(aan,w009,音声動画) 獅子の王国 / THE KINGDOM OF THE LION
✅英3回+和1回セットです💙画質720p推奨💙
✅このお話の教訓は?(ルビ無)
此処で扱っています、原書は『トロント大学』所蔵管理版の “Three hundred Aesop's fables. Literally translated from the Greek. By George Fyler Townsend”で画像データからテキスト抽出し、私自身でスペルチェックをして原文としています。和訳も此の版を元に翻訳してるわけですが、100年前の著作故か、幾つかの版では英文テキストの内容が若干変っている場合があります。
つまり、別の版では最後に「其の台詞を言うや否や、ウサギは命がけで逃げだしたのです」と云う結末を書いているバージョンがあるのです。この結末の教訓は解り易いですよね、『王様がそう望んだからと言って、強き犬達が弱い兎を食べなくなるなんて有り得ない』のだからと、ウサギは王国から姿を消し逃げ去った訳です。近代の欧米では此の考え方をして居たと考える方が私には納得出来ものがあります。
さて問題は其の様な結末の付いていない此方側の原書、或いは
"(S){A strong government} (V)is (C){most beneficial to the weak}."
『(A)強い政府は (C+V)弱い者にとって最も有益です』
と云う説明を付けるバージョンの教訓となるのですが、もしかしたら本当に此の物語の様な強者と弱者が一緒に住む社会をイソップ氏や此の寓話を現代に迄伝えた人々は願ったのかも知れませんね。そう言えば彼の漫画家故手塚治虫先生のジャングル大帝は正に此方側の解釈をした物語でしたっけ。先程見て回ったのですが、やはり故手塚治虫先生もイソップ寓話を元ネタにした作品を残されてました、タイトルは『珍イソップ物語 金のタマゴを生むメンドリ』の一遍がネット上で公開されています。そうそう、小説や漫画等で良い繋ぎ話が出てこない時にはイソップ寓話等の昔の寓話の内容を元ネタにするのは良くありましたよね、今の作家さん達で其れ等を余り知らない人が居ましたら、是非お知らせください。例えば、故手塚治虫先生の様な偉大な漫画家を一部なりとも越える方法の一つに『同じ元ネタでより面白い作品を作る事』が挙げられるのですから。
※ このお話には多くのバリエーションがありますので、ここに書いた教訓が好みでない方々は別の人のお好みの解釈をお選びください。
■ 英文&翻訳和文(ルビ無)
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THE KINGDOM OF THE LION .
The beasts of the field and forest had a Lion as their king .
He was neither wrathful , cruel , nor tyrannical , but just and gentle as a king could be .
He made during his reign a royal proclamation for a general assembly of all the birds and beasts , and drew up conditions for an universal league , in which the Wolf and the Lamb , the Panther and the Kid , the Tiger and the Stag , the Dog and the Hare , should live together in perfect peace and amity .
The Hare said , “ Oh , how I have longed to see this day , in which the weak shall take their place with impunity by the side of the strong . ”
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獅子の王国
広原や森林の獣達は彼等の王様として獅子を擁していました。
獅子は、怒る事は無く、残酷でも無く、暴君でも無く、寧ろ王様は斯くあるべきを体現したかの様に公正で紳士的でした。
獅子の治世の間の或る時、獅子は、全ての鳥達や獣達の総会を開催する為の王命での布告を行いました。そして、(獣達の)世界の連盟の為の諸条件の草案を作成しました。其の草案は、狼と子羊、豹と子山羊、虎と雄鹿、犬と野兎が、完全な平和と友好の中で一緒に暮らす、と云う内容でした。
野兎は言いました、「おぉ、なんて素晴らしい事でしょう、私は此の日を見たいと切望していたのです、
(犬達側の)強者の傍に無事な侭、(野兎側の)弱者が彼等(犬達)の場所を占められる日の事を」
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✅逐語訳&構文解説はこちら
■ このお話の教訓は?(ルビ有)
此処で扱っています、原書は『トロント大学』所蔵管理版の “Three hundred Aesop's fables. Literally translated from the Greek. By George Fyler Townsend”で画像データからテキスト抽出し、私自身でスペルチェックをして原文としています。和訳も此の版を元に翻訳してるわけですが、100年前の著作故か、幾つかの版では英文テキストの内容が若干変っている場合があります。
つまり、別の版では最後に「其の台詞を言うや否や、ウサギは命がけで逃げだしたのです」と云う結末を書いているバージョンがあるのです。この結末の教訓は解り易いですよね、『王様がそう望んだからと言って、強き犬達が弱い兎を食べなくなるなんて有り得ない』のだからと、ウサギは王国から姿を消し逃げ去った訳です。近代の欧米では此の考え方をして居たと考える方が私には納得出来ものがあります。
さて問題は其の様な結末の付いていない此方側の原書、或いは
"(S){A strong government} (V)is (C){most beneficial to the weak}."
