![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/107085162/square_large_6e788ad3fb7c2ae2b2ce0f68c019f3cd.jpg)
夢十夜(第三夜)
夏目漱石
00:00 | 00:00
青空文庫より、
夏目漱石「夢十夜」の
第三夜を読みました。
《ふわっとあらすじ》
こんな夢を見た。
六歳のわが子をおぶっている。
子供はなぜか坊主頭で、目が不自由だった。
そして物言いはまるで大人のようだった。
目が見えないはずなのに、
まるで見えているかのように話す。
この先に起こることを知っている。
わが子ながら怖くなり、
どこかに捨てようと考えだした。
すると子供は鼻で笑った。
お父っさん、重いかい?と。
自分の考えていることも
見透かされているようだった。
自分は子供の道案内の通りに
森の奥へ進んだ。
さっきから雨は降り続いている。
子は自分の現在、過去、未来を
全て知っているように思えた。
もうたまらなくなったその時
突然背中の子が
ここだここだ、と。
この杉の根のところだ、と。
思わず、
うんそうだ、と自分は答えた。
文化五年、辰年だろう?
お前が俺を殺したのは、と。
そう言われると確かに百年前、
ここでわが子を殺したという
自覚が忽然と起こった。
そのとたん、背中の子が
急に石地蔵のように重くなった。
《語句解説》
青坊主:髪を短く切った頭。
八寸角の石:底面が一辺24㎝ほどの正方形の角柱の石。
判然:明らかなさま。
一間:1.81メートル。
文化五年:1808年。
~・~・~・~・~・~・~
音声配信アプリstand.fmにて、
「しんいち情報局(仮)」の
「朗読しんいち」を
担当させていただいています。
しんいち情報局(仮)
広島県福山市新市町の情報をお届け!
https://stand.fm/channels/623f0c287cd2c74328e40149
夏目漱石「夢十夜」の
第三夜を読みました。
《ふわっとあらすじ》
こんな夢を見た。
六歳のわが子をおぶっている。
子供はなぜか坊主頭で、目が不自由だった。
そして物言いはまるで大人のようだった。
目が見えないはずなのに、
まるで見えているかのように話す。
この先に起こることを知っている。
わが子ながら怖くなり、
どこかに捨てようと考えだした。
すると子供は鼻で笑った。
お父っさん、重いかい?と。
自分の考えていることも
見透かされているようだった。
自分は子供の道案内の通りに
森の奥へ進んだ。
さっきから雨は降り続いている。
子は自分の現在、過去、未来を
全て知っているように思えた。
もうたまらなくなったその時
突然背中の子が
ここだここだ、と。
この杉の根のところだ、と。
思わず、
うんそうだ、と自分は答えた。
文化五年、辰年だろう?
お前が俺を殺したのは、と。
そう言われると確かに百年前、
ここでわが子を殺したという
自覚が忽然と起こった。
そのとたん、背中の子が
急に石地蔵のように重くなった。
《語句解説》
青坊主:髪を短く切った頭。
八寸角の石:底面が一辺24㎝ほどの正方形の角柱の石。
判然:明らかなさま。
一間:1.81メートル。
文化五年:1808年。
~・~・~・~・~・~・~
音声配信アプリstand.fmにて、
「しんいち情報局(仮)」の
「朗読しんいち」を
担当させていただいています。
しんいち情報局(仮)
広島県福山市新市町の情報をお届け!
https://stand.fm/channels/623f0c287cd2c74328e40149