トラクターにもナビをつける時代!GPSガイダンス・自動運転の概要
はじめに
農業のIT技術の発展はすごいなーと常々感じています。
特に、十勝で農業をやっていてここ数年で一気に普及したなと感じるのが「GPSガイダンス・自動操舵システム」です。
当農場でも4年ほど前から市販の自動操舵システムを導入していますが、もはや手放せなくなってきています。
⬇︎自動運転のおかげで夜でも作業ができたというお話
…ですが実はあまりその仕組みを理解して使っていないため、メンテナンスや何か不具合が起きたときにお手上げ状態となっているのが正直なところでした。
そしてこの春、当農場で新たに自動操舵システムを他のトラクターにも増設することになりました。
そこで、どのメーカーのシステムを導入しようか…と検討した結果、コストを抑えるために農業情報設計社さんの「AgriBusシリーズ」を学びながら、自身で設置・導入してみることにしました。
今回から数記事に分けて、その導入と学びの記録を残していければなと思っています。
本記事では、自動操舵システムとその前段階であるGPSガイダンスについて、基礎的なところを整理していきます。
GPS/GNSSについて
まずは「GPS」って日常的にもよく聞きますが、一体何でしょうか?
身近なところでは、カーナビやスマホの位置情報で使われていますよね。
「GPS」とは、アメリカが運用している衛星測位システムのことです。衛星測位システム…つまり地球上の位置を測定するための人工衛星と、それを活用する仕組みのことを言います。
実際には、アメリカだけでなく世界各国の衛星が稼働しています。有名なところでは、ロシアのGLONASS、ヨーロッパのGalileo、また日本のQZSS(通称みちびき)などがあります。
これら現在地を測定するための衛星システムを総称して「GNSS」(グローバル・ナビゲーション・サテライト・システム:全球測位衛星システム)と呼ばれています。
実は、普段僕らがGPSと呼んでいるもの…例えばスマホ端末の地図アプリで活用しているものは、複数の衛星を組み合わせて位置情報を取得しているものが一般的だそうです。
なので本当は「GNSS」と呼ぶのが正確な表現なのですね。
GNSSガイダンスと自動操舵システムについて
さて、ここからが本題。農業で活用するGPS/GNSSの話になります。
(今後はGPSの代わりにGNSSという総称を使っていきますね。)
GNSSを活用した農業技術について現在普及しているものは大きく2つ、「ガイダンスシステム」と「自動操舵システム」があります。
●ガイダンスシステム
トラクターの現在位置と事前に設定した走行線をモニターに表示し、走行線に沿ってまっすぐ走行できるようにナビゲーションしてくれるシステムのこと。実際に作業した範囲を塗りつぶしてくれるため、作業履歴として残すこともできる。
●自動操舵システム
モニターによるガイダンスに加えて、さらにトラクターのハンドルをモーター付きのものに取り付けることで自動操舵を可能にしてくれるシステムのこと。ハンドルを握らずとも設定した走行線に沿ってまっすぐ走行できるようになる。
⬇︎このような感じでガイダンスしてくれます(AgriBus-NAVI)
まっすぐな走行線が指定した間隔で並んでいて、今いる場所がどれだけ線からズレているのかが数値で表示されます。
作業した範囲が黄色く塗りつぶされています。なんだかゲーム感覚で楽しくなってきます。
おわりに
こんなところで、今回はGNSSガイダンス・自動操舵システムの基礎的な知識について整理してきました。
次回の記事ではもう少し具体的に、ガイダンス・自動操舵システム導入による効果と導入コストについてまとめていきます。
⬇︎次回記事
参考リンク
●農業情報設計社
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