『強い政府は弱い者にとって最も有益です』
と云う説明を付けるバージョンの教訓となるのですが、もしかしたら本当に此の物語の様な強者と弱者が一緒に住む社会をイソップ氏や此の寓話を現代に迄伝えた人々は願ったのかも知れませんね。そう言えば彼の漫画家故手塚治虫先生のジャングル大帝は正に此方側の解釈をした物語でしたっけ。先程見て回ったのですが、やはり故手塚治虫先生もイソップ寓話を元ネタにした作品を残されてました、タイトルは『珍イソップ物語 金のタマゴを生むメンドリ』の一遍がネット上で公開されています。そうそう、小説や漫画等で良い繋ぎ話が出てこない時にはイソップ寓話等の昔の寓話の内容を元ネタにするのは良くありましたよね、今の作家さん達で其れ等を余り知らない人が居ましたら、是非お知らせください。例えば、故手塚治虫先生の様な偉大な漫画家を一部なりとも越える方法の一つに『同じ元ネタでより面白い作品を作る事』が挙げられるのですから。
※ このお話には多くのバリエーションがありますので、ここに書いた教訓が好みでない方々は別の人のお好みの解釈をお選びください。
■ 発音記号付き英文&読み仮名付き和文
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THE KINGDOM OF THE LION .
The beasts of the field and forest had a Lion as their king .
He was neither wrathful , cruel , nor tyrannical , but just and gentle as a king could be .
He made during his reign a royal proclamation for a general assembly of all the birds and beasts , and drew up conditions for an universal league , in which the Wolf and the Lamb , the Panther and the Kid , the Tiger and the Stag , the Dog and the Hare , should live together in perfect peace and amity .
The Hare said , “ Oh , how I have longed to see this day , in which the weak shall take their place with impunity by the side of the strong . ”
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獅子の王国
広原や森林の獣達は彼等の王様として獅子を擁していました。
獅子は、怒る事は無く、残酷でも無く、暴君でも無く、寧ろ王様は斯くあるべきを体現したかの様に公正で紳士的でした。
獅子の治世の間の或る時、獅子は、全ての鳥達や獣達の総会を開催する為の王命での布告を行いました。そして、(獣達の)世界の連盟の為の諸条件の草案を作成しました。其の草案は、狼と子羊、豹と子山羊、虎と雄鹿、犬と野兎が、完全な平和と友好の中で一緒に暮らす、と云う内容でした。
野兎は言いました、「おぉ、なんて素晴らしい事でしょう、私は此の日を見たいと切望していたのです、
(犬達側の)強者の傍に無事な侭、(野兎側の)弱者が彼等(犬達)の場所を占められる日の事を」
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日本語を話せる外国人さん達を増やすために日本語学習用書籍を発刊したいです。 Aesop寓話300余編は2025年末まで作業を続ける予定です。 多くの外国人に「物を粗末にするな!」「人の家をミサイルで壊すな!」と日本語で話し通じるようにする為に、是非サポートをして下さい!