のんびり地学基礎 #28 ロックサイクル
全14回にわたって
岩石について学んできました。
地球の表層にある
全ての岩石は、
地学的な作用を受けて
火成岩、堆積岩、変成岩の中で
同じまたは違う岩石に
成り変わり続けます。
このように、岩石が
姿かたちを変えながら
地球で循環する仕組みを
ロックサイクルと言います。
地球内部では、
マントルのかんらん岩が溶けて
マグマになります。
マグマは
地下で冷えて固まったり、
噴出して海底や地表に現れて
火成岩となり、
火山や地殻を作ります。
山となった火成岩は、
風化し、浸食作用を受けて
砕かれて砕屑物となり、
川を流れ運ばれた先で
堆積岩となります。
海底の火成岩や堆積岩は、
プレートに乗って
海溝で沈み込むと
そこで変成岩になります。
大陸の火成岩や堆積岩は
地下からマグマが
上昇することによって、
また
大陸同士の衝突によって
変成岩になります。
地殻変動が起こると
断層でも変成岩になります。
このように岩石は、
地球の中で変化しながら
くるくるまわり続けています。
ドラマチックな沈み込み帯
私たちの住む日本付近の
ロックサイクル事情は
どうでしょうか?
①海嶺で生まれた玄武岩(火成岩)が
海洋プレートに乗って日本に来る。
↓
②その上に、
チャートや石灰岩などの堆積岩
が積もる。
↓
③またその上に、
大陸からの砂、泥の
堆積岩が積もる。
↓
④海溝でそれらが沈み込むと
温度や圧力の変化で
変成岩に変わる。
↓
⑤沈み込みの影響で
大陸側で火成活動が起こり
かんらん岩がマグマになる。
↓
⑥マグマが貫入した周辺の
火成岩や堆積岩は変成岩になる。
↓
⑦マグマが冷えると
花こう岩(火成岩)になる。
↓
⑧花こう岩は大陸を作り、
山と川ができる。
↓
⑨高低差が生まれ
風化で砕かれた砕屑物は
浸食作用によって
川を下り堆積岩になる。
↓
③に戻って続く。
日本周辺では
ロックサイクルが
顕著に働いていることが
分かります。
日本は地学的に
ドラマチックな
沈み込み帯にあり、
ロックサイクルを
循環させている
重要な場所なのです。
花崗岩は大陸をつくる
花こう岩は
大陸を構成する主な岩石で
上記の⑧、
「花こう岩は大陸を作り」
とありますが、これは
沈み込み帯だけの特徴です。
初生マグマが
ゆっくりと冷えて
固まることで
花こう岩ができますが、
その工程
花こう岩は
他の岩石より密度が軽く
浮力でどんどん上昇するため
大陸地殻を上に上に
成長させるのです。
現在火山が噴火している場所、
日本列島、西ノ島、福徳岡ノ場も
今まさに花こう岩を作り、
大陸地殻製造中なのです。
海溝に沿って
海の上にぽつぽつと
火山弧が並んでいますが、
それはいずれ合体をして
大きな大きな大陸になります。
地球最初の大陸も
そうやって成長したのです。
次回からは、
沈み込み帯ゆえの、
地震のお話に入ります。
「地震①」です。
謝辞~星屑の子供たちへ~
長い時間をかけて、岩石とは何か?を勉強しました。プレートテクトニクスは、地球の冷却システムだと学びました。だから地球が岩石を作り続けるのも、地球の冷却の記録なんだと思いました。人間がいてもいなくても、地球は宝石を作りますし、風光明媚な土地や、奇観を呈する絶景も作ります。
なぜこんな景観になったかの歴史記録を読み解くために、そして未来のために岩石を学ぶのですね。
Geo Radio「のんびり地学基礎#28「ロックサイクル」
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