ヴィヴェック茶番を支えた「親トランプインフルエンサー」
ヴィヴェック・ラマスワミーという超新星の爆誕
昔々のことだった(とは言え、たかが1年前のことなのだが)。一人の若者が彗星の如く共和党大統領候補として現れた。その名をVivek Ramaswamy(ヴィヴェック・ラマスワミー)という。
だが、彗星として突如現れただけあって、彼がどこの誰なのか知る者は殆どいなかった。だが、既にSNSでは次代の星だと喧伝され、多くの者が彼の名を初めて知った時には、彼の支持率は既に数パーセントはある…という話になっていた。おい、どこの事務所のごり押しだ?いきなり出てきたのにスター扱いはおかしいではないか。
と思う間もなくヴィヴェックはその歯に衣着せぬ物言いと、トランプ擁護姿勢、そしてトランプの政策をほぼほぼ踏襲するという立ち位置でその名を轟かせていった。極左メディアのCNNを斬り、裏切者のDS知事であるディサンティスを斬り、「ヴィヴェックはトランプの後継者だ」、「いやトランプの副大統領候補だ」などと言うむきも徐々に増え始めた。
実はヴィヴェックは瞬殺されていた
そんなとき、リンウッドとその調査隊がヴィヴェックのバックグラウンドをばらしてしまった。ヴィヴェックはソロス奨学金をもらったソロスチルドレンだった。
リンウッド以外に、そのことに触れて警笛を鳴らす「親トランプ・インフルエンサー」は他にはいなかった。ソロスというトランプの仇敵とヴィヴェックとのつながりは、トランプの支持者にとってかなり重要なことだと思われるのだが、ほとんどの【親】トランプのインフルエンサーにとってはフォロワーにあえて言う必要もないほど些細なことだったようだ。
もう少しリンウッド調査隊の報告内容を見てみよう。ヴィヴェックにはシャンカーと言う名の兄弟がいる。ヴィヴェックの会社であるロイヴァント・サイエンス社において、シャンカーは遺伝子治療を研究しており、この関係を辿った先にオバマが出てくるのだ。以上のことは2023年2月22日にリンウッド調査隊が掘りだしている。
さらに、「あちら側メディア」として有名なウィキペディアがどれだけ迂闊にヴィヴェックに関する情報開示しているか見てみると、日本人にとってもかなり面白い企業とヴィヴェックがつながりを持っている事がわかった。ソフトバンク、第一三共、武田製薬、大日本住友製薬、そして海外有名どころではアストラゼネカとも関係がある。
無論そう言った企業とヴィヴェックが関係があるからと言って、一足飛びに彼が悪事を働いたとは絶対に言えない。遺伝子治療の件も同じだ。だが、何故【親】トランプのインフルエンサーが、ヴィヴェックのこのような経歴を我々に伝えないのか。問題はそれだ。こうした経歴を我々に詳細に伝えることなど、【親】トランプインフルエンサーにとってはただのノイズレベルだったのだろう。
RFK Jrへの姿勢もまた同じ
こうして多くの人がヴィヴェックのバックグラウンドを知らないまま、ヴィヴェックの威勢のよさだけが伝わっていった。その様子はまるで「反ワクチン、反戦争、反民主党、反バイデン」を売りにするRFK Jrの「醜い真実」が全く触れられないまま、その虚像だけが我々に刷り込まれてきた様と同じに見えた。
筆者の知る限り、RFK Jrはその不都合な真実を隠されたまま我々にゴリ押しされている。何故なら、【親】トランプのインフルエンサーの誰も、RFK Jrが:
長年気候変動の虚構を推し、
2020年のプランデミック発生時にロックダウンを支持し、
2020年7月のコロナ真っ只中にファウチに「ロバートF.ケネディ希望の水紋人権賞」を与え、
病的と言う表現も可愛い異常な女性遍歴があり、
少なくとも2014年まではエプスタインの愛人であるギレーヌ・マックスウェルが開くパーティーに出向き、
昨年ロックフェラーの息子の嫁であるAbby Rockefellerから大統領選挙の募金を受けた
ことなどにまるで触れていないからだ。今我々は懸命にグローバリストと戦っていると言うのに、知らせなくともいいことなのだろうか。
ヴィヴェック、仕掛ける
さて、いよいよ2024年となり、アイオワでの共和党予備選の日が近づいてきた。するとヴィヴェックは「トランプはこのままだと民主党の息のかかった政府機関や司法等の妨害を受けて大統領になることが出来ないかもしれない。そうなると、共和党側の候補にトランプを選んでしまった事が無駄になる。ここは断腸の思いだろうが、トランプを敬愛する私に票を入れてほしい」と主張した。
