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のんびり地学基礎 #29 地震①「地震の場所、大きさ、揺れ方」

今回から4回にわたって
日本では避けようのない
地震を取り上げます。

地震とは?

地震とは地面が揺れることです。

では、
なぜ地面が揺れると思いますか?

私たちは
硬い岩盤の上に住んでいます。
プレートの運動によって、
岩盤には常に
押したり引いたり、
強い力が加わっています。

岩盤は歪んでいきます。

歪みの限界に達すると、
岩盤は割れ、動きます。
その時の振動が波となって
地上に届き、地面を揺らします。

地震は岩盤の破壊現象です。

地震の場所

①、震源

震源とは、
岩盤が割れ始めた瞬間のポイントを
三次元的に表すものです。
「震源は」という時、
必ず深さの情報も入ります。

②、震央しんおう

震源を真上から見て
地図上に✖をつけた箇所を
震央と言います。
震源地とも言います。

③、震源域

岩盤が割れ始めてから
どこまで割れたか、
最終的にどのくらいズレたか、
の範囲を〇で囲って三次元的に
表したものを震源域といいます。

割れの範囲が広ければ、
それだけ地震も大きくなります。

地震の大きさ

①、震度

各観測地点の震度計で
揺れの強さを測定し、段階的に
数字で示したものが震度です。

震度は強さによって、
震度0、
震度1、
震度2、
震度3、
震度4、
震度5弱、
震度5強、
震度6弱、
震度6強、
震度7、
の10段階に分かれています。

②、マグニチュード

地震そのものの規模を
数値化したものを
マグニチュードと言います。
エネルギーが大きいほど
数字も大きくなります。

この数字は、ある地震と比べて、
マグニチュードが0.2大きくなると
約2倍のエネルギー、
マグニチュードが1増えると約32倍、
2増えると1,000倍のエネルギー
を持つように計算されています。

つまり、
マグニチュード8の地震は、
マグニチュード7の地震の約32個分、
マグニチュード6の地震の1000個分の
規模ということになります。

なんとなく
数学の雰囲気が
漂ってきました(>_<)

マグニチュードの計算は
√1000倍になっていて、
これも
対数をとっているのだそうです。

③、モーメントマグニチュード

「岩盤がずれ動いた面積✖ずれた量✖岩石の硬さ」
をもとにして計算したマグニチュードを、
モーメントマグニチュード(Mw)と言います。

マグニチュードは
地震計からの振幅で
素早く計算されますが、
規模の大きな地震になると
正確な計算が難しくなります。

モーメントマグニチュードは
物理的に明確に計算するので、
大きな地震でも
正確に計測できます。
しかし、
計算に時間がかかること、
小さいマグニチュードの
計算の精度が下がる
などの欠点もあります。

気象庁では主に、
気象庁マグニチュード(Mj)と
モーメントマグニチュード(Mw)の
2種類を併用しています。

④、マグニチュードと震度

最大震度が強かったから、
マグニチュードも大きい
とは限りません。

地震波は震源をスタートに
同心円状に広がり伝わります。

震源が地下深い場合、
地震の規模が大きくても、
地表に届くまでに
地震波が小さくなっている
場合があります。

反対に
直下型と言われるような地震。
大陸の浅い場所で起こるので、
地震の規模としては小さくても
断層がズレた衝撃が直に届き、
私たちのいる場所を
強く揺らすことでしょう。

揺れの伝わり方

地震も光や音のように、
地殻の中を波で伝わってきます。
地震波です。

地震波には
初めに届く第1波
遅れて届く第2波
2種類があります。


①、P波(第1波)

地震発生から
一番に届く波です。
揺れの伝わり方は、
進行方向に押されて
進むたて波です。
イモムシやケムシの歩き方
みたいな動きです。
速度はとにかく早いです!

P波は、カタカタと小さく揺れる
初期微動
を引き起こします。

②、S波(第2波)

P波の次に遅れて届く波です。
揺れの伝わり方は、
進行方向と直角に、
左右に振れながら進むので
遅くなります。
ヘビのような進み方の
よこ波です。

S波はP波と重なって、
ゆっさゆっさと大きく揺れる
主要動を引き起こします。

③、PS時間(初期微動継続時間)

地震が起きると、
P波が来て、S波が来ます。
S波が来るまでのP波だけの時間を
PS時間といいます。

PS時間が長いほど、
震源からの距離が遠く
離れているということです。
PS時間を使うと、
そこから震源までの
距離を計算できます。

そして
3か所以上のPS時間から、
震源の位置も
特定することができます。

全国に設置された地震計は
気象庁のものだけでも600か所以上、
他のものも合わせると約3000か所
と言われています。

地震速報や津波情報など、
迅速かつ正確に情報を伝えられるのは、
日々、地震研究に携わり
尽力されている方々のおかげです。

次回は
地震はどこで起きるのか?
「地震②」です。

謝辞~星屑の子供たちへ~

もし海岸で地震に遭ったら?
S波の揺れ方に注意してください。S波がそんなに大きくなかったとしても
長く揺れ続けていた場合、岩盤が割れ続けズレが大きくなっているということです。巨大な津波が来るかもしれません。震源が海ではなくても海底地すべりが起これば津波は来ます。とにかく高い方へ逃げて下さい。

Geo Radio「のんびり地学基礎#29「地震①」 

モーメントマグニチュード(Mw)と気象庁のマグニチュード(Mj)の他、Ms、Mb、Mt、についてお話しています。

↓あさせさんの復習noteです。


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