のんびり地学基礎 #16 岩石の種類
ここに、
3種類の岩石があります。
それぞれに特徴があるのですが、
どうしてこんなに違いがでるのでしょうか?
今回はまず、
違いの理由になりうる
「岩石がどこからきたのか」
で分類してみたいと思います。
①、堆積岩
1つ目の岩石に聞きました。
あなたはどこからきたの?
私は、長い間
いろんなものが積もって
固まってできた石です。
いろんなものとは、
例えば
砂、泥、小石など。
これらのものは
もともとあった岩が
風化などにより細かく砕かれ、
それが川を流れていきます。
大きさごとに
沈む場所が決まっていて
それぞれの場所で堆積し
固まります。
また、湖沼や海の底では、
生物が作った貝殻や
サンゴ、プランクトンのかけらなどが
長い間かけて溜まり、
いずれ固まり
岩石になります。
①の石灰岩はここに
属します。
火山が噴火をして、
飛散した火山灰などが
地表に降り積もったり
火砕流が流れ下って
麓を覆いつくす
ことがあります。
それらが冷えて固まると
やはり岩石になります。
このように
何かが積もって溜まって
固まってできた岩石を
堆積岩といいます。
②、火成岩
2番目の岩石に聞きました。
あなたはどこからきたの?
私は、名前の通り
熱い熱いものから生まれました。
地球で熱いものといえば、、、
どろどろのマグマですね!
マグマが冷えて固まったものを
火成岩と呼びます。
今まで勉強してきた中に
よく登場した
玄武岩、斑れい岩、花崗岩は
マグマが冷えてできたものでしたので、
これらは全て火成岩ということになります。
どこで、どんなマグマが
どんな風に固まったかで
細かく分類されます。
また後日、詳しく見ていきましょう。
③、変成岩
最後の岩石に聞きました。
あなたはどこからきたの?
私はもうあの頃の私じゃないの。
おやおや、
これはただ事ではありません!
そうなんです、
もともとすでにあった岩石が、
強い圧力や高温にさらされて
石の様子が変わってしまったものを
変成岩といいます。
例えば、
セメントの材料に使われる
①の写真の石灰岩、
石灰岩は白くて柔らかくて
もろもろした石です。
→ もともとは堆積岩ですね。
しかし、
マグマの貫入などによって
石灰岩が高温にさらされると、
熱で焼かれた部分が
カチカチツルツルの
大理石に変身します。
見た目だけではなく、
商業的な価値も
ずいぶん変わりますね。
他には、③の写真の岩石。
秩父や伊予などでとれる
通称、青石と呼ばれる緑色の石です。
庭石によく使われるそうです。
正式には
緑色岩、緑色片岩と言い、
②の火成岩である玄武岩に
圧力がかかり変成したものです。
あなたのお家の美しい石は
高温、圧力を耐え抜いた
変成岩かもしれません。
そう思うと、
石ころひとつひとつにも
歴史があり、経緯があって
いまここに存在すると思うと
愛しくなってきます。
ロックサイクル
堆積岩、火成岩、変成岩、
この3つは無関係ではなく、
地球の循環システムの中で
リサイクルされ続けています。
もともとあった岩石が
浸食、風化で砕かれ、
砂や小石になって堆積する。
地学的現象により
岩石に強い圧力や
熱が加わり変成する。
岩石が地球内部に戻り、
マントルとなる。
マントルはまた、
熱せられるとマグマとなる。
マグマが冷えると火成岩になる。
このように
姿かたちを変えていく
ロックサイクル。
岩石は循環しています。
私たちは、
地球の循環を学ぶことで、
地球で起こる多くの現象を
深く知ることができます。
暗記科目のように
なってしまいますが、
とても重要な部分なので、
次回以降、
いろいろな岩石を種別し
細かく学んでいきましょう!
次回は
「堆積岩の種類」です。
謝辞~星屑の子供たちへ~
実は石に全く興味がありません。宝石にも興味がありません。
しかし、そこら辺に落ちている石でさえも、大昔マグマが冷えてできたもので、いろいろな過程を経て今ここに転がっていると思うと、地球の歴史の証人のような、人生の先輩のような気がしてきました。
Geo Radio「のんびり地学基礎#16「岩石の種類」