何気ない言葉がつくるもの
何気ない言葉で、ときたら枕詞のように「傷ついた」だのと続く。横断歩道や学校の掲示板によく貼ってある決まり文句だ。
確かに、僕も誰かを何気ない言葉で傷つけたり、傷つけているのだろう。
でも、何気ない言葉が作り出すのは傷ばかりじゃない。
何気ない言葉は、誰かを励ましたり、道筋を創り出すこともある。
僕も、そんな何気ない言葉で道筋を作れたことがある。
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高校の同級生に2年ぶりに会った時のことだ。家と最寄駅は近く、何度か同じクラスになったことはある。
が、あまり頻繁に連絡するような仲ではない。その同級生に何を思ったか、僕は話を聞きに行った。
「どうやったら彼女は作れるの?」と。
その友達はこう答えてくれた。
「必ずお前と会う女の子はいるから、探せ」と。
彼の言葉は妙に説得力がある。その言葉も、自分で嫌になるほど疑い深い僕が信じるほどだった。
彼とこの話をして一年半後、念願の彼女ができるわけだが、それはまた別のお話として。
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