このような主張は遅くとも1月4日には報道され、その後ヴィヴェックはどんどんと自分の主張こそが正しいのだとキャンペーンを展開していった。
上(1月4日付Yahoo記事)では「トランプはもう傷ついていて完走が出来ないから新しいリーダーが必要だ」と語り、下(1月13日)では「トランプは現政権の妨害によって、結局ホワイトハウスに到達することはできない。だから自分を支持せよ」と語っている。
このような欺瞞に満ち満ちたキャンペーンに対し、西海岸時間1月13日午後2:45にトランプはTSにこう書いた。「ヴィヴェックはこれまで私にとって色々いい事を言ってきたが、彼に入れることはあっち側に入れる事だよ。騙されないように」。
これを聞き、トランプ支持者は烈火のごとく怒った。「トランプ推しでヴィヴェック推し」という詐欺的な立ち位置にいる【親】トランプインフルエンサーも怒って(みせて)いた。そうか、怒るのか。トランプを推しながら他の大統領候補を推すと言うのは、そもそもそれ自体矛盾となるはずだが。【親】トランプインフルエンサーなのにそんなことも知らないのか(いや、知っててやってるわけだが)。
インフルエンサー、拳を上げる
とにかく、トランプがヴィヴェックをこき下ろしたとなれば、これまでヴィヴェックへの好感を表明していた【親】インフルエンサーも急いで態度を変えないといけない。偽旗協会のシナリオはしょっちゅう変更される。
ロンディサンティス攻撃の急先鋒であり「妥協を許さないトランプ支持者」を自称するローラ・ルーマー(Laura Loomer)は、当地1月15日午後4時の時点で、ヴィヴェックを「失礼で不誠実な奴め!」と罵っていた。
MAGAインフルエンサーとして最近ではバドワイザー不買運動を詳報して名を売ったベニー・ジョンソン(Benny Johnson)は出遅れ、1月14日午後4時の時点で引き続きヴィヴェックの集会をレポートしており、フォロワーから「このMAGAを騙る裏切者め!小銭稼ぎの詐欺師め!」と罵倒を浴びていた。もう彼が軌道修正するのは難しそうだった。
同じく揺るぎないトランプ支持者という位置づけにあるカタード(Catturd)は、1月13日に発せられた「ヴィヴェックは、投票日まであと2日と迫ったアイオワの雪の中で、2028年の大統領選への道を自ら凍らせようとしている」というLaura Loomerの怒りのツイートを引用していた。
ヴィヴェックは終わった。そう思う者も少なくなかった。しかし、アイオワでトランプが大勝利を収めた後に情勢が変わった。ヴィヴェックは1月15日夜、敗戦の弁と共にすかさず「私はトランプを支持する」と態度を一変させたのだ。おい。「トランプはバイデン政権に邪魔されてホワイトハウスには行けない」って深刻そうな顔して言ったばかりだろうがw
インフルエンサー、拳を下げる(速っ!)
しかし、態度が変わったのはヴィヴェックだけではない。多くのツイッター民は「ヴィヴェック、よく言った。トランプの副大統領はお前だ!」とか、「2028年はお前のものだ!」などと誉めそやした(但し一定の数の人々は「もう遅い。ヴィヴェックのことは信じないよ」と言っている)。では、【親】トランプインフルエンサーはどうだったか。
1月16日朝8時、ローラ・ルーマーの怒りはどうやら1日で収まってしまっていた。電話でいい話が出来たのだそうだ。ヴィヴェックは品よく振舞ったのだそうだ。おい。あの怒りの声明は何だったんだ。シナリオライター出てこいw
Benny Johnsonは1月15日午後8時、トランプを応援するとヴィヴェックが語っている動画を引用して、「裏切り」と言われた行為をなし崩し的に「なきもの」にしようとしていた。でも、少なくとも筆者は、あなたがアイオワでヴィヴェック密着取材をして、とことんヴィヴェックをヨイショしてたのを忘れないw
「揺れない男」を自認しているCatturdは、1月15日夜に、「私はヴィヴェックが好きになりかけていたが、この二日間の展開で彼の言葉は信じられなくなった」と語っていた。そうだろう。それが普通だ。
だが、1月16日朝4時には、「少し様子を見てよっかなぁ」と意見が変わっていた。おい。容易には揺れないんじゃなかったのかw
この人たちは、以上の通り、自分らの軽挙妄動に痛痒を感じない。感じないよね。そういう役割なのだから。
ヴィヴェック温存に成功!
