形成」


自分メモ

地質帯を構成する岩石

a、西南日本内帯

①三郡帯
・秋吉帯
九州福岡、中国地方に主に分布。
古生代石炭紀~ペルム紀の
玄武岩質火山岩、石灰岩、
チャートなどが付加体となった。

・蓮華帯
九州北部から山陰海岸を経て
飛騨外縁帯に広がる。
石炭紀の結晶片岩を主としており
日本で最も古いとされる高圧型変成帯。

・周防帯
三郡帯のほとんどを占める。
九州中北部~中国地方、
近畿西端に広がる高圧型変成帯。
三畳紀~ジュラ紀の結晶片岩を主としており
原岩はペルム紀末~トリアス紀前半の
付加体であると考えられている。

②舞鶴帯
古生代ペルム紀~中生代三畳紀の堆積岩類や
複合岩類(花崗岩質岩、閃緑岩、斑れい岩など)。
石炭紀からペルム紀の変成岩。

③飛騨変成帯
古生代後期~中生代前期の
低圧~中圧型変成岩と同時期の花崗岩。


④飛騨外縁帯
古生代後期の
付加体と高圧変成岩・蛇紋岩。


⑤美濃・丹波帯
一部が古生代で、
大半が中生代ジュラ紀の非変成付加体。

⑥領家帯
美濃・丹波帯を原岩とする
中生代後期の低圧型変成岩と花崗岩。
     
~中央構造線を挟んで~

b、西南日本外帯

⑦三波川帯
中生代の付加体を原岩とする
中生代後期の高圧型変成帯。

⑧秩父帯
大半が中生代ジュラ紀の非変成付加体。

⑨四万十帯
北部は中生代後期、
南部は古第三紀の非変成付加体。

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