こうして、なんだか知らないが、このどさくさの中でヴィヴェックは一躍トランプの後釜の様なポジションに座った(ような感じになった)。アイオワ開催の一回目の共和党予備選でディサンティスにもニッキー・ヘイリーにも負けた4位の、そしてもう予備選から降りたヴィヴェックにとって、これは美味しい展開だ。「奴はソロスチルドレンだ!警戒しろ!」と言うわずかなが声はかき消され、トランプが「彼はあちら側だ」と言った事実も飲み込まれたかのようだ。
ヴィヴェックは続けて、1月16日午後4時ごろ、トランプ支持の弁を改めてカメラの前で語った。その後ろにはトランプが立っていた。
トランプはヴィヴェックを許したのだろうか。それとも、許すも何も、最初から全てお見通しでヴィヴェックが起こした騒動をうまく利用しているのだろうか。
むかしマイク・ペンスと言う男がいた。トランプの副大統領であるペンスが話すとき、トランプがその横に立って聞いているシーンを読者諸兄も何度か見た事があるだろう(下の動画はJ6のニュースを伝えてるけど、映像自体はJ6と無関係)が、ペンスを見るトランプの表情には、笑みをこぼしているときでさえ憐れみと軽蔑が混在しているように筆者には見えた。そう感じるのは、この男が2021年1月6日にトランプを裏切ったことを知っているからだろうか。ヴィヴェックを見るトランプの表情と比べてみたら面白いかもしれない。
こうして、たった数日の間にヴィヴェックを取り巻く事態がジェットコースターのように動いた。インフルエンサーのお陰もあってヴィヴェックはより有名になった。おめでとう。でも、またも君たちの無茶苦茶な言動も、トランプの「ヴィヴェックへの投票はあっち側への投票」という発言もデジタルタトゥーとして刻まれたよ。
茶番は見飽きた
この「成功」に【親】トランプインフルエンサーが果たした役割は大きい。ヴィヴェックの正体にはついぞここまで触れないまま、「副大統領候補」とか「2028年の本命」などといった評判の醸成に貢献した。
これから共和党内の予備選はどんどん消化されていくが、「事故」があった場合を除きトランプが選出されない未来などはない。従って、このままいくと2024年11月の戦いはトランプ vs 民主党候補 vs RFKJrという構図になる。
言うまでもないが、そのままならトランプが勝つ。しかし、グローバリストは座視しない。事故を起こそうとする。引き続きトランプをあらぬ罪で監獄に送り、または被選挙権を剥奪することなどに精を出すだろう。選挙日まで無事に辿りついても、また不正を仕掛けてくるかもしれないし、選挙そのものを吹っ飛ばすような事件を起こすかもしれない。
グローバリストはトランプを排除するためなら何でもする。排除できた場合のシナリオやカードも当然に持っている。ヴィヴェックはその一枚のカードだ。「トランプが出られないのなら、ヴィヴェックがいるじゃないか!彼がトランプの意思を継げる唯一の候補者だ!」などと言える。ある者はこうも言うだろう。「ヴィヴェックはいいが、あくまでもミニトランプだ。共和党だけで盛り上がっても最終的に民主党候補に負けるかもしれない。RFKJrはどうだ?これなら両陣営が乗れる!」などと。
冗談ではない。グローバリストとこの8年戦ってきたのはトランプだ。トランプだけだ。トランプを退場させて、そのかわりにアメリカをソロスチルドレンに任せるなど、ましてや反ワクだけどファウチを表彰してしまい、ロックフェラー一族から選挙資金を受け取ってしまう元デモクラッツにアメリカを任せるなど狂気の沙汰だ。
【親】トランプのインフルエンサーが、グローバリストにとって唯一の脅威であるトランプに敵対する者を平気でシレっと推すのを見ると、筆者はたまに胸が悪くなる(逆にあまりにあからさまなときは「クスッ」とするときもあるが)。ヴィヴェックにせよRFK Jrにせよ、彼らがイメージの真逆を行くグローバリストの子飼いであることを示すデジタルタトゥーは沢山ある。そこらにころがっている。つまり、誰でも取得可能な一次資料を見れば、彼らの危険性などすぐにわかるのだ。なのに、せっかくのデジタルタトゥーをなんで調べないのか。
滅茶苦茶な情報心理戦(PSYOP)が行われている現代において、一次資料を元にした言説をしないのなら、そのような情報発信者は端から信ずるに値しないのではないかと筆者は思う次第